ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

医療問題 「医療事故無過失補償制度の創設を」

2010年05月18日 | 時事問題
JMM 医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年5月17日)「参議院選を間近に医療事故無過失補償制度の創設を第1回」 猪俣治平 聖マリアンナ医科大病院・「医療事故無過失補償制度を作る会」事務局長 より

 現在医療補償制度は「産科脳性まひ」に限って実施されている。これを全診療科にわたって、死亡と重度後遺症事故をカバーする「医療事故補償制度」の創設を目指したい。問題点を挙げると次の6点となる。
①基金の規模は30億円、年間300人×1000万円 負担は医師、患者、国民、政府 
②補償額は最高1000万円 
③本制度を超える保障については現在ある「過失医師賠償保険」の2階建てとする。 
④過失の有無を問わず、医療行為と事故の因果関係を調査する 
⑤医療債務をよく話し合う。

読書ノート 押谷仁、虫明英樹著 「新型インフルエンザはなぜ恐ろしいか」 NHK出版 生活人新書

2010年05月18日 | 書評
感染者数の爆発的増大が医療・社会経済活動の崩壊となる 第4回

過去3回(20世紀)のインフルエンザの流行
スペインカゼ
1918年 H1N1 死者4000万人以上
日本死者39万人
致死率2-3% 第1次世界大戦後に大流行したインフルエンザ
アメリカと欧州で第1波、第2波で致死率が10倍となった
翌1919年に第3波がおき1年間に3回流行した
アジアカゼ
1957年 H2N2 死者200万人以上
日本死者7700人
致死率0.2%以下 中国の一部で発生したインフルエンザ
香港まで伝播後6ヶ月未満で世界中に確認
毒性は低かった
香港カゼ
1968年 H3N2 死者100万人以上
日本死者2000人
致死率0.2%以下 アジアカゼに似ているが致死率は更に低かった
アジアカゼと同じN2を共有していたため
(つづく)

読書ノート 石井淳蔵著 「ビジネス・インサイトー創造の知とは何か」 岩波新書

2010年05月18日 | 書評
新しいビジネスモデルが生まれるとき、創造的知が働く 第5回

2)ビジネスインサイトと暗黙の知 (1)

 あるビジネスモデルが成功した時、その成功の要因を探ると色々なことがいわれるが、最初の一点に経営者の「創造的瞬間」があった。もやもやした中での閃きであったかもしれないが、今まで自分を縛り付けていたフレームの力が弱まり、逆に内的な創造性や連想力が湧き出てくるのである。このビジネスモデルを生み出すインサイト(洞察力)がその経営者に働かなければ、そのビジネスはこの世に存在しなかったかもしれない。インサイトはそれほど遇有性(偶然性)を持つ。ヤマト運輸の小倉昌男氏は、ニューヨークのエンパイアステートビルの上から十字路の集配車の動きを見て、宅急便の損益分離点は「集配密度をあげ、車両受け持ちエリアを狭くする」というBCD流通体系にあることを閃いたという。ダイエーの中内氏は総合スーパーGMSの業態をあみだし、セルフサービス・ディスカウント・デパートメント・ストアーによって瞬く間に急成長し、1972年には三越の売上を抜いた。仲内氏は流通の革命児と呼ばれた由縁である。セブンイレブンの鈴木敏久氏は多頻度小ロット高精度の流通を目指すコンビニ革命を起こした。セブンイレブンの「小分け配送とエリア集中出店」はどこかクロネコ大和の宅急便のアイデアに似ている。消費者の行動を分析しストレスリリースというコンセプトでネスレのイギリス生まれの洋菓子「キットカット」の売込みを開始した。「きっと勝つ」という語呂合わせにちかい受験生宿泊ホテルとの共生価値方式でクチコミで成長した。これは消費者の生活経験で生まれる価値であり、消費者は合理的ではなく感情的な存在である事をコンセプトとし、、双方向のコミュニケーションで消費者と広告媒体とやり取りすることから成功した例である。何に気が付くかがビジネスの分かれ目である。それに気が付く事がビジネスインサイトである。
(つづく)


月次自作漢詩 「暮春閑適」

2010年05月18日 | 漢詩・自由詩
五月黄昏曳暮霞     五月黄昏 暮霞を曳き

餞春芍薬断腸花     春を餞る芍薬 断腸の花

漱流避地塵心息     流れに漱ぎ地を避け 塵心息み
   
枕石耕雲道意加     石に枕し雲を耕し 道意加わる

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(韻:六麻 七言絶句仄起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)
(平仄規則は2・4不同、2・6対、1・3・5不論、4字目孤平不許、下三連不許、同字相侵)

CD今日の一枚 リスト 「巡礼の年  第3年 文学随筆」

2010年05月18日 | 音楽
リスト 「巡礼の年 第3年 文学随筆」
ピアノ:ゾルタン・コティシュ
DDD 1986 PHILIPS

長年の旅行や読書などをもとに作曲した。第1年はスイス、第2年はイタリア、第3年は文学随想となっている。第3年は、①アンジェラス ②エステ荘の糸杉 ③エステ荘の噴水 ④レルム ⑤葬送行進曲 ⑥コルダ よりなる。