医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

新型コロナワクチンの有効性の論文

2021年01月28日 | 感染症
新型コロナワクチンを接種するべきか、副反応のリスクはどうか、そろそろ決断しなければならない時期となりました。

そこで今回は、ファイザー社の新型コロナワクチンの効果の論文をご紹介したいと思います。

Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine
N Engl J Med 2020; 383:2603-2615
(インパクトファクター★★★★★、研究対象人数★★★★★)


研究では新型コロナワクチンを接種した、21,720人と、プラセボ(偽薬)を接種した21,728人が比較されました。上の図はその結果ですが、横軸を見ると4ヶ月間観察されました。年齢の中央値は52歳でした。アジア人種は全体の4.2%でした。

結果は、新型コロナワクチン接種群で発症は8人、偽薬投与群で162人でした。

                         発症率(4ヶ月間)  発症率(1年間に換算した場合)
新型コロナワクチン接種群      8/21,792人   0.004%      0.012%
プラセボ(偽薬)を接種した群   162/21,729人   0.7%       2.1%

しかしこれはアメリカ、アルゼンチン、ブラジル、南アフリカ共和国の4カ国で行われたもので、さらに現在アメリカでのこれまで1年間の発症率は10%弱なのに対して日本の発症率は1年間で0.3%なので、必ずしもこの結果が日本に当てはまるとは限りません。

そして、この研究はワクチンの接種の有無と発症の有無を比較するという単変量解析です。もちろんどちらの群に入るのか無作為に割り当てていますので、参加者のバックグランドはだいたい揃ってきますが、どういう人で発症が多かったのかというようなサブ解析ができません。

発症者は手洗い・マスク着用という感染対策が十分でなかったのかもしれません。

そこで、ワクチン接種群は感染対策が十分であった人が全体の4分の3、反対にプラセボ(偽薬)を接種した群は感染対策が十分であった人が全体の4分の1として、私が統計ソフトを使用して解析してみました。約4万人のデータを私一人で打ち込むのは大変ですから、解析の結果は多少変化しますが、規模を10分の1に縮小して、「発症」を目的変数とする多重ロジスティック解析を行いました。

結果は以下のごとくです。
                 発症のオッズ比    95%信頼区間      P値
ワクチン接種            0.062        0.008~0.472     p=0.007
マスクなどの感染対策        0.076        0.025~0.233     p<0.001

これは何を示すかといったら、マスクなどの感染対策はワクチン接種とほぼ同等に発症予防対策になるという意味です。

全体の4分の3対、4分の1というのはあくまでも私の仮設ですが、これらから、ワクチンは有用であり、(逆にマスクなどの感染対策と同様に有効であり)マスクなどの感染対策もワクチン接種と同等に有用であると言えると言うことです。

手洗いやマスク着用や密を避けることをしっかり守れる人はワクチンは必要ないかもしれません。それだけでワクチン接種と同様の効果があるのですから。

これは、ファイザー社は研究を遂行するのによくインチキをしますので、ファイザー社がインチキをしないで正直に結果を報告しているという仮定のものです。

私は今回ファイザー社を信頼してワクチンを接種することにしました。もし今後ファイザー社がインチキしたことがわかりましたら、また報告させていただきます。

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自己愛性人格障害のスクリーニングの仕方

2021年01月25日 | 神経
先日、自称メディアアーティストの落合陽一が菅首相と朝食を共にしながら会議をしたことに対して、社会学者の古市憲寿氏が
「テレワークを呼び掛ける側の政治家の代表とデジタルに詳しい人が対面でご飯食べてるんだなあってすごい笑っちゃった。それくらいこれまでの慣習を変えるのは難しいのかも知れないですね」とコメントしたところ、

落合陽一は「社会学者という肩書のクソ大学院生」などと、確実に古市憲寿氏と同定できる内容で中傷しました。
さらに、それを報じた東京スポーツに対して落合陽一は、記事削除を直談判するため東スポ編集部にわざわざ訪問するというビートたけし状態となり、騒然となりました。
さらに落合陽一は、古市憲寿氏に対して「学位もないのに社会学者を名乗るな」と中傷しました。
その結果、「落合陽一も開成中高卒なのに1浪して筑波大学で、博士課程も東京大学 情報学環ですよね」と指摘したい人たちが沢山出てきてしまいまいました(筑波大学が悪いという意味ではありません)。

自己愛性人格障害者は、プライドを傷つけられることを言われたりすると、普通の人なら「そんなことをすれば今後、自分の不利益になる」と思い避ける言動を、その場の感情で「プチン」きてしまい行ってしまいます。これが自己愛性人格障害者をスクリーニングする最初の方法だと思います。

以前お伝えしたような、「松本龍」
精神・人格異常(その8) 松本龍の場合

「アホリエモン」も典型的です。
アホリエモンがまた自己愛性人格障害を丸出し
アホリエモンは「マジやばいコロナ脳。狂ってる」と言い放ち、餃子店を閉店にまで追い込みました。

私はかなり以前から主張しています。
私たちは、ブドウ糖75gという一定量のブドウ糖液を飲んだ際に、ある一定以上の血糖値になってしまう人を「耐糖能異常」と診断して、本人やその周りの人に今後不利益が生じないように留意します。精神や人格の異常も同じです。「耐糖能異常」を早く診断してあげないと、本人や周りにまで不利益が及び、この世の中の「真実性」「公共性」「公益性」が損なわれてしまうと。

東大卒業者は幼少児から優等生で、間違ったことをした時に謝るということに慣れておらず、財務省が公文書を改ざんしても、ウソをつき通して謝りもしないことは、実は政治的なことでもなんでもなく、このような根本的「人格・精神障害」という医学的な要因であると私は感じています。

