goo blog サービス終了のお知らせ 

医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

実は外国人による重要犯罪は増えている

2025年07月27日 | 雑感
TBS山本恵里伽アナウンサーがキャスターを務める「報道特集」の2025年7月12日放送で、参院選で争点の一つに浮上した外国人政策について「強硬な主張が急に支持を集める」「排外的な、差別的な言葉がSNSで拡散していく」「すごく戸惑いを感じています」「(参院選での)自分の1票がひょっとしたらそういった身近な人たちの暮らしを脅かすものになるかもしれない。これまで以上に想像力を持って投票しなければいけないと感じています」と語り、参院選で「日本人ファースト」を掲げた参政党から抗議された上にTBS局内からも異論が出ています。

私もこの「報道特集」をリアルタイムで観ていて、「おいおい、公共の電波を使ってこんなこと言っていいんかぃ」と思っていました。

沖縄の放送局の記者の記事に以下のものがありましたので引用しました。
以下引用
外国人の犯罪が増えている事実も全くなく、むしろ刑法犯はすごく減っているのは統計上明らかです。何となくイメージで語ることが多いので、それを見聞きして「そうだよね」と、元々ある不安・不満に少しずつ火がついている人が多い気がします。 ※外国人刑法犯検挙件数の推移 2005年に4万件超だった外国人刑法犯の検挙件数は、2023年に1万5,000件超に減少。
以上引用

また皆さんご存じの左翼新聞「東京新聞」に以下の記事がありましたので引用しました。
以下引用
参政党や自民党が外国人の増加により日本の治安が悪化していることを強調し、取り締まりの強化などの対策を訴えている。政府も7月15日に「一部の外国人の犯罪行為などで不安が生じている」(石破茂首相)などとして内閣官房に新組織を発足させた。

そもそも外国人の犯罪は増えているのか。東京新聞は統計データを確認した。(池尾伸一、小川慎一)

「いい仕事につけなかった外国人の方が集団をつくって万引とかやって大きな犯罪が生まれている」。参院選公示日の3日、参政党の神谷宗幣代表が東京・銀座での第一声で言った。
自民党の小野寺五典政調会長も、SNSの動画で「違法外国人ゼロを進める。川口のクルド人など地域で大きな問題が起きている」と訴える。いずれも外国人が増加しているため犯罪が増え、全国や地域で治安が悪化しているとの印象を与える発言だ。もっと直接的に、参政党の吉川里奈衆院議員は「外国人犯罪、重要犯罪が増加している」とも言った。

統計データはどうなっているのか。日本全体では、外国人の人口は2004年で短期滞在者も含めて197万人。2023年は377万人と2倍近くに増えている。しかし、法務省がまとめた「犯罪白書」によると、刑法犯で検挙された外国人は、2004年の1万4766人から、2023年は9726人と34%減っている。2023年は前年よりも増えたが、これはコロナ禍の反動とみられ、長期的には減少傾向にある。

凶悪犯(殺人、強盗、放火、不同意性交など)で検挙された外国人は、2014年は247人、2023年は361人と約1.5倍に増えた。この間に在留外国人は1.6倍に増えており、外国人が重大な犯罪を起こしやすくなっているとはいえない。
以上引用


自分の名前までさらして「統計では、統計データでは」などと言われると、日頃から医学臨床研究で統計解析をしている私としては、「本当かなぁ」とムズムズしてきて、確認したくなりましたので再調査してみました。

その前に簡単な例え話をします。例え話ですから事実ではありません。

カフェイン(コーヒー1杯約70mg、エナジードリンク1本約150mg)を1日1,000mg以上摂取してしまった人1,000人を調べたところ有害事象は
2023年は、不眠190人、意識障害10人の合計200人
2024年は、不眠20人、意識障害80人の合計100人で、前年の半分に減少していた。

という結果を見て、「本当だ、半分に減って良いことではないか」と思う人はいないでしょう。そんなふうに思う人はアホです。
「不眠と意識障害では有害事象の重症度レベルが違いすぎる。それらを同じ重みで合計するのは間違いだ。意識障害が8倍になっているではないか。」と思うのが正しい解釈なのではないでしょうか。

さて、上の図の左は、東京新聞が示している刑法犯罪全体の推移です。確かに犯罪数の総数は減っていますが、恣意的なのか、その内訳を明らかにしていません。

上の図の右は、警察庁が公表している刑法犯罪別の件数です。
これを見ると「窃盗」、すなわち「万引き(非侵入窃盗)」とか「自転車泥棒」とか「金属泥棒」とか「スリ」とか「置き引き」は確かに減っています。我が国が、「自転車置き場のセキュリティーを強化する」、「防犯カメラを設置する」、「外国人が犯罪を犯さないか見回りをする」など対策をとったのも原因と1つと考えられます。当たり前のことです。

ところが、図にあるように、外国人による「傷害・暴行」「詐欺」「不同意性交等・不同意わいせつ」という恐ろしい犯罪はどんどん増えています。恐ろしいですね。参政党の吉川里奈衆院議員が「外国人犯罪、重要犯罪が増加している」と言ったのは間違いではないです。沖縄の放送局や東京新聞の方が間違っています。

2025年7月15日に「一部の外国人の犯罪行為などで不安が生じている」(石破茂首相)などと発信したのも間違いではありません。

また、東京新聞が「外国人が重大な犯罪を起こしやすくなっているとはいえない」と書いている件ですが、私たちは外国人犯罪の「割合」が増えていないから安心できるのでしょうか?外国人犯罪の「割合」が同じでも「絶対数」が増えているから不安なのではないでしょうか?東京新聞の図を見ても、コロナ禍が明けた2022年から2023年にかけて外国人の人口は300万人から380万人に増加し、外国人犯罪者は8,000人から10,000人に増えています。

沖縄の記者や東京新聞の記者はアホですね。せめて理系の人が分析するべきでした。困ったもんですね。

解釈が誤っているという事実(真実性)は、国民をミスリードすること(公共性)によって、国民の公益性を損なうのでやめてほしいです。


↓なるほどなぁ~と思われた方!ここをポチッ、応援よろしくお願いいたします。
「ブログランキング」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

認知症治療薬レカネマブ、費用対効果が悪い

2025年07月14日 | 神経
日本経済新聞より引用
2025年7月9日午前の厚労省中央社会保険医療協議会(中医協)で評価結果が提示された。中医協では今後、評価方法のあり方も含めて議論し、薬価を見直す。

レカネマブは軽度の認知症や認知症手前の軽度認知障害(MCI)が対象。中医協は医療費だけでなく介護費の影響も含めて初めて分析した。大きな効果が期待されたが、対象が軽度のため全体としての介護費削減の効果はほとんどなかった。分析を担当した国立保健医療科学院の保健医療経済評価研究センターは9日、ホームページで現在の3分の1程度の薬価が妥当とする評価結果を公表した

現在の薬価は200ミリグラム1瓶で約4万5千円。2週間に1回点滴投与し、平均的な投与量では1人あたり年約300万円になる。

治験では投与から1年半後の認知機能の低下を27%抑え、症状の進行を7カ月半遅らせることを証明した。レカネマブの費用対効果を検証した同センターは3分の1程度の薬価が妥当と評価し、英米でもほぼ同様の評価結果が出ているが、激変緩和措置が適用される見通し。中医協が23年12月に現在の薬価を算定して費用対効果の検証も決めた際、「価格が引き下げとなる場合でも下限は最大15%までとする」としていた。

日本の医療費は増え続け、国の財政を逼迫させている。英国など費用対効果の低い医薬品を公的保険の対象にしない国もあるが、日本は保険適用から外すことはほぼない。医療技術の進歩で超高額薬が次々と登場するなか、限られた財源をどう配分するかが課題となっている。
以上、引用

