橡の木の下で

俳句と共に

「蟻の塔」令和6年「橡」6月号より

2024-05-28 16:27:09 | 俳句とエッセイ
 蟻の塔  亜紀子
 
大鞄四月の駅を行き交へる
無礼講コンパ佳境に新社員
ふるさとの山川思ふ初蛙
春夕日泣いてゐるよな笑むやうな
つばくろも来たり街角コンサート
蟻の塔めくや我が家へ階のぼり
日永さに子らも雀も呆け遊ぶ
開きゆく若葉小啄木鳥がひと巡り
雨ひと日一丁に椎香るなり
翩翻と郡上本染め鯉のぼり
駒返る草もなびくや新車両
白き花希少豆梨あふれ咲く
花散らす雨となりたり仏生会
禅林にひときは高く桐の花
今朝もまた一寸育つ菖蒲の芽

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