もう一つ、自己愛性人格障害を早期にスクリーニングする因子として、皆が参加している会の名前に「○○の会」というように自分の名前を付けてしまう者が挙げられます。普通の正常な「精神」であれば、皆が参加する会に自分の名前が使用されようとした段階で、「それは止めて欲しい」と主張するはずです。

自己愛性人格障害者が組織の要職になると、あとあとその組織は大変苦労をすることになります。
自己愛性人格障害者を組織の要職に置かない留意が必要です。
さらに、自己愛性人格障害者は他人が自己愛性人格障害者であることに気がつきませんので、組織の上層部に自己愛性人格障害者が2人いる場合、その組織は壊滅的だと言えます。

今後も「人格障害」を研究して、お伝えしたいと思います。

もう一度、自己愛性人格障害の学問的な定義をお示しします。
自己愛性パーソナリティ障害の診断を下すには,以下の5つ以上により示され、誇大性,賞賛への欲求,および共感の欠如の持続的パターンが認められる必要があります。

1、自分の重要性および才能についての誇大な,根拠のない感覚(誇大性)
2、途方もない業績,影響力,権力,知能,美しさ,または無欠の恋という空想にとらわれている
3、自分が特別かつ独特であり,最も優れた人々とのみ付き合うべきであると信じている
4、無条件に賞賛されたいという欲求特権意識
5、目標を達成するために他者を利用する
6、共感の欠如
7、他者への嫉妬および他者が自分を嫉妬していると信じている
8、傲慢,横柄


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新型コロナ感染は気温とほとんど関係ない

2021年01月21日 | 感染症
先日NHKで、ある耳鼻科の医者が、「新型コロナ感染は気温が低いと咽頭の温度が下がって咽頭の免疫力が低下し感染しやすいため、喉の保温が大切だ」と言っていましたが、私は一般的なウイルス感染には言えるけれど、新型コロナウイルス感染に関して言えば、その意見は間違っていると思います。

上の図を見て下さい。これらは先日の同じ日の状況ですが、北海道は人口が多いからだとして、東北地方が現在かなり気温が低い時期なのに、人口で補正したとしても感染者がかなり低いです。その反面、比較的暖かい九州や沖縄で感染者が比較的多いことの説明がつきません。

左の図を見ると、感染者が多いのは人の接触や人の動きが多い太平洋ベルト地帯に集中しています。一般的なウイルス感染には気温の低さは易感染性に関係はあるけれど、新型コロナウイルス感染の場合、多変量解析で色々な因子を入れて解析すると、気温の低さなどというのは危険因子から消えてしまうほど小さな因子なのだと思います。

では何故、新型コロナウイルス感染では咽頭の状態は関係がないのでしょうか考えてみました。新型コロナウイルスの入った飛沫は、マイクロ飛沫と呼ばれるように通常の飛沫感染より小さく、直接肺胞近くまで吸い込んでしまい、咽頭の状態など関係ないからでは?という仮説が浮かび上がると思います。そうすると新型コロナウイルス感染の肺炎は末梢からが多いということも説明がつきます。

学会などでは、新型コロナウイルス感染をどうしても「空気感染」に分類したい学者も存在します。昨年11月に日帰りバス旅行中の観光バスの中で12名のクラスターが発生しましたが、感染者の座席分布を見ると既感染者の周囲に限定されています。「空気感染」なら、バスの乗客にまんべんなく感染すると考えた方が妥当です。また、「空気感染」ならパチンコ店内や電車の中で次々にクラスターが発生するはずですが、それもありません。やはり新型コロナウイルス感染は「空気感染」とは言えないと思います。

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新型コロナワクチンの副反応・有害事象

2021年01月16日 | 感染症
新型コロナワクチンの副反応はどうなのかという先月公表された論文をご紹介します。ニューイングランドジャーナルに掲載されました。

Safety and Immunogenicity of SARS-CoV-2 mRNA-1273 Vaccine in Older Adults
N Engl J Med 2020; 383:2427-2438
(インパクトファクター★★★★★、研究対象人数☆☆☆☆★)


研究は新型コロナワクチンの接種を受けた56歳~70歳の20人と70歳以上20人を対象としました。

25μgと100μgの用量の異なるワクチンをそれぞれの人が28日間あけて2回接種しました。順番は20人ずつランダムに設定されました。

結果は、上の図のように、一回目の接種で全身倦怠感は20~30%、頭痛も20~30%、接種部位の痛みも含めると60~80%の副反応がありました。長い目でみれば、たいしたことは無いと言えばたいしたことは無いですが・・・。

二回目の接種では、さすがに副反応が多くなりました。
関節痛は10~30%、全身倦怠感は60~70%、発熱は10~30%、頭痛は30~70%に認められました。
全身倦怠感が数日続けば、仕事に差し支えるかもしれません。

さらに、先日発表された内容では、米国で2020年12月14〜23日に初回投与されたファイザーのワクチンで、1回目の投与が189万3,360人(女性117万7,527人、男性64万8,327人、性別不明6万7,506人)に実施され、4,393例(0.2%)に有害事象が報告されました。
そのうち21例(11.1例/100万回)がアナフィラキシーを発症しました。
21例中4例(19%)が入院し、17例(81%)が救急科で治療を受けました。
全員が退院し死亡はいませんでした。

日本国内での一般のアンケートでは、早く接種したいが40%、他人が接種したのを様子をみてから接種するが40%、接種しないが20%でした。

医療従事者である自分が、優先だからといって真っ先に接種するかどうか?う~ん、微妙ですね。

西村経済再生担当大臣や菅総理が接種する様子を放映してくれたら、皆が接種するかもしれません。

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