上の図は日本経済新聞からの引用です。わかりやすい図を作成していただきありがとうございます。

Lecanemab in Early Alzheimer’s Disease
N Engl J Med 2023;388:9-21. DOI: 10.1056/NEJMoa2212948


上は、レカネマブの効果を示した論文です。

研究的には効果があるとなりますが、実際の診療では、症状の進行を7カ月半遅らせるだけなのに年間300万円かかるのは、どう考えても認められませんね。というか、イギリスがそうしているように、保険診療の対象として認めてはいけないのではないかとさえ感じます。

日本は、若者に対してより、高齢者に対して優しすぎます




↓なるほどなぁ~と思われた方!ここをポチッ、応援よろしくお願いいたします。
「ブログランキング」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「まさに」間違い

2025年06月15日 | 雑感
まず、この記事を最後までお読みいただく前に、以下の件に関して①か②かご自分の意見を決めてみて下さい。

ファストフード店の店員に千円札で支払いをしたら、「千円からお預かりします」と言われたことに関して、
①日本語の乱れを感じる。大丈夫かなぁと思う
②そのように言葉は変遷しても良いと思う。

「・・から」は移動の起点、原料、原因を意味します。移動の起点を意味する場合、「行く」「来る」などの移動動詞を伴って使用されますが、「預かる」は移動動詞ではないし、千円札は原料でもなく、「千円からお預かりします」というのは誤った使い方です。

さて、「なので」はどうでしょうか?
「なので」という言葉は、中学生の時に結構頑張って国文法を勉強した私にとって、なんとも不思議な言葉です。

国文法で説明すると、「なので」は助動詞「だ」の連体形または形容動詞の連体形語尾「な」に、原因・理由を表す接続助詞「ので」の付いたもので、文頭に置いて接続詞としては使えない言葉です。「なので」という言葉は「明日は雨なので、傘を持っていったほうがよい」というふうに用いる言葉です。ですから、1967年発刊の広辞林には、「なので」という(接続詞)は載っていませんし、2008年発刊の広辞苑にも載っていません。

「なので・・」には柔らかい響きがあるので、女性に好まれて使われているのかもしれませんが、正しくは「だから・・」か、「ですから・・」です。
広辞苑には、
「だから」は、(接続詞)前に述べた事柄が、後に述べる事柄の原因・理由になることを表す語
「ですから」は、(接続詞)「だから」の丁寧な言い方、と書いてあります。

私が留学していた時、アメリカのテレビ番組しか見られない環境でしたので、帰国した時、日本でNHKのアナウンサーまでが、この言葉を文頭に置き、「なので、日本の経済は今後・・」などと言っているのを聞いて非常に驚いたものでした。今では「なので、私は反対です」などという使い方が氾濫しています。少なくとも2000年頃には全くなかった言葉です。

変化というものはゆっくりと行われれば、それほど違和感はないのかもしれませんが、2年間、日本の環境に浦島太郎状態だった私には、受け入れがたい違和感があったのでした。きっと、テレビに出演している誰かがあるとき間違ってこの用法を使用し、それが次々と拡大(感染とでも言うべきか)していったのでしょう。

「言葉は時代とともに変化し、それにより新しい言葉が生まれていく」という意見がありますが、それなら、ファストフード店の店員の「千円からお預かりします」という言葉に「日本語の乱れ」を感じるということに矛盾します。

驚いたことに、この「なので」は2006年発刊の、ユニークな表現で有名な「三省堂の新明解国語辞典」には(接続詞)として載っているのです。


上の図は江戸時代の「矢場」です。矢場というのは今でいうと祭りの射的場のような場所で、当たると景品がもらえたり、江戸時代はその二階が売春宿になっていたりしていて、そこに居るのを知り合いに見られるとまずいことになるので、「矢場居」→「やばい」と言われるのです(諸説あります)。ですから、「美味しすぎて、やばい!」などと良い意味で用いるのは誤りです。

中学生の時に結構頑張って国文法を勉強した私が、最近特に思うことは、「まさに」の乱用です。
皆さんも以下の点に注意してメディアを観て下さい。

「まさに」を上記の「三省堂の新明解国語辞典」で調べてみると、
① 以下に述べることが、明らかにそうとらえる以外にないものだと判断される様子
紛れもない事実として決定的な瞬間が目の前に迫っていると判断され様子
③ 以下に述べることが、どんな点からみても当然のことであると判断する様子 です。英語の「just」とは違うのです。

ところが最近、
「まさに2ヶ月間に2度の暗殺未遂が起きたわけで」
「まさに出ていれば、送りバントでしたよね」
「まさにシフトの調整が必要ですよね」
「まさに読めない天候」
などと、本当に上記の①②③に当てはまるかなぁと疑問に思えるほど乱用されています。
この乱用は、この1年ぐらい特に顕著となっています。
「なので」と同様、テレビに出演している者が間違ってこの言葉を乱用し、それが次々と拡大(感染とでも言うべきか)していったのでしょう。

ここで私はふと思うことがあります。

「人間は、間違ったことでも繰り返し聞かされると、正しいこととして認識してしまうようになる」ということです。そして、「なので」や「まさに」の広がりを考察してみると、間違ったことでも繰り返し聞かされ、正しいことと認識してしまうには2年間もあれば十分だということです。

逆に、「間違ったことでも2年間言い続けていると、相手は正しいと思うようになる」ことを利用する悪意ある者も存在するということです。

間違っていても繰り返し聞かされるうちに正しいと思ってしまうことは、この世の中にいくらでもあります。どんなことでも、一度立ち止まって、じっくり考えることが重要ですね。


↓なるほどなぁ~と思われた方!ここをポチッ、応援よろしくお願いいたします。
「ブログランキング」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

子宮頸がんワクチンは決着がついていないと言う医者がいる

2025年06月14日 | 
プレジデント 2023/10/13号では「健康診断のウラ側」ということを特集していました。

ここで東大医学部卒の医師3人が、誤ったことをたくさん扇動していましたので、一つ一つ根拠を示しながら反論しているシリーズです。

養老孟司という解剖学者ですが、東京教育大学卒の池田清彦という生物学者との対談でそそのかされたということもありますが、
「僕は医者にかかって薬を毎日飲んでいます。たぶん意味がないけど、飲まないと医者の期限が悪くなるから仕方がない。医者に気を使っているわけじゃないですよ。池田君が指摘したように、システムの問題で、薬を出さないと医者は食べていけません。僕がずっと病院に行きたくないと言っていたのは、一度医者にかかるとそのシステムに否応なく巻き込まれるからでした。」
と言っています。

彼は以前から抗がん剤に対して否定的で、「ガンになっても受けない」と公言していましたが、このほど小細胞肺ガンステージIIであることが判明し、抗がん剤治療+放射線治療を受けていると、以下の本に書かれています。

養老先生、ガンになる

プレジデント 2023/10/13号にはその他に東大卒の和田秀樹という精神科医は「コレステロール数値のコントロールは早死にを招く」(24ページ)などと言っているし、同じく東大卒の大脇幸志郎という医者は「大腸ガン検診を受けても99%以上の人には意味なし」(32ページ)「日本でHPVワクチンの積極的な推奨が再開されました。ワクチンで子宮頸がんを減らせるのか。この議論もまだ決着がついていません。」などと言っています。これも誤りです。


子宮頸がんワクチンに関しては、次の研究結果が発表されています。
Impact of a population-based HPV vaccination program on cervical abnormalities: a data linkage study
BMC Med 2013 Oct 22:11:227. doi: 10.1186/1741-7015-11-227.


