医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

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グルコサミン摂取は変形性膝関節症の発症に効果がない

2012年12月25日 | 整形外科
11月に開催された米国リウマチ学会で発表された内容です。
この医学研究はグルコサミンに関する初めての無作為化比較試験です。

50歳~60歳の6691人の女性を臨床医50人が診断し、BMIが27以上(割合としては、身長160センチで体重が69キロ以上)(肥満は変形性膝関節症の危険因子です)、臨床的な変形性膝関節症ではない(ACR分類基準を満たさない)、MRI撮影が可能、関節リウマチ疾患がない、最近のグルコサミン摂取がない―というすべての基準を満たした407人(平均年齢は55.7歳、68%は閉経)が対象とされました。407人は、グルコサミン硫酸塩1500mg内服群と偽薬内服群に分けられ、さらにダイエット&運動プログラムをする群としない群の2群に分かれました。

2.5年の観察期間で、副作用の発生は偽薬服用群で合計53人(26%)(偽薬群でも副作用は発生します。病は気からです)、グルコサミン服用群で合計65人(32%)。2群間で有意差はなく、症状は腸不快感、高血圧、疲労、胃痛などでした。

ダイエット&運動プログラムをしない群(204人)とした群(203人)に分けた分析で、

ダイエット&運動プログラムをしない群の変形性膝関節症の発症率はグルコサミン群(102人)13%、偽薬内服群(102人)19%で、両群間に有意差はありませんでした。

ダイエット&運動プログラムをした群の変形性膝関節症の発症率はグルコサミン内服群(102人)20%、偽薬内服群(101人)15%で、やはり両群間に有意差はありませんでした。

ハイリスクとされる肥満の中年女性を対象とした無作為化比較試験を行った結果、2.5年間で変形性膝関節症の発症に対してグルコサミン摂取の有意な効果は見られませんでした。

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