橡の木の下で

俳句と共に

「冬はこべ」平成31年『橡』3月号より

2019-02-27 06:43:20 | 俳句とエッセイ

 冬はこべ   亜紀子

 

鳥どちは霜の朝日へたつ四日

室育ち形ばかりに薺打つ

凍て鴉今朝厳かや喪に服し

明日のこと憂ふなかれと冬はこべ

薄氷のひと日片寄る鷭の沼

大寿林群れて枯芦色めける

初笑より幕開けの初句会

息白し異国より来て家毀つ

冬の虻ひとり悟入の日に浴す

初旅や風姿正しき車窓富士

寒雀はや恋唄をひとくだり

庭に来る先づは風の子目白どち

無事一日寒満月に眠るとき

寒晴や掃除に念を入れてみる

一面は大阪なおみ霜晴るる