オーストラリアでは2007年に子宮頸がんワクチンが公的に開始されました。この研究では2007年時点で17歳以下であって子宮頸がんワクチン接種歴と子宮頸がん検診歴が明らかである非接種者14,085人と接種者24,871人が調査されました。
子宮頸がんワクチンを3回以上接種した者は、ワクチンを1回も接種したことがない者と比較して、高度異形成・上皮内ガン/上皮内腺ガンの病変発症リスクを47.5%減少していました。また、接種時年齢が14歳以下と年齢が低いほどより有効でした。

もちろんこの研究は前向き研究ではないし、ランダムに群分けした研究ではありませんが、今では子宮頸がんワクチンは有用であるという研究結果が多くありますので、「非接種群を設定する」研究は今後「倫理的」に認められないわけですが、日本ではまだ接種していない人が多いですので、自らの意思で「非接種」か「接種」かを決定した群間比較で、子宮頸がんの発症を比較する研究結果は今後続々と報告されると思います。


東大三羽カラス、カラスは鳥類の中でとても知能が高いらしいですが、彼らこそが「現代人がいかに考えないままに、己の周囲に壁を作っているか」と書かれてあった「バカの壁」なのではないでしょうか。

私はこれまで数千人以上の患者を数十年間以上続けて診てきましたが、東大三羽カラスの皆さんは「机上の空論」論者、数千人以上の患者を数十年間以上続けて診たことがないのだと思います。

車を運転していて交通事故に遭う確率は1000分の1以下だそうです。大脇幸志郎という医者が「大腸ガン検診を受けても99%以上の人には意味なし」と言うのは、「シートベルトをしても99.9%以上の運転者には意味なし」と言うのと同じ、まさに「バカの壁」です。このようなことを週刊誌に載せるということは(真実性)、たとえ悪気がなくても、国民の健康に不利益をもたらす(公益性)(公共性)ので、注視すべきことだと思います。

「デタラメ データ社会の嘘を見抜く」の130ページにも、「シートベルトの着用で、1年間の自動車事故における負傷のリスクは約2%から1%に減る。1%だからといってシートベルトはほぼ意味がない、という人物を信頼できるだろうか」と書かれています。

デタラメ社会の嘘を見抜かないといけませんね。

↓なるほどなぁ~と思われた方!ここをポチッ、応援よろしくお願いいたします。
「ブログランキング」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本学術会議に税金を使わないで下さい

2025年05月19日 | 雑感
  図は「正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現」からの引用です。


5月13日、「日本学術会議」を組織改革する法案が賛成多数で衆議院を通過しました。
一方で、2020年に菅義偉首相(当時)が日本学術会議の推薦会員候補6人を任命拒否したことを巡り、任命拒否された6人が提訴していた件で、東京地裁は5月16日、文書の一部を黒塗り(不開示)とした国の対応を違法として取り消し、全面開示するよう命じたので、TBSの「サンデーモーニング」や「報道特集」が盛んに取り上げていました。

この6名は、プライドを傷つけられプチンときてしまったようですね。断言はしませんが、「自己愛性人格障害」の兆候が表れています。

それならもう一度復習してみましょう。

6人の任命拒否の理由は簡単です。「本来中立でなければならない日本学術会議が、特定の野党の主張や活動に連動して行動しているから」です。この6人に、そう言ってやればいい

私の愛読書の一冊、学問のすゝめ (岩波文庫)の第14編123ページにはこのように書かれています。
人の世を渡る有様を見るに、心に思うよりも案外に悪をなし、心に思うよりも案外に愚を働き、心に企つるよりも案外に功を成さざるものなり。如何なる悪人にても生涯の間勉強して悪事のみをなさんと思う者はなけれども、物に当たり事に接して不図悪念を生じ、我みずから悪と知りながら色々に身勝手なる説を付けて、強いて自ら慰むる者あり。また或いは物事に当たって行うときは決してこれを悪事と思わず、毫も心に恥ずるところなきのみならず、一心一向に善き事と信じて、他人の異意などあれば却ってこれを怒りこれを怨む程にありしことにても、年月を経て後に考うれば大いに我不行届にて心に恥入ることあり。

150年前に既にこれを福沢諭吉先生は書いておられます。

まず、菅義偉首相(当時)は「日本学術会議」に関して、「総合的、俯瞰的活動を確保する観点から今回の任命について判断をした。学問の自由とは全く関係ない」と述べています。

佐藤正久 参議院議員は「日本学術会議」は、日本の軍民複合と言われる分野の基礎研究にさえ反対なのに、中国人民解放軍と縁のある研究は反対せず許容している、とその存在意義を疑問視しています。

まず、その6人の内訳です。加藤陽子に関しては私も2012年のブログで既に批判しています。

ユニクロは尖閣諸島を中国領土だと言っている

東大 加藤陽子(日本近現代史)は学者らによる「立憲デモクラシーの会」の呼び掛け人で、改憲や特定秘密保護法に反対。

東大 宇野重規 (政治思想史)は2013年に成立した特定秘密保護法に反対し、「安全保障関連法に反対する学者の会」の呼び掛け人。

早大 岡田正則(行政法)は「安全保障関連法案の廃止を求める早稲田大学有志の会」の呼び掛け人で、沖縄県辺野古の米軍基地建設をめぐり政府の対応に抗議する声明を発表。

東京慈恵医大 小沢隆一(憲法学)は安保関連法案について「歯止めのない集団的自衛権の行使につながりかねない」と廃案を求めた。

立命館大 松宮孝明(刑事法)は2017年の改正組織犯罪処罰法案を「戦後最悪の治安立法」と批判。

京大 芦名定道(キリスト教学)は「安全保障関連法に反対する学者の会」や、安保関連法案に反対する「自由と平和のための京大有志の会」の賛同者。


「日本学術会議」が力を入れているのが、「軍事研究の禁止」を旨とした防衛省関連研究の否定です。例えば、北大は2016年度、防衛省の安全保障技術研究推進制度に応募し、微細な泡で船底を覆い船の航行の抵抗を減らすM教授(流体力学)の研究が採択されました。この研究は自衛隊の艦艇のみならず、民間のタンカーや船舶の燃費が10%低減される画期的なものです。このような優れた研究を「日本学術会議」は「軍事研究」と決めつけ、2017年3月24日付の「軍事的安全保障研究に関する声明」で批判し、「日本学術会議」幹部は北大総長室に押しかけ、ついに2018年に研究を辞退させました。

「日本学術会議」は、日本国民の生命と財産を守る防衛に異を唱え、特定の野党の主張や活動に連動して行動しています。

さらに「日本学術会議」は2015年、中国科学技術協会と相互協力する覚書を締結しています。中国による少数民族の抑圧、香港の弾圧、南シナ海の軍事基地化といった強権的行動に国際的な批判が強まる中、「中国科学技術協会と相互協力する覚書」の見直しが必要ではないでしょうか。

さらに、首相直轄の内閣府組織として年間10億円の税金が投じられ、そのOBが所属する「日本学士院」へ年間6億円も支出され、その2/3を財源に終身年金が給付されていること等も、国民が広く知るべきであると思います。

さらに、「日本学術会議」のメンバーの中でも相当な数が「日本学術会議」に疑問を持っていること、日本の数十万人いる研究者の中で、どのようにメンバーを推薦しているのかも明確ではなく、投票により選ばれるわけでもなく、きわめて非民主主義的な手法でメンバーを選出しています。

やりたければ税金をもらわずに私費(通常、学会というものは会員から集めた会費で運営されています。税金など投入されていません)でやればいいのです。諸外国ではそうしています。

