医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

エスノセントリズム(自民族中心主義、自文化中心主義)

2010年03月21日 | 雑感
                            学会発表でニューヨークに来ています。

ご存じのように、最近トヨタ自動車の「プリウス」のブレーキの問題で、ここぞとばかりにアメリカのトヨタ自動車バッシングが続いています。もちろんこれはアメリカ自動車業界がトヨタ自動車に押されて苦戦していることに対する策略であります。

ニューヨーク州では、先日トヨタ自動車のプリウスの運転手が壁に衝突した事故で、負傷した運転者が警察に「車が勝手に加速した」と話したため、電子制御の不具合が原因である可能性が浮上し、アメリカのメディアが反トヨタ的に大きく報じています。しかし、その後の調査で「アクセルとブレーキの踏み間違い」であることが判明したそうです。

また、アメリカのABCテレビはトヨタ車の急加速原因が電子制御装置の欠陥であることを立証したとするイリノイ大学ギルバート教授の実験報道について、トヨタ自動車は「あり得ない」と報道を非難する声明を発表していましたが、その後の調査で、トヨタ自動車の主張どおり電子回路を人為的にショートさせ映像を操作したものであることが判明しました。

このように、アメリカは今、嘘やねつ造でトヨタ自動車の評判を落とそうと必至になっています。もともと、トヨタ自動車がアメリカ車よりもよい車を作ったことでアメリカで売れているのに、こういうような時、アメリカはいつも悪質な手を使ってきます。

公聴会で委員会メンバーらは「自社製品が人を殺したのに長期間隠すなんて想像もできない」と事故被害者の声を代弁していましたが、銃が合法的会社で生産され、それで起きる膨大な数の殺人を野放しにしている国が、よくもそんなこと言えるなぁ、という感じです

日本の調査捕鯨船に対してシーシェパードの乗組員は毒物入りのビンを投げ入れ、さらには船内に不法侵入までしています。あいつらは、日本人がもし「カンガルーは可愛いのにその肉を食べるなんてもってのほかだ」と、カンガルーの肉を運ぶ列車を襲ってしまったら、黙ってはいないでしょう。日本人はそんなことしませんが・・

その後船長は逮捕されましたが、奴らはそれでも懲りずに今度はクロマグロ漁の船を攻撃するために出港しています。クロマグロの取引が禁止されてもEU国の漁業関係者には保証金が支払われますが、日本を含めた海洋国ではそうではありません。クロマグロ取引禁止案に賛成なのは蓋を開けてみれば欧米だけで、結局、日本やその他多くの海洋国の反対で否決されました。

以前、アメリカのディズニー&ピクサーは、カクレクマノミという熱帯魚が家族をさがすため冒険するいうストーリーの「ファインディング・ニモ」という映画を製作しました。この映画のためにカクレクマノミが乱獲され、その数は激減してしまいました。シーシェパードはカクレクマノミを捕獲しようとする欧米人に攻撃はしなかったのでしょうか。いつも奴らは自己中心的なのです。

このように、自分の育ってきたエスニック集団(族群)、民族、人種の文化を基準として他の文化を否定的に判断したり、低く評価したりする態度や思想のことを、エスノセントリズム(ethnocentrism、自民族中心主義、自文化中心主義)と呼びます。

日本人は欧米のエスノセントリズムには断固抗議し、そしていいかげん欧米崇拝から脱却しなければいけません。日本がリーマンショックでアメリカから多大な被害を被っても、その直後に「おくりびと」がアメリカの基準で行われるアカデミー賞外国語作品賞を受賞したと大騒ぎし、被害のことなど忘れてしまうマスゴミも大罪です。まぁゴミはしょせんゴミですから仕方がないかもしれませんが  ・・・


私の今回の学会発表も、欧米のエスノセントリズムとの戦いでもあります。頑張ります!


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レーシックがうまくいくためには

2010年03月11日 | 眼科
レーシックを施行しているクリニック自体が体験記を載せている「レーシック体験記ブログ」をよくみかけますね。

商魂たくましいというか、それほどレーシックって儲かるの?と感じてしまいます。
という事でレーシックの話題にしてみました。

レーシックがうまくいくために何が大切かという事でJournal of Refractive Surgery 2005;20:790.からの報告です。
(インパクトファクター★★☆☆☆、研究対象人数★★★☆☆)

対象は233人に施された421回のレーシックで、後ろ向き(過去を調べる)に調査されました。レーシックは特殊な器械で角膜の表面を薄く切ってそれをめくり、レーザーを照射して角膜を蒸散させ、再び角膜の表面を元に戻すというものという事は以前お伝えしました。

この研究では、薄く切る角膜(フラップ)の厚みが重要であるという仮説のもとに、厚みを0.1mm以下、0.1~0.13mm、0.13mm以上の群に分けました。手術1カ月後では、非矯正視力20/20(これは分数視力とよばれるもので、一般に使われている少数視力では1.0に相当します)を達成できたのは、それぞれの群で76%、56%、61%で、20/25(0.8に相当)を達成できたのはそれぞれ88%、76%、76%で、0.1mm以下群で統計学上有意に良好な結果が得られました(P=0.015)。しかし6カ月後ではその差は認められませんでした。合併症の割合も差はありませんでした。

フラップを薄くしても成績に違いはないようです。でもフラップを薄くしたいのには訳があります。実はレーシックは4人に1人が受けることはできず、一番多い問題は角膜が薄い事です。日本人の角膜の厚みは0.5mm~0.55mmで、術後に眼内圧に負けない角膜の厚みが0.25mmと言われていますので、(0.5mm 引く0.25mm引くフラップの厚み)がレーザーで蒸散させる事ができる最大の厚みという事になります。そして0.09mm削る事が-6ディオプター(D)の矯正に相当します。

もっと強く矯正するためには削る厚みを増やさなければなりません。結論をいえば、近視が強い方で角膜が薄い場合はレーシックができないのです。フラップを薄くする事ができれば角膜が薄い方でも強く矯正できるのためフラップを薄くしたいのです。

ちなみに、若手の眼科医も結構メガネをしているのって気になりませんか?眼科医はレーシックをしないのかな?と思って、私の施設の眼科医に聞いてみました。

理由は

(1)50歳になれば老眼でいずれ眼鏡が必要となるから。

(2)合併症の確率が1%であっても、自分がその1%に当たってしまえば結構大変である事を知っているから。

(3)自分が眼科の知識を持っていると、将来加齢により発症する白内障の手術が必要になった時、角膜が濁る可能性が1%ではすまないだろうと推測できるから。

(4)眼鏡やコンタクトレンズでも困っていないから。

だそうです。


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