ブログ 「ごまめの歯軋り」

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「文語訳 旧訳聖書 Ⅳ 預言」

2020年09月05日 | 書評
ばら

イスラエル民族の再興を願う3大預言書と12小預言書

3) 「文語訳 旧訳聖書 Ⅳ 預言」(岩波文庫2015年)   (その58)

16) ゼカリア書 (その3)

第10章: エホバはユダの家を顧みこれを強くし美しき軍馬に仕立て上げ給う。エフライム人は勇士に等しくエホバは心から喜ばん。ユダの家を増やしアッスリアの高ぶりを低くし、エジプトの杖を折る。
第11章: レバノンの香柏よ焚け、バシヤンの橡よ叫べ、高らかなる森は仆れたり。牧者の叫ぶ声ありその栄損なわれたり、猛き獅子の吼える声ありヨルダンの叢損なわれたり。我悪しき居民を惜しまない、仇の手に渡し彼の地を荒れ野とする。彼らを救わない、我恵みという杖を折りたり我が契約を棄てたが故なり。愚かなる牧者を除け、視よ我一人の牧者を興さん。11章は最も難解と言われる章です。愚かな牧者を拒否することを主張します。イスラエル王国の北と南への分裂、北のイスラエル王国の滅亡そして南のユダ王国の滅亡は全ての混乱の責任は愚かな牧者(王)のせいです。権力は腐敗する、したがって王国は滅亡する。ではどうしたらいいかそれは12章以降に持ち越されます。
第12章: イスラエルに関するエホバの重い言葉。万能の神エホバ、エルサレムをして周りの国民を引き寄せ転ばせる盃にする。エルサレムが攻められるとユダも危ない。エルサレムは重石とならなければならない。地上の諸国がエルサレムを攻撃すると大けがをするように、エホバ一切の馬の目を撃ってめくらとなし騎手を狂わせる。ユダの牧伯の軍を強くして周りの国を尽く焼く。エホバまずユダの幕屋を救い、ダビデの家の栄光を守る。ダビデの家およびエルサレムの民に恵みと祈祷の霊を灌ぐ。
第13章: 罪と穢れを清める一つの泉、ダビデの家とエルサレムの民に開く。偶像の名を絶ち預言者および穢れの霊を取り除く。エホバ言い給う、剣をもって 牧者を攻めよ牧者を撃て、しからばその小さき羊散らされん。(革命の勧め)半分以上の民は死ぬが、3部の1の民は生き残り、エホバはこれを取りて再度契約を行う。
第14章: 見よエホバの日来たる汝の財奪われて一部しか残らない。我万国の民を集めてエルサレムを撃つ。エホバ全地の王になり給わん。エホバの日とは、主が天から来られてこの世に対する審判が行われる日、すなわち、大患難時代の終わりに起こる出来事です。具体的には「ハルマゲドンの戦い」です。
(ゼカリア書おわり)
(つづく)