この6人の輩は、福沢諭吉先生にどのように顔向けするのでしょうかね。

↓なるほどなぁ~と思われた方!ここをポチッ、応援よろしくお願いいたします。
「ブログランキング」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ずさんなオンライン診療相次ぎ発覚

2025年05月15日 | 雑感
(以下、読売新聞オンラインより引用)
患者の通院の負担が減るオンライン診療は離島などで導入され、18年度に公的医療保険の適用対象になった。利便性が高い一方、触診や聴診ができないといった制約があり、対象は対面診療を一定期間受けている患者に限られた。この条件が緩和されたのがコロナ禍だった。待合室での感染リスクが低減されるなどの利点があり、特例的に初診から認められた。22年以降は恒久化され、24年10月時点で、全医療機関の1割にあたる1万2507か所が実施を届け出た。

医師法は、医師が診察せずに薬を処方することを禁止。厚労省が2018年に策定したオンライン診療の指針では、基礎疾患の情報が未把握の患者に対しては、8日分以上の薬の処方を禁じている。厚労省の指針では、初診から認められるのは原則として、受診歴のあるかかりつけ医。それ以外でも、健康診断結果などで患者の状態が把握できれば認めており、医師と患者双方での身分確認を求めている。だが、守られないケースが続出している。厚労省が電話とオンラインでの診療について調べたところ、初診時に基礎疾患の情報が未把握なのに8日以上の薬を処方したり、向精神薬を出したりといった指針違反の恐れがある事例が、23年1~3月だけで1,740件発覚した。

全国の消費生活センターにも23年度、ダイエット目的の事例を中心に、オンライン診療に関して258件の相談が寄せられ、21年度の約5倍に増えた。同省幹部は「病院側が迅速さを重視し、対応がずさんになりがちだ。基礎疾患の把握や副作用のリスク説明を適切にしないと、重大な医療事故を引き起こしかねない」と危惧する。
(以上、引用)

最近では、電子処方箋のシステムの構築も強制されているため、それを発行できる医師の資格を証明するために用いられる医師資格証の発行も強制されていますが、ICチップの材料不足により、ICカードの調達が困難な状況となっています。


国会議員や官僚に言いたいのですが、身内に国会議員がいるため、オンライン診療のシステムを売っていた企業(〇〇〇ー、最近株価はじわじわと下がっていますが)を後押ししようとして、迅速さを強制したのは厚生労働省ではなかったですか?
なんともお粗末な話です。


ブログランキング参加しています。ここをポチッと

「ブログランキング」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

精神・人格異常(その34) 広末涼子の場合

2025年05月03日 | 神経
先日、広末涼子は双極性感情障害であると発表されました。双極性感情障害という言葉は現在のDSM-5の分類では存在しませんが、双極症か双極性障害のことを示していると思われます。前回私は、広末涼子は境界性人格障害の診断基準に当てはまっていることをお伝えしました。
双極性障害は境界性人格障害と併存することも珍しいことではありません。

双極症

双極性障害診療ガイドライン

双極性障害の診断基準を示します。
次の躁病エピソードのうち4つ以上みられ2週間以上続き、社会活動や人間関係に著しい障害を生じること。
1. 気分が異常かつ持続的に高揚し、開放的で、またはいらだたしい、いつもとは異なった期間が少なくとも1週間持続する。
2. 自尊心の肥大: 自分は何でもできるなどと気が大きくなる。
3. 睡眠欲求の減少: 眠らなくてもいつも元気なまま過ごせる。
4. 多弁: 一日中しゃべりまくったり、手当たり次第に色々な人に電話をかけまくる。
5. 観念奔逸: 次から次へ、アイデア(思考)が浮かんでくる。具体的には、文章の途中で、次々と話が飛ぶことなども含まれる。
6. 注意散漫: 気が散って一つのことに集中できず、落ち着きがなくなる。
7. 活動の増加: 仕事などの活動が増加し、よく動く。これは破壊的な逸脱行動にも発展しうる。
8. 快楽的活動に熱中: クレジットカードやお金を使いまくって旅行や買物をする、性的逸脱行動に出る。

境界性人格障害の診断基準と8割以上オーバーラップしていることがわかります。

そして次のうつ病エピソードのうち5つ以上みられ2週間以上続き、社会活動や人間関係に著しい障害を生じること。
1. 抑うつ気分。
2. 興味、喜びの著しい減退。
3. 著しい体重減少、あるいは体重増加、または、食欲の減退または増加。
4. 不眠または睡眠過剰。
5. 精神運動性の焦燥または抑止。
6. 疲労感または意欲の減退。
7. 無価値感、または過剰であるか不適切な罪責感。
8. 思考力や集中力の減退、または、決断困難がほとんど毎日認められる。
9. 死についての反復思考(死の恐怖だけではない)、特別な計画はないが反復的な自殺念慮、または自殺企図するためのはっきりとした計画

お勧めです。

こころの健康がみえる

前回お伝えしたように、それでも私は、広末涼子は境界性人格障害>双極性障害だと思います。

なぜなら広末涼子の場合、
(1)映画監督から見放されたと感じた後に、典型的な症状(奇行・暴走・暴力)がいくつも発症しているのに、なぜ奈良に行く前(すなわち映画監督が降板することを表明する前)には起きなかったか?やはり境界性人格障害の典型的特徴である「見放され恐怖」がトリガーとして存在したのではないか?(過去の離婚による「見放され恐怖」も含めて)

(2)双極性障害では、年間たった4回以上そう状態とうつ状態が反転しても、それを急速交代型(ラピッド・サイクラー)と呼んで要注意の状態とされているぐらい、普通はゆっくり転極しますが、奈良へ行く前と後で、それほど早く転極しているのはなぜか?

の疑問が残るからです。

以前の分類では境界性人格障害は「神経症(neurosis)」であり、「精神症(psychosis」」いわゆる「病気」ではないので、それそのものの根本的治療薬はありません。双極性障害は「病気」に分類されますので、気分安定薬のバルプロ酸、カルバマゼピンや、非定型性抗精神病薬のオランザピン、クエチアピンなどの治療薬があります。

双極性障害を前面に出して発表したのは、「病気」だから「治療」する故、「暴力行為」も免罪してほしいという当事者側の思惑があるのではないでしょうか。

私は境界性人格障害を批判しているわけではありません。私たちは、ブドウ糖75gという一定量のブドウ糖ジュースを飲んだ際に、ある一定以上の血糖値になってしまう人を「耐糖能異常」と診断して、本人やその周りの人に今後不利益が生じないように留意します。精神や人格の異常も同じです。


ブログランキング参加しています。

「ブログランキング」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

精神・人格異常(その33) 広末涼子の場合

2025年04月28日 | 神経
私の趣味の1つに読書があります。
だいたい1週間に1冊のペースで年間50冊ほどを読みます。興味の湧いたテーマがあるとそのテーマに関する書籍を集中的に10冊以上読むこともあります。

以前、集中的に読んでいた本は「人格や性格の異常」に関しての本です。このことに関して、私は30冊ほど読みましたので、お勧めの本をご紹介しながら記事を書いているシリーズの33回目です。

広末涼子の問題行動が報道されていますね。私は、広末涼子は境界性人格障害だと思っています。

まず、ネットから得られる広末涼子の行動についてまとめてみました。
広末涼子が、あれおかしいな?と思われる行動を始めたのは、1999年、女優ということを売り物として早稲田大学に自己推薦入学したのに、女優という仕事が忙しいということで辞めてしまったことからでした。
2001年、クラブで朝まで豪遊したあと、東京・渋谷区の自宅から150km離れた千葉・白浜町までタクシーで4万円分もの無賃乗車をし、地面に座り込んで大声を出したりした一部始終が『FRIDAY』で報じられた。
2003年、モデルの岡沢高宏と結婚したけれど2008年離婚。
2010年、キャンドル・ジュンと結婚したが2014年佐藤健との不倫が発覚。また韓国人俳優との不倫も発覚。
2023年、料理人の鳥羽周作との不倫疑惑を『週刊文春』に報じられ離婚

