新型コロナ感染はパチンコ店、通勤電車の中ではほとんどクラスターが発生していないというのは、私たちがこれまで経験してきた通りです。科学的リテラシーを働かせれば「新型コロナ感染には接触感染はほとんどないのではないか」ということでしょう。
タフツ大学からこんな論文が発表されました。
Longitudinal monitoring of SARS-CoV-2 on high-touch surfaces in a community setting
Environmental Science & Technology. Doi: https://doi.org/10.1101/2020.10.27.20220905.
新型コロナウイルスが米国で猛烈に流行していた2020年の4~6月、マサチューセッツ州のSomerville(私も訪れたことがあります)という都市で、飲食店・酒屋・食料品店(ホール・フーズとかトレーダー・ジョーズとか)・銀行・ガソリンスタンドのドアノブや信号機のボタンなど、不特定多数の人がよく触れるところに接触することで、新型コロナ感染のリスクがどのくらいあるのかが調査されました。
街中の348カ所でサンプルをとったところ、わずかでもウイルスが検出されたのは29カ所と、10分の1以下にすぎませんでした。調査時の平均気温は17度、平均湿度は61%でした。
その場所を触ったとして、どのくらいのウイルスが手に移るか、その後に手が鼻や口や目に触れたとして、どのくらいの量が体内に入り感染が成立するか、などをモデル化してリスクを計算する「定量的微生物リスク評価(QMRA: Quantitative microbial risk assessment)」という手法を使った結果、接触感染のリスクは10万分の6.5(平均値)と計算されました。
一番感染リスクが高かったのは、酒屋(アメリカにはホームセンターのような酒屋があります)のドアハンドルで1万分の4、ウイルスは食料品店より10倍付着していました。(上の図)
その他、感染リスクが高かったのは、食料品店のドアハンドルは10万分の1、食料品店内でウイルスがその他のドアハンドルより5倍付着していたドアハンドルでは10万分の5でした。(上の図)
つまり、「猛烈に流行していた時期で、不特定多数の人が手を触れるような場所を10万回触ると、6.5回くらい感染する」ということです。
新型コロナウイルスは付着部位に3日残るというのは実験室でのことで、温度や湿度や風速が一定でない実際の環境の中では、新型コロナウイルスはあまり長生きできないのでしょう。
これで、他人から新型コロナウイルスの接触感染リスクを尋ねられたら、「10万回触ると、6.5回くらい感染する」と答えることができるようになりましたね。
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新型コロナウイルスが米国で猛烈に流行していた2020年の4~6月、マサチューセッツ州のSomerville(私も訪れたことがあります)という都市で、飲食店・酒屋・食料品店(ホール・フーズとかトレーダー・ジョーズとか)・銀行・ガソリンスタンドのドアノブや信号機のボタンなど、不特定多数の人がよく触れるところに接触することで、新型コロナ感染のリスクがどのくらいあるのかが調査されました。
街中の348カ所でサンプルをとったところ、わずかでもウイルスが検出されたのは29カ所と、10分の1以下にすぎませんでした。調査時の平均気温は17度、平均湿度は61%でした。
その場所を触ったとして、どのくらいのウイルスが手に移るか、その後に手が鼻や口や目に触れたとして、どのくらいの量が体内に入り感染が成立するか、などをモデル化してリスクを計算する「定量的微生物リスク評価(QMRA: Quantitative microbial risk assessment)」という手法を使った結果、接触感染のリスクは10万分の6.5(平均値)と計算されました。
一番感染リスクが高かったのは、酒屋(アメリカにはホームセンターのような酒屋があります)のドアハンドルで1万分の4、ウイルスは食料品店より10倍付着していました。(上の図)
その他、感染リスクが高かったのは、食料品店のドアハンドルは10万分の1、食料品店内でウイルスがその他のドアハンドルより5倍付着していたドアハンドルでは10万分の5でした。(上の図)
つまり、「猛烈に流行していた時期で、不特定多数の人が手を触れるような場所を10万回触ると、6.5回くらい感染する」ということです。
新型コロナウイルスは付着部位に3日残るというのは実験室でのことで、温度や湿度や風速が一定でない実際の環境の中では、新型コロナウイルスはあまり長生きできないのでしょう。
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