医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

悪玉コレステロール値は80未満でも100~119でも動脈硬化性心臓病の発症は同じ

2016年10月21日 | 循環器
以前、京大の医者は本当に私たちに有益なデータを公開してくださるというお話をしました。。
私が「循環器内科の良心」と認識している京大K教授、素晴らしいです。CREDO-Kyoto研究の益々の発展をお祈りしています。そんな京大からの報告です。

東大の場合は製薬会社の広告塔になっていかに名誉と講演料を増やすか考えている医者が障壁となりますから(全員ではありません)東大からはこういうデータはほとんど出ません。


これは「二次予防」すなわち一度狭心症や心筋梗塞にかかった方が次の発症を予防するためのデータです。
Intensity of Statin Therapy, Achieved Low-Density Lipoprotein Cholesterol Levels and Cardiovascular Outcomes in Japanese Patients After Coronary Revascularization
Circ J 2012;76:1369
(インパクトファクター★★☆☆☆、研究対象人数★★★★★)

原文もここからダウンロードできます

https://www.jstage.jst.go.jp/article/circj/76/6/76_CJ-11-1356/_pdf

この研究では心臓の血管に風船治療やステント治療を受けた(二次予防)患者で、初めて治療をうけ退院の時点で悪玉コレステロール低下薬を内服している患者7,299人が対象となり、その後2年間の、動脈硬化性心臓病の発症率が調査されました。

その結果、
図A、悪玉コレステロール値80mg/dl未満の患者と80~99mg/dlの患者で、その発症に差がありませんでした。

図B、悪玉コレステロール値80~99mg/dlの患者と100~119mg/dlの患者で、その発症に差がありませんでした。

図C、悪玉コレステロール値120mg/dl以上では80~99mg/dlの患者と比較して、その発症が増えました。

すなわち、悪玉コレステロール値100~119mg/dlであれば、それ以下すなわち80~99mg/dlや80mg/dl未満の場合と動脈硬化性心臓病の発症率に差がありませんでした。

欧米人と異なり、日本人の場合、二次予防であっても、悪玉コレステロール値は100~119mg/dlで良いということです。

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心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その11)

2016年10月21日 | 循環器
アリストテレス研究のコマーシャルスライドでは、ワーファリン群の脳出血はもっと多いです。

多すぎですよね、ロシアとかメキシコとかルーマニアでは、日本のようにワーファリンで上手にコントロールできなかったのでしょう。

日本の医者がワーファリンを使用すれば、脳出血の発症率は以前お伝えしたように、
心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その8)

血液のさらさら度を示すPT-INRを1.6~1.99でコントロールすれば、年間0.25%です。

外国のお医者さん、ワーファリンでの治療の仕方が下手すぎませんか?

それを日本の医療に当てはめることはできませんね。

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