人格障害は10種類に分類されており、アメリカでの研究によると全ての人格障害を総合すると7人に1人が当てはまることが分かっています。

人格障害については、岡田尊司先生の著書が一番わかりやすかったです。著者は京都大学医学部を卒業しこの著書を上梓した時は京都医療少年院に勤務していましたので、膨大な症例を経験されていました。著書の中で、一番わかりやすいのは

パーソナリティ障害―いかに接し、どう克服するか (PHP新書)です。岡田尊司先生、ありがとうございます。

境界性パーソナリティー障害もお勧めです。

次に境界性人格障害の診断基準を示します。

対人関係、自己像、感情の不安定および著しい衝動性の広範な様式で成人期早期に始まり、さまざまな状況で明らかになる。
1. 現実に、または想像の中で見捨てられることを避けようとする気も狂わんばかりの努力(注:5.の自殺行為または自傷行為は含めないこと)
2. 理想化と脱価値化との両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる不安定で激しい対人関係様式
3. 同一性障害:著明で持続的な不安定な自己像や自己観
4. 自己を傷つける可能性のある衝動性で、少なくとも2つの領域にわたるもの(例:浪費、性行為、物質濫用、無謀な運転、むちゃ食い)
5. 自殺の行為、そぶり、脅し、または自傷行為のくり返し
6. 顕著な気分反応性による感情不安定性(例:通常は2 - 3時間持続し、2 - 3日以上持続することはまれな強い気分変調、いらいら、または不安)
7. 慢性的な空虚感
8. 不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難(例:しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、取っ組み合いのけんかをくり返す)
9. 一過性のストレス関連性の妄想様観念、または重篤な解離性症状
上記9つのうち5つ以上を満たす。

境界性人格障害の一番の特徴として、見捨てられることを極端に恐れる特殊な感情反応があります。空虚感、絶望、寄りどころのない不安感、孤立無援感、抑うつ、憤怒、自暴自棄の感情といった感情です。

境界性人格障害

最近、脳におけるファンクショナルMRIの研究がかなり進んできました。ファンクショナルMRIを用いると、どういう感情の時に脳のどの部分がどういう活動状態なのかということが明らかになります。

functional MRI

ファンクショナルMRI研究によって、境界性人格障害に関しては、扁桃体の特徴が分かってきています。
ここの「扁桃体の活動の神経心理学的関連」に詳細に示されています。まとめてみると、
1、境界性パーソナリティ障害の患者は感情の表情表現に対して左扁桃体の活動が有意に増加する。
2、境界性パーソナリティ障害の患者は中立の表情を分類することが困難であるか、または恐怖表情をしていると回答した。
3、境界性パーソナリティ障害の患者が恐怖表情や恐ろしい場面に直面した際に扁桃体の過剰な活動が見られる。
4、より重症な社交不安障害の患者ほど、扁桃体の反応が大きい
5、うつ病の患者は特に恐ろしい表情を処理する際に過剰な左扁桃体の活動を示し、抗うつ薬を服用すると正常化する。
6、成人および青年期の双極性障害の患者では、扁桃体と海馬の体積が有意に小さくなっている。
7、正常な参加者に対して恐怖表情や異なる人種の顔の画像を呈示した際、その呈示が無意識的であったとしても、扁桃体の活動を増加させる。

以下FLASHより引用
『おんおくり』の本読みが始まると、雲行きが変わっていったそうです。映画の内容が重いものですから、監督は明るい広末さんの演技はあまり求めていませんでした。しかし広末さんにとっては、これが復帰第1作になるわけですから、“健気な広末”を打ち出していきたい。それで、監督と演出について食い違いが連日、起きていたようです。 “事件”が起きる直前の、4月6日のロケは、市立奈良病院でおこなわれていました。医師、看護師と、重い病気の患者が、今後について額を寄せて話し合っている、というシーンを撮影していたそうです。それまでも広末さんは、ちょっとしたことで監督に食ってかかり、衝突することが何度かあったようですが、この日は監督のほうが切れてしまったそうです。

その後立ち寄ったサービスエリアで奇声をあげていたそうです。

監督に切れられ、「見捨てられた」と感じ、診断基準の1が起き、2が起き、サービスエリアで3が起き、その後車の運転で4が起き、病院で6と8が起きました。

広末涼子と接する人たちは男性、女性にかかわらず、こういったことを認識して対応するべきです。
普通の状態の広末涼子と知り合った男性は、その後一緒に暮らしてみると、「手に負えない」人であることがわかり離婚に至るのです。
境界性人格障害は、元々ある「性格」の障害ではありません。境界性人格障害は発症します。「わがままな性格」と思われていたけれど、じつは境界性人格障害だということがあります。


私は、他の芸能人では、華原朋美中森明菜が当てはまると考えています。

私は境界性人格障害を批判しているわけではありません。私たちは、ブドウ糖75gという一定量のブドウ糖ジュースを飲んだ際に、ある一定以上の血糖値になってしまう人を「耐糖能異常」と診断して、本人やその周りの人に今後不利益が生じないように留意します。精神や人格の異常も同じです。

ブログランキング参加しています。

「ブログランキング」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「血圧値のコントロールは早死を招く」は誤り(その2)

2025年03月21日 | 生活習慣病
↑ 65歳~74歳でも75歳以上でも、血圧を厳格にコンロトールすることは利益(横軸プラス値)が不利益(マイナス値)を上回るという図


プレジデント 2023/10/13号では「健康診断のウラ側」ということを特集していました。

ここで東大医学部卒の医師3人が、誤ったことをたくさん扇動していましたので、一つ一つ根拠を示しながら反論するシリーズです。

和田秀樹という精神科医は「フィンランド保険局の調査で、血圧、血糖値、コレステロール値をコントロールしないほうが、死亡リスクが減少するという結果が判明しています」「数値のコントロールは早死にを招く」(24ページ)と書いていますが、そんなことはありません。

SPRINT試験は、血圧の「厳格な管理(120mmHg未満)」と「標準的な管理(140mmHg未満)」のどちらが心血管疾患や死亡リスクをより低減できるかを調査した大規模研究です。
A Randomized Trial of Intensive versus Standard Blood-Pressure Control
N Engl J Med. 2015 Nov 26;373(22):2103-16.


結果ですが、心筋梗塞、その他の急性冠症候群、脳卒中、心不全、またはあらゆる心血管死の複合という主要アウトカムは、厳格降圧群1.65%/年、標準群2.19%/年で、厳格降圧療法による有意な抑制が確認されました(ハザード比:0.75、95%信頼区間:0.64~0.89、p<0.001)。

全死因死亡の発生も、厳格降圧群(1.03%/年)が標準群(1.40%/年)よりも有意に低値でした(HR:0.73、95%CI:0.60~0.90、p=0.003)。

その結果に関連してサブ解析の論文が先月発表されました。
Individualized Net Benefit of Intensive Blood Pressure Lowering Among Community-Dwelling Older Adults in SPRINT.
Journal of the American Geriatrics Society. 2025 Feb 18; doi: 10.1111/jgs.19395.


