医療に関する提言・レポートfrom KUROFUNet(2010年5月1日)「ホスピタリストの誕生ー彼らは急性期病院の救世主になれるか」 永松聡一郎 ミネソタ大学病院呼吸器内科フェロー より
「ホスピタリスト」とは何か、日本では見慣れない職業ではなく、あまりに当たり前でそう呼ばないだけのことだ。「病院勤務医」と言えば当らずと言えど遠からず。米国でなぜわざわざ「ホスピタリスト」が注目されるのか、それは病院医のあり方が違うからだ。1990年代より門番というべき「プライマリーケア医」(日本でかかり付け医という)が開業医と紹介した入院患者を病院で治療医として治療するというシステムである。病院の一部は貸しベット業みたいなものである。患者には病院と医師の両方から請求書が来るのだ。ところが米国特有の保険制度も絡んで、包括払い方式で入院期間が制約され開業医は患者の入院では儲からなくなった。プライマリーケア開業医としては、病院へ訪問治療に出かける面倒さより、開業医として儲ける方が有利と認識された。病院での治療の質の向上にインセンティヴが働かないということもあって、次第に病院の専門医に任せるようになった。この病院で治療に当たる医師を「ホスピタリスト」という。1990年代は「プライマリーケア医」は、外来と入院患者(自分の紹介で契約病院に送り込んだ患者)の診療の2足のわらじを履いていたのだが、2000年代よりレジデンス研修医を卒業したら暫くは病院にいて「ホスピタリスト」として入院患者の診療に従事し、それから時をみて外来診療に専従する新しいキャリアパスが生まれた。
「ホスピタリスト」とは何か、日本では見慣れない職業ではなく、あまりに当たり前でそう呼ばないだけのことだ。「病院勤務医」と言えば当らずと言えど遠からず。米国でなぜわざわざ「ホスピタリスト」が注目されるのか、それは病院医のあり方が違うからだ。1990年代より門番というべき「プライマリーケア医」(日本でかかり付け医という)が開業医と紹介した入院患者を病院で治療医として治療するというシステムである。病院の一部は貸しベット業みたいなものである。患者には病院と医師の両方から請求書が来るのだ。ところが米国特有の保険制度も絡んで、包括払い方式で入院期間が制約され開業医は患者の入院では儲からなくなった。プライマリーケア開業医としては、病院へ訪問治療に出かける面倒さより、開業医として儲ける方が有利と認識された。病院での治療の質の向上にインセンティヴが働かないということもあって、次第に病院の専門医に任せるようになった。この病院で治療に当たる医師を「ホスピタリスト」という。1990年代は「プライマリーケア医」は、外来と入院患者(自分の紹介で契約病院に送り込んだ患者)の診療の2足のわらじを履いていたのだが、2000年代よりレジデンス研修医を卒業したら暫くは病院にいて「ホスピタリスト」として入院患者の診療に従事し、それから時をみて外来診療に専従する新しいキャリアパスが生まれた。