配偶者控除

配偶者控除は、配偶者が専業主婦または年収１０３万円以下なら
世帯主の課税所得を一律３８万円減らす制度。１９６１年に導入さ
れた制度は高度成長期に多かった「夫はサラリーマン、妻は専業
主婦」という世帯を支援する狙いがあった。しかし、１９９０年代
には共稼ぎ世帯が専業主婦世帯を逆転し、家族や就労のあり方は大
きく変わった。半世紀前の制度を見直し、女性の社会進出を後押し
することはアベノミクスにとっては重要なことだ。
・
パートの主婦が控除の恩恵を受けるため、労働時間を少なくする
「年収１０３万円の壁」が問題視されているが、女性の就労促進を
阻む「壁」は配偶者控除にとどまらない。
配偶者の年収が１０３万円を超えると、配偶者手当をもらえない企
業が多く、１３０万円に達すると社会保険料の負担を求められ世帯
主の手取り収入が減ることにもなる。
・
政府や自民党は、現行制度に変えて、夫婦であれば働き方を問わず
に広く浅く控除する「夫婦控除」という案が浮上している。
収入を気にせずに配偶者が就労できるほか、共稼ぎ世帯の不公平感
の解消につながる利点があるとされる。
・
子育てや介護のために働けない主婦、出産や育児で仕事を諦める女
性も少なくない。税制の見直しとともに、社会保障や長時間労働の
是正など総合的観点から、幅広い層が納得する見直しを検討をしな
くてはならない。



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