【方法】SPRINT試験に参加した65歳以上の高齢者5,143人を対象に、厳格な血圧管理のベネフィットが患者ごとに算出されました。「厳格管理群」と「標準管理群」で、全ての原因による死亡(全死亡)、心血管イベント、認知機能の変化、重度の有害事象の絶対リスク差が算出されました。さらに、算出されたそれぞれのリスクに重み付けを行い、その合計を個々の患者のネットベネフィットとし、年齢別(65~74歳、75歳以上)、フレイル状態(健康、ややフレイル、フレイル)、および多剤併用(5剤以上)別に比較されました。
【結果】厳格な血圧管理によるネットベネフィットの中央値は4%ポイントとなり、100%の参加者がネットベネフィットを得られることが示されました。一方、患者がリスクとベネフィットの重要度を同等と見なすシナリオを想定した場合、厳格な血圧管理によるネットベネフィットの中央値は1%ポイントであり、85%の参加者がネットベネフィットを得られることが示されました。


従って、和田秀樹が主張する、「血圧値のコントロールは早死にを招く」(もちろん、ある程度まで低下させる治療のことを示している)は誤りと言えます。

一方で和田秀樹は、「○○値の下げすぎはNG」とか「やや高めでもいい」と、批判をかわせるようなあいまいな表現をしています。
さすが「東大話法」!

東大話法その1、自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する。
東大話法その2、自分の立場の都合のよいように相手の話を解釈する。
東大話法その3、都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけ返事をする。


東大話法その12、自分の議論を「公平」だと無根拠に断言する。 など、
↓ここに載っています。
東大話法

このような事例は(真実性)、たとえ悪気がなくても、国民に不利益をもたらす(公益性)(公共性)こともあるので、注視すべきことだと思います。

東大医学部卒の医師3人が、誤ったことをたくさん扇動していましたので、一つ一つ根拠を示しながら反論するシリーズ、これからも続けていきたいと思います。

ブログランキング参加しています。

「ブログランキング」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大腸ファイバー検査は大腸ガンによる死亡を減らせる

2025年02月23日 | 
プレジデント 2023/10/13号では「健康診断のウラ側」ということを特集していました。

ここで東大医学部卒の医師3人が、誤ったことをたくさん扇動していましたので、一つ一つ根拠を示しながら反論したいと思います。

養老孟司という解剖学者ですが、東京教育大学卒の池田清彦という生物学者との対談でそそのかされたということもありますが、
「僕は医者にかかって薬を毎日飲んでいます。たぶん意味がないけど、飲まないと医者の期限が悪くなるから仕方がない。医者に気を使っているわけじゃないですよ。池田君が指摘したように、システムの問題で、薬を出さないと医者は食べていけません。僕がずっと病院に行きたくないと言っていたのは、一度医者にかかるとそのシステムに否応なく巻き込まれるからでした。」
と言っています。

彼は以前から抗がん剤に対して否定的で、「ガンになっても受けない」と公言していましたが、このほど小細胞肺ガンステージIIであることが判明し、抗がん剤治療+放射線治療を受けていると、以下の本に書かれています。

養老先生、ガンになる

プレジデント 2023/10/13号にはその他に東大卒の和田秀樹という精神科医は「コレステロール数値のコントロールは早死にを招く」(24ページ)などと言っているし、同じく東大卒の大脇幸志郎という医者は「大腸ガン検診を受けても99%以上の人には意味なし」(32ページ)などと言っています。これも誤りです。

大腸ファイバー検査は、強制的に下痢を起こさせて大腸内をきれいにしないといけないので被験者の負担があり、日本では検診としては行われていないのですが、欧米で大腸ガン検診である大腸ファイバー検査の有用性は以下の論文で確立されています。
これは88,902人を22年間経過観察した素晴らしい論文です。

Long-Term Colorectal-Cancer Incidence and Mortality after Lower Endoscopy
N Engl J Med 2013;369:1095-1105


Nurses’ Health Study and the Health Professionals Follow-up Studyに登録されていた88,902人が1988年から2008年まで大腸ファイバー検査を行った人と行ってない人に分類されて、2010年まで大腸ガン、2012年まで大腸ガンによる死亡が調査されました。その結果、1,815人の大腸ガンと474人の大腸ガンによる死亡が確認されました。

結果は、大腸全体の大腸ファイバー検査は、検査を行わないより大腸ガンによる死亡は0.32倍(95% CI, 0.24 to 0.45)に減少しました。

大腸ファイバー検査を施行して切除可能なポリープが見つかると切除してしまいますので、検査した後も15年後までは有意に0.26 倍(95% CI, 0.12–0.59)大腸ガンの発生は減少しています。



東大三羽カラス、カラスは鳥類の中でとても知能が高いらしいですが、彼らこそが「現代人がいかに考えないままに、己の周囲に壁を作っているか」と書かれてあった「バカの壁」なのではないでしょうか。

私はこれまで数千人以上の患者を数十年間以上続けて診てきましたが、東大三羽カラスの皆さんは「机上の空論」論者、数千人以上の患者を数十年間以上続けて診たことがないのだと思います。数千人以上の患者を数十年間以上続けて診ていると、血圧やコレステロールの薬をしっかり内服する500人ぐらいの患者と、内服を拒否して血圧やコレステロール値が高い500人ぐらいの患者では、血圧やコレステロール値が高い患者には脳梗塞や動脈硬化性疾患が多いなぁということが自分1人の経験でも感じられます。

車を運転していて交通事故に遭う確率は「車 交通事故 確率」で検索してみるとバラツキはありますが大体100分の1だそうです。大脇幸志郎という医者が「大腸ガン検診を受けても99%以上の人には意味なし」と言うのは、「シートベルトをしても99%以上の運転者には意味なし」と言うのと同じ、まさに「バカの壁」です。

このようなことを週刊誌に載せるということは(真実性)、たとえ悪気がなくても、国民の健康に不利益をもたらす(公益性)(公共性)ので、注視すべきことだと思います。それにしても、「プレジデント」は昔は「1分で伝わる話し方」や「一生ものの勉強法」など、ためになる記事が多かったのですが、今や「週刊ポスト」並みに没落してしまいましたね。


ブログランキング参加しています。

「ブログランキング」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

便潜血検査は大腸・直腸ガンによる死亡を減少させる

2025年02月08日 | 消化器
プレジデント 2023/10/13号では「健康診断のウラ側」ということを特集していました。

ここで東大医学部卒の医者3人が、誤ったことをたくさん扇動していましたので、一つ一つ根拠を示しながら反論するシリーズです。

養老孟司という解剖学者ですが、東京教育大学卒の池田清彦という生物学者との対談でそそのかされたということもありますが、
「僕は医者にかかって薬を毎日飲んでいます。たぶん意味がないけど、飲まないと医者の期限が悪くなるから仕方がない。医者に気を使っているわけじゃないですよ。池田君が指摘したように、システムの問題で、薬を出さないと医者は食べていけません。僕がずっと病院に行きたくないと言っていたのは、一度医者にかかるとそのシステムに否応なく巻き込まれるからでした。」
と言っています。

彼は以前から抗がん剤に対して否定的で、「ガンになっても抗がん剤治療は受けない」と公言していましたが、このほど小細胞肺ガンステージIIであることが判明し、抗がん剤治療+放射線治療を受けていると、以下の本に書かれています。

養老先生、ガンになる

プレジデント 2023/10/13号にはその他に東大卒の和田秀樹という精神科医は「コレステロール数値のコントロールは早死にを招く」(24ページ)などと言っているし、同じく東大卒の大脇幸志郎という医者は「大腸ガン検診を受けても99%以上の人には意味なし」(32ページ)などと言っています。これも誤りです。

