医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

新型コロナ感染は気温とほとんど関係ない

2021年01月21日 | 感染症
先日NHKで、ある耳鼻科の医者が、「新型コロナ感染は気温が低いと咽頭の温度が下がって咽頭の免疫力が低下し感染しやすいため、喉の保温が大切だ」と言っていましたが、私は一般的なウイルス感染には言えるけれど、新型コロナウイルス感染に関して言えば、その意見は間違っていると思います。

上の図を見て下さい。これらは先日の同じ日の状況ですが、北海道は人口が多いからだとして、東北地方が現在かなり気温が低い時期なのに、人口で補正したとしても感染者がかなり低いです。その反面、比較的暖かい九州や沖縄で感染者が比較的多いことの説明がつきません。

左の図を見ると、感染者が多いのは人の接触や人の動きが多い太平洋ベルト地帯に集中しています。一般的なウイルス感染には気温の低さは易感染性に関係はあるけれど、新型コロナウイルス感染の場合、多変量解析で色々な因子を入れて解析すると、気温の低さなどというのは危険因子から消えてしまうほど小さな因子なのだと思います。

では何故、新型コロナウイルス感染では咽頭の状態は関係がないのでしょうか考えてみました。新型コロナウイルスの入った飛沫は、マイクロ飛沫と呼ばれるように通常の飛沫感染より小さく、直接肺胞近くまで吸い込んでしまい、咽頭の状態など関係ないからでは?という仮説が浮かび上がると思います。そうすると新型コロナウイルス感染の肺炎は末梢からが多いということも説明がつきます。

学会などでは、新型コロナウイルス感染をどうしても「空気感染」に分類したい学者も存在します。昨年11月に日帰りバス旅行中の観光バスの中で12名のクラスターが発生しましたが、感染者の座席分布を見ると既感染者の周囲に限定されています。「空気感染」なら、バスの乗客にまんべんなく感染すると考えた方が妥当です。また、「空気感染」ならパチンコ店内や電車の中で次々にクラスターが発生するはずですが、それもありません。やはり新型コロナウイルス感染は「空気感染」とは言えないと思います。

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1 コメント

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Unknown (カイサ)
2021-01-22 17:18:09
奥野氏についてはどう思いますでしょうか?
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