ブログ 「ごまめの歯軋り」

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「文語訳 旧訳聖書 Ⅳ 預言」

2020年09月04日 | 書評
ガーベラ

イスラエル民族の再興を願う3大預言書と12小預言書

3) 「文語訳 旧訳聖書 Ⅳ 預言」(岩波文庫2015年)   (その57)

16) ゼカリア書 (その2)
第5章: また巻物が飛ぶ幻視を見た。天使が何を見たかと問う、ゼカリアは長さ11m、幅5mの巻物だと答えると、天使はそれは全地を行き巡る呪詛の言葉だという。盗む者誓う者の名が記されている。エホバがその家に入り悉く焼くためである。つぎに出された物はエバ升で、鉛の蓋を開けると一人の婦人が升の中に坐している。天使はこれは罪悪だから重しの蓋をしているという。もう一人の翼を持つ婦人がエバ升を持ち上げ運び去った。天使はこれをシナルの地に家を作りその中に置かれるといった。
第6章: また4両の車が2つの山の間から出てきた幻視を見た。4両の車には赤馬、黒馬、白馬、斑馬をつけていた。天使に何なるやと問うと、これはエホバの前から出てきたもので、黒馬は北へ白馬は着き従う、斑馬は南へ向かい、赤馬は全地をあまねく行く者である。エホバの霊を安めるために派遣されると。エホバ言う、汝囚われ人の中からヘルダイ、トビヤ、エダヤを取り出せヨシアの家に行き、祭司ヨシヤに黄金の冠をかぶらせ、彼に伝えよ。方伯ゼルバベルがエホバの宮を建て政事を行うのでその祭司となり、ヨシアとゼルバベルの二人の者に平和の謀を任せよ。その冠はエホバの庫に納めるべし。
第7章: ダリヨス王の4年9月4日、エホバの言が預言者ゼカリヤに臨む。その時バビロンから帰還した「ベテル」出身者たちの中から、シャレゼル、レゲンメルクの使者をエホバの宮に派遣し、5月に斎戒するのがいいかを祭司と預言者に問わしめた。エホバの言がゼカリヤに臨む。汝ら70年の間5月と7月とに断食しかつ哀哭したが、はたして誰のために断食したのか、汝らは自分の飲み食いのためではなかったのか。この第五の月に行ってきた断食とは、およそ70年前にネブカデネザルによって焼き払われた神殿のことを思い出して、嘆くための断食でした。主が求めている断食は、エルサレムが陥落し、神殿が焼かれる前に、「先の預言者たち」を通して告げられていたことだとしています。正しき審判を行い相憐れみ、貧しき人々を虐げる勿れと念じて断食を行うことがエホバの真意であった。しかるに彼らは耳を傾けず心を頑なにして律法に聞き従わなかった。エホバは大いに怒り給い、彼らを知らない国に吹き散らした。
第8章: エホバの言が預言者ゼカリヤに臨む。今我シオンに還れり、エルサレムの中に住まん。エルサレムの巷には年老いた男女が杖を引いて歩き、男女の児童が巷に遊ぶ風景は珍しくない。我我が民を日出る東の国(バビロン)より救い出し、西のエルサレムのなかに住ましめた。彼らは我が民となり、我は彼らの神となって共に誠実と正義に居る。エホバの室なる殿を建てんと基礎を築いた日より汝らの腕は強くなった。その前までは生活の資もなく敵のために攻め合い安らかな日はなかった。ユダよイスラエルの家よ我汝を救って祝言とする、懼れる勿れ汝らの腕を強くせよ。四月の断食、五月の断食、七月の断食、十月の断食はかえってユダの家の宴楽となり歓びとなり佳節となった。汝ら真実と平安を愛しすべし。
第9章: エホバの重い言葉がヘデラクの地に臨む。イスラエルの一切の支派を顧み給う。これと境をなすハマテ、ツロ、シドンも同じくエホバのものとなった。これを見てアシケロンは懼れ、ガザも戦慄し、エクロン、アシドドもしかり。我エフライムより戦車をなくし、エルサレムより馬を絶ち戦弓も絶たん、国々の民に平和を諭しその政治は地の果てまで及ぶべし。(軍縮会議か世界平和のことか)望みを抱く囚われ人汝ら城に帰れ、倍の恩恵を与える。ユダを弓としエフライムを矢として、ギリシャ人を攻めん。彼ら神エホバはその日彼らを守りその民を羊のごとく救う。これは史実ではありません、王としてのメシアの役目を繰り返した時間軸のない預言です。

(つづく)