大腸ガン検診である便潜血検査の有用性は以下の論文で公表されています。

Randomised controlled trial of faecal-occult-blood screening for colorectal cancer
Lancet 1996;348:1472

古い論文と思うかもしれませんが、便潜血検査は有用というのは今や常識なので、その後の臨床研究で「便潜血検査をしない群」を設けることが倫理的に許されないのです。

1981年から1991年まで、イギリスのノッティンガム地方の45歳~74歳の住民のうち研究への参加を同意した約15万人が、隔年で便潜血検査を受ける群と、便潜血検査を全く受けない群に分けられ、平均約8年間追跡調査されました。

結果は、上の右図のように、全ての理由による死亡は両群で12,624人対12,515人と差がなかったのに、大腸・直腸ガンによる死亡は、便潜血検査を受けた群で360人、受けなかった群で420人と、便潜血検査を受けた群で有意に少なくなりました。その比は0.85(95%信頼区間:0.74~0.98)でした。

左の図は便潜血検査を受けないコントロール群と検査を受けたスクリーニング群の経時変化による死亡率のグラフです。便潜血検査を受けた群では15年間で大腸・直腸ガンによる死亡は1,000人あたり約4.5人(約0.45%)で、受けない群では約5.5人(約0.55%)ですから、便潜血検査は15年で大腸・直腸ガンによる死亡を1,000人に1人減らすことになります。

その1,000人の1人に誰がなるか分からないから、全員に行うわけです。これはシートベルトの理論と同じです。

便潜血検査のコストが1,000円と仮定すると、2年に1回1,000円がかかるので、15年で1人8,000円、8,000円x1,000人=80万円で1人の大腸・直腸ガンによる死亡を減らせることができます。

便潜血検査のコストを2,000円としても、160万円で1人の大腸・直腸ガンによる死亡を減らせることができます。1人の死亡を160万円で減らせるなんて、便潜血検査は大変有用な検査ではないでしょうか。


東大三羽カラス、カラスは鳥類の中でとても知能が高いらしいですが、彼らこそが「現代人がいかに考えないままに、己の周囲に壁を作っているか」と書かれてあった「バカの壁」なのではないでしょうか。

私はこれまで数千人以上の患者を数十年間以上続けて診てきましたが、東大三羽カラスの皆さんは「机上の空論」論者、数千人以上の内科患者を数十年間以上続けて診たことがないのだと思います。

車を運転していて交通事故に遭う確率は「車 交通事故 確率」で検索してみるとバラツキはありますが大体100分の1だそうです。大脇幸志郎という医者が「大腸ガン検診を受けても99%以上の人には意味なし」と言うのは、「シートベルトをしても99%以上の運転者には意味なし」と言うのと同じ、まさに「バカの壁」です。

このようなことを週刊誌に載せるということは(真実性)、たとえ悪気がなくても、国民の健康に不利益をもたらす(公益性)(公共性)ので、注視すべきことだと思います。それにしても、「プレジデント」は昔は「1分で伝わる話し方」や「一生ものの勉強法」など、ためになる記事が多かったのですが、今や「週刊ポスト」並みに没落してしまいましたね。

ブログランキング参加しています。

「ブログランキング」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タミフルは翌年のインフルエンザ感染を増加させる

2025年01月16日 | 感染症
インフルエンザが流行しています。そして抗インフルエンザ薬であるタミフルが不足しています。
基礎疾患がなく発症して2日以上経過しても抗インフルエンザ薬を希望する患者も少なくありません。

世界中で日本が一番抗インフルエンザ薬を使用していることも周知の事実です。
日本の受診料が安すぎるということもこの理由の一つとして考えられます。

私はそのような患者には以下の論文の内容を説明して、なるべく抗インフルエンザ薬を処方しない方向に説得することを心がけています。

Immunomodulator clarithromycin enhances mucosal and systemic immune responses and reduces re-infection rate in pediatric patients with influenza treated with antiviral neuraminidase inhibitors: a retrospective analysis.
PLoS One 2013;8:e70060


未成年を対象とした観察研究で、タミフル(オセルタミビル)、リレンザ(ザナミビル)は呼吸器系抗A型インフルエンザ特異的分泌型IgAおよび全身性抗A型インフルエンザ特異的分泌型IgGの産生を抑制する傾向がありました。

翌年のA型インフルエンザ再感染率は
未使用群、8.6%
タミフル群、37.3%
リレンザ群、45.0%
であり、タミフル群、リレンザ群で有意に高かった。


これは未成年を対象とした研究であるため成年に当てはまるのかという研究限界はありますが、要するに抗インフルエンザ薬を使用するとインフルエンザに対する抗体ができにくくしてしまうので、翌年以降の免疫がつかず、翌年にまた感染しやすくなってしまうということです。

その他に以下のような同様の結果の論文もあります。
Boost of mucosal secretory immunoglobulin A response by clarithromycin in paediatric influenza.
Respirology. 2009;14:1173-1179

未成年を対象とした観察研究で、タミフル(オセルタミビル)は抗ウイルス分泌型IgAの誘導を抑制した。


徳島大学のShinahara先生、素晴らしい論文をありがとうございました。
皆さんも抗インフルエンザ薬の無益な内服は止めましょう。

ブログランキング参加しています。

「ブログランキング」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「糖尿病の値のコントロールは早死にを招く」は誤り

2025年01月12日 | 生活習慣病
プレジデント 2023/10/13号では「健康診断のウラ側」ということを特集していました。
(ここのレビューで、1~2行でレビューを書いている人は、本人か編集関係者から高評価のレビューを書いてほしいと頼まれたサクラですよね。その他の書籍にはほとんどレビューを書いていません。この本だけにレビューを書いている人がたくさんいます)



ここで東大医学部卒の医師3人が、誤ったことをたくさん扇動していましたので、一つ一つ根拠を示しながら反論するシリーズです。

和田秀樹という精神科医は「フィンランド保険局の調査で、血圧、血糖値、コレステロール値をコントロールしないほうが、死亡リスクが減少するという結果が判明しています」「数値のコントロールは早死にを招く」(24ページ)と書いています。

以下の論文は久山町研究という観察人数も観察期間も申し分ない研究の結果です。HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)という重症度を評価する数値は糖尿病と診断されるのは6.5%以上の時ですが、この研究では6.5%以下の場合も含めて調査されている素晴らしい研究です。

上の図はその論文に掲載されている図ですが、HbA1cという糖尿病の重症度を評価する数値が高ければ高いほど、脳梗塞・脳出血・狭心症・心筋梗塞が増えていくことがわかります。


Epidemiology of Stroke in a General Japanese Population: The Hisayama Study
Atheroscler Thromb 2023 Jul 1;30(7):710-719


これは観察研究ですので、薬を飲んでHbA1cを下げた場合に死亡リスクが下がるかを示したものではありませんが、この研究には薬を飲んでいる患者も飲んでいない人も含まれていますので、薬の内服の有無にかかわらず、その時のHbA1c値で判断できるとも解釈できます。

脳梗塞や脳出血や心筋梗塞に罹患したら、寿命が縮まない患者もいますが、母集団全体を平均すれば寿命は短くなりますから「糖尿病の値のコントロールは早死にを招く」(もちろん、ある程度まで低下させる治療のことを示している)と言うのはまったく反対の誤りと言えます。

九州大学のHata先生、素晴らしい論文をありがとうございました。


一方で和田秀樹という精神科医は、「○○値の下げすぎはNG」とか「やや高めでもいい」と、批判をかわせるようなあいまいな表現をしています。
さすが「東大話法」!

東大話法その1、自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する。
東大話法その2、自分の立場の都合のよいように相手の話を解釈する。
東大話法その3、都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけ返事をする。


東大話法その12、自分の議論を「公平」だと無根拠に断言する。 など、
↓ここに載っています。
東大話法


このような事例は(真実性)、たとえ悪気がなくても、国民に不利益をもたらす(公益性)(公共性)こともあるので、注視すべきことだと思います。


東大医学部卒の医師3人が、誤ったことをたくさん扇動していましたので、一つ一つ根拠を示しながら反論するシリーズ、これからも続けていきたいと思います。

ブログランキング参加しています。

「ブログランキング」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「血圧値のコントロールは早死にを招く」は誤り

2024年12月30日 | 循環器
プレジデント 2023/10/13号
では「健康診断のウラ側」ということを特集していました。

ここで東大医学部卒の医師3人が、誤ったことをたくさん扇動していましたので、一つ一つ根拠を示しながら反論するシリーズです。

和田秀樹という精神科医は「フィンランド保険局の調査で、血圧、血糖値、コレステロール値をコントロールしないほうが、死亡リスクが減少するという結果が判明しています」「数値のコントロールは早死にを招く」(24ページ)と書いています。

以下の論文は久山町研究という観察人数も観察期間も申し分ない研究の結果です。

上の図はその論文に掲載されている図ですが、血圧が高ければ高いほど、脳梗塞・脳出血・狭心症・心筋梗塞が増えていくことがわかります。

Epidemiology of Stroke in a General Japanese Population: The Hisayama Study
Atheroscler Thromb 2023 Jul 1;30(7):710-719


これは観察研究ですので、薬を飲んで血圧を下げた場合に死亡リスクが下がるかを示したものではありませんが、この研究には薬を飲んでいる患者も飲んでいない人も含まれていますので、薬の内服の有無にかかわらず、その時の血圧で判断できるとも解釈できます。

脳梗塞や脳出血や心筋梗塞に罹患したら、寿命が縮まない患者もいますが、母集団全体を平均すれば寿命は短くなりますから「血圧値のコントロールは早死にを招く」(もちろん、ある程度まで低下させる治療のことを示している)と導くのは誤りと言えます。

一方で和田秀樹という精神科医は、「○○値の下げすぎはNG」とか「やや高めでもいい」と、批判をかわせるようなあいまいな表現をしています。
さすが「東大話法」!

東大話法その1、自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する。
東大話法その2、自分の立場の都合のよいように相手の話を解釈する。
東大話法その3、都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけ返事をする。


東大話法その12、自分の議論を「公平」だと無根拠に断言する。 など、
↓ここに載っています。
東大話法

同じく東大卒の大脇幸志郎という医者は「大腸ガン検診を受けても99%以上の人には意味なし」(32ページ)とか、「子宮頚ガンワクチンで子宮頚ガンを減らせるのか、この議論もまだ決着がついていません」(33ページ)などと言っています。

このようなプレジデントの記事は(真実性)、たとえ悪気がなくても、国民に不利益をもたらす(公益性)(公共性)こともあるので、注視すべきことだと思います。

東大医学部卒の医師3人が、誤ったことをたくさん扇動していましたので、一つ一つ根拠を示しながら反論するシリーズ、これからも続けていきたいと思います。

ブログランキング参加しています。

「ブログランキング」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「数値のコントロールは早死にを招く」は誤り

2024年11月28日 | 生活習慣病
プレジデント 2023/10/13号
では「健康診断のウラ側」ということを特集していました。

ここで東大医学部卒の医師3人が、誤ったことをたくさん扇動していましたので、一つ一つ根拠を示しながら反論するシリーズです。

和田秀樹という精神科医は「フィンランド保険局の調査で、血圧、血糖値、コレステロール値をコントロールしないほうが、死亡リスクが減少するという結果が判明しています」「数値のコントロールは早死にを招く」(24ページ)と書いています。上の図の赤線の部分です。
何もコントロールしない群と、intervention群すなわち治療介入する群を比較したら、18年間のフォローで何もコントロールしない群で1000人あたり31.1人、治療介入する群で63.7人で、治療介入する群の方が多く死亡しているではないか!と言いたいようです。
これも誤りです。

彼は以下の論文と上の図を日本語に訳してプレジデント 2023/10/13号に載せています。
Mortality in participants and non-participants of a multifactorial prevention study of cardiovascular diseases: a 28 year follow up of the Helsinki Businessmen Study.
Br Heart J 1995;74:449-54.


そこで私はその論文の原文を読んで確かめてみました。
原文には以下のように書いてありました。
Total deaths were significantly predicted by age (RR 1.48, 95% CI: 1.31-1.66), systolic blood pressure (RR 1.18, 95% CI: 1.13-1.24), serum cholesterol (RR 1.11, 95% CI: 1.04-1.19), and smoking (RR 1.87, 95% CI: 1.55-2.25).; coronary death by age (RR 1.44, 95% CI: 1.19-1.75), systolic blood pressure (RR 1.26, 95% CI: 1.15-1.34), and cholesterol (RR 1.26, 05% CI: 1.13-1.41).

補足してまとめますと、
死亡は、年齢が5歳増えると1.48倍、血圧が10mmHg増えると1.18倍、総コレステロールが約38mg/dL増えると1.11倍、喫煙があると1.87倍増える。狭心症や心筋梗塞で死亡するのは、年齢が5歳増えると1.44倍、血圧が10mmHg増えると1.26倍、総コレステロールが約38mg/dL増えると1.26倍増える。
と書いてありました。

そして結論に以下のように書いてありました。
In conclusion, this study shows that the traditional cardiovascular risk factors are also important predictors of mortality among men of the highest social class.
「結論として、(教育を受けた)高いクラスの男性の間でも、(血圧、血糖、コレステロール値という)伝統的なリスク因子は死亡リスクを評価するのに重要な因子である。」

また、18年間のフォローで何もコントロールしない群より治療介入する群で多く死亡している点について、
「However, the important questions remain: what is the optimal treatment to lower the risk factors in primary prevention and what are the target levels for intervention? Apparently the intervention methods were not optimal in the Helsinki Businessmen Study.」

「適切な治療介入とは何であるか、どこまで治療介入するかは未だ不明であり、この研究での治療介入は適切でなかった」と書かれています。

「適切でない治療介入だった」とはどういう方法だったのか、この論文で2番目に引用されている論文に、この論文の研究方法が詳しく書かれていましたので、原文を読んでみました。
血圧の治療薬は、日本でも第一選択薬ではない、「利尿薬」と「ベータ・ブロッカー」でした。また、コレステロール低下薬は、現在はコレステロール低下作用以外にも抗炎症作用、抗酸化作用を併せ持つ「スタチン」が使用されるのに、この研究では「フィブラート系」が使用されていました。

つまり、適切でない治療介入で調べられたこの研究の結果から「数値のコントロールは早死にを招く」と導くのは誤りと言えます。

一方で、「○○値の下げすぎはNG」とか「やや高めでもいい」と、批判をかわせるようなあいまいな表現をしています。
さすが「東大話法」!

東大話法その1、自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する。
東大話法その2、自分の立場の都合のよいように相手の話を解釈する。
東大話法その3、都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけ返事をする。


東大話法その12、自分の議論を「公平」だと無根拠に断言する。 など、
↓ここに載っています。
東大話法

このような誤りの記事は(真実性)、たとえ悪気がなくても、国民に不利益をもたらす(公益性)(公共性)こともあるので、注視すべきことだと思います。

東大医学部卒の医師3人が、誤ったことをたくさん扇動していましたので、一つ一つ根拠を示しながら反論するシリーズ、これからも続けていきたいと思います。


ブログランキング参加しています。ぽちっと

「ブログランキング」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする