癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

安平路山(2363m)(二)

2010年08月08日 | 登山・旅行
〈頂上北側の尾根の崖の上から越百山と南駒ヶ岳を望む〉

中央アルプス主稜線南部に位置する山である。中央アルプスには、空木山(うつぎやま)とか越百山(こすもやま)など、優雅な響きの名前の山があるが、この安平路山(あんぺいじやま)もその一つであろう。昔からの歴史を調べても、この付近には街道や横断路や山岳信仰の形跡もなく、その由来は不明とのこと。

東京の牧さんからの同行依頼に応えて、大平街道大平宿の東沢林道分岐で待ち合わせ、終点から摺古山~シラビソ山を経由するコースをピストンした。

高曇りの下、登り始めてまもなく恵那山などが見え隠れしながらずっと眺められた。やがて、一等三角点の設置された摺古木山山頂へ。コース上で、ここが一番展望の良いピークだった。南アルプスはほとんど、中央アルプスも先日縦走した越百山~南駒ヶ岳~空木岳、御嶽山に乗鞍岳・・・。

その先も疎らなシラビソ林の尾根の小さなポコをいくつも登り返して進む。シラビソ山と頂上のコルには立派な避難小屋が建っている。その手前でようやく目指す頂上と対面。越百山から眺めたピークと同じ端正な形だった。

登山道も整備され、最後の急登以外にきついところもなく、淡々と散策気分で歩ける山だった。それにしても、昨日の南アの奥茶臼山とは直線で30kmくらいしか離れていなく、登山口も山の標高もほぼ同じなのに、植生の違いに驚く。向こうは終始鬱蒼としたシラビソ林だったが、こちらはシラビソ山を越えるまでは灌木帯で非常に見晴らしの良い山だった。

頂上からは展望はないが、北へ少々薮漕ぎをして切れ落ちている尾根の手前から間近に越百山~南駒ヶ岳が眺められたが、他は上がって来たガスで見えなくなっていた。

ガイドブックでは往復8時間となっていたので、それなりに心して臨んだ。しかし、下山は私よりペースの速い牧さんを先行させたこともあり、4時間40分で往復してしまい、やや呆気ない感じだった。

7:50スタート、登り2時間50分、下り1時間50分、12:55ゴール。

下山後、飯田市街地へ出て、昨日と同じ砂払温泉で入浴し、牧さんと別れる。これで中央アルプスの山も順調に踏破。登山道崩壊で飛ばして来た新潟県の八海山を目指すべく、登山道崩落の復旧状況を問い合わせる。しかし、まったく復旧工事はされてなくて、「入道岳へは八海山側からは登れません」とのこと。結局八海山は八ッ峰を外すわけにはいかない。八ッ峰の最高峰である大日岳まで行くことにして、これから高速へ・・・。
〈追加画像〉
1、登り始めてまもなく見えて来た恵那山
2、摺古木山から眺めた南アルプスの山並み
3、コルに建つ避難小屋とその先に聳える頂上をバックにした牧さん



奥茶臼山(2474m)〈三〉

2010年08月07日 | 登山・旅行
〈頂上下のコルから望む南ア核心部の北岳~間ノ岳~塩見岳の3000m峰の連なり)

安平路山が同行する牧さんの都合で明日なので、残していた南アルプスの4山からすぐ近くにあるこの山を選んだ。

南アルプス南部の主稜線の大沢岳の北側から北西に延びる支脈の丸山尾根に位置する山である。主稜線上にある茶臼山とは関係ないようだ、地蔵峠方面から眺めたときに摺鉢を伏せたような形に見えることが由来らしい。すぐ北側に前茶臼山もある。

今回の計画にはなかった山なので、最近の状況をネットで調べたら、2007年に飯田市が標高1833mのしらびそ峠からの登山道を開削・整備したことが判明。それまでは、10kmもの林道歩きも含めて往復9時間もの大鹿村の青木林道コースしかなかったらしい。しかし、この新コースも単純標高差が640mしかないのに、案内板を見ると、8kmの行程で、4つの山(前尾高山~尾高山~奥尾高山~岩本山)を越えなくてはならず、往復8時間設定のタフなコースである。

前夕の内に、登山口となるしらびそ峠まで入るが、トイレも水場もない。少し先へ走ったら「ハイランドしらびそ」というホテルがあり、その敷地に立派なトイレがあったので、その駐車場で夜を明かせてもらった。

快晴の下、登り始めるとすぐに、右手にまだ残している池口岳から昨夏登った光岳までの稜線が見える。

鬱蒼としたシラビソ主体の原生林風の中を登っていく。しかし、古い切り株や頂上近くには運搬に使ったワイヤーなどが見られるところを見ると二次林のようだ。林床は苔と羊歯に覆われて美しい。登山道を覆う草がないので、朝露で濡れることもないのがうれしい。

それにしても、倒木の非常に多い林だ。岩本山の先から頂上までが特に顕著で登山道もはっきりしない。ひたすら表示テープを探しながら進む。

所々で南ア主稜線上の山は見えるが、頂上の急登に掛かる手前のコルに、北の甲斐駒ヶ岳から南の池口岳まですべて展望できるところがあった。頂上は林の中で展望はない。2500mでも森林限界を越えないのは、南ア南部の特徴。

往路はそれほど急登もなく、淡々と歩くことができたが、復路は登り返し部分がどの山もきつかった。簡単に登れる尾高山が人気らしく、下山時に7組16人に会ったが、奥茶臼までは自分だけだった。今日も10時近くになると、ガスが上がって来て、展望がなくなってしまった。

5:00スタート、登り3時間45分、下り3時間05分、12:05ゴール。

明日の安平路山の待ち合わせ場所の東沢林道分岐へ移動。登山口は17℃だったのに、飯田市街地へ下りて来たら31℃。市街地でコインランドリーを見つけて洗濯。珍しくクーラーが効いているので、その間にブログ更新。この後、温泉か銭湯で入浴し、夕方には大平宿キャンプ場へ。
1、朝日を横から浴びる苔と羊歯で覆われた林床
2、奥尾高山を越えたところで対面した頂上
3、行く手を遮る顕著な倒木
4、南ア主稜線上で一番近くに見える荒川岳と赤石岳
5、南ア南部の光岳~池口岳(右)





木曽駒ヶ岳(2956m)<百>

2010年08月06日 | 登山・旅行
〈ロープウェイを降りると目の前に広がる千畳敷カールと宝剣岳〉

中央アルプスの盟主で最高峰の木曽駒ヶ岳は、信仰の山として古くから登られてきた山である。かつては木曽側からの表参道が多く利用されていたが、昭和42年に一気に2162mまで運んでくれるロープウェイが誕生し、千畳敷からの登山が一般的になった。

ロープウェイ駅のあるしらび平と菅ノ台の間は一般車通行禁止なので、前夕に菅ノ台バスセンターの駐車場に入る(500円)。朝5時から臨時便バスを待つ列ができる。慌ててこちらも並ぶ。3台目のバスと7:00発のロープウェーを繋ぐ(合計往復3800円)。朝から凄い登山者の数に驚く。

予想通り雲海の上は快晴。頂上駅を出ると、目の前に千畳敷カールが広がり、カール壁の上に宝剣山を中心とした険しい岩峰が連なる。中岳経由で頂上へ登り、帰りは中岳の巻き道から宝剣山経由で周回した。

のんびりと散策気分でスタート。振り返ると、ここ3日間同じように雲海の上にくっきりと端から端まで稜線を連ねる南アルプスと富士山・・・。足元の花々と荒々しい岩稜を楽しみながら、ジグを切ってカール壁のコルを目指す。登り切ると浄土乗越で、雲海の上の御嶽山や恵那山とも対面。

その先の中岳へ登るて、周りに比べて迫力のない丸くのっぺりとした木曽駒ヶ岳頂上と対面。南側には、天を突く宝剣岳の右奥に空木岳と南駒ヶ岳がくっきりと見えるのがうれしい。

帰りの中岳の巻き道から宝剣岳を越えて極楽平までは、鎖場などがある険しい岩稜歩きを楽しむ。時間的には物足りないが、スケールの大きな山岳展望と険しい岩稜歩きなどとても印象的な1山となった。

かなりのんびり歩いたつもりだが、3時間弱でロープウェイ山頂駅に戻る。8:30辺りからガスが上り始めて、戻ったときには千畳敷カールはすっぽりガスに包まれてしまった。それでも次々と満員のロープウェイから登山者と観光客が降りて来る。週末は2時間待ちになることもあるらしい。

7:15スタート。登り1時間10分、下り(宝剣岳経由)1時間25分、10:10ゴール

下山後、駐車場近くの有名な「こまくさの湯」は混んでいたので、少し離れた家族旅行村にある「こぶしの湯」へ。夕方までここでまったりした。それにしても下界は暑い・・・今日は全国が猛暑日になるような今年一番の暑さらしい。それに比べて頂稜歩きの涼しかったこと・・・まさに別天地だった。

明日で東沢林道が開通する東京の牧さんと同行予定の安平路山は明後日なので、明日が空いてしまった。そこで、急遽、近くでまだ残している南アルプスの奥茶臼山を選択。これから、その登山口の飯田市のしらびそ峠へ移動。
〈追加画像〉
1、千畳敷カールの途中から望む3日連続の南アルプス連峰
2、花々が咲き乱れる千畳敷カールの登り
3、中岳から宝剣岳とその右奥に空木岳と南駒ヶ岳を望む。
4、中岳から望むのっぺりとした木曽駒ヶ岳頂上
5、雲海の上に頂稜無を見せる御嶽山





経ヶ岳(2296m)<二>

2010年08月05日 | 登山・旅行
〈8合目ピークから望む雲海の上に姿を見せた明日の木曽駒ヶ岳〉

中央ルプスの最北端の独立峰的な山。中央アルプスの山並みが、権兵衛峠でいったん高度を下げて再び盛り上がったところに経ヶ岳がある。ちなみに、権兵衛峠は、17世紀に樵・古畑権兵衛が独力で切り開いて以来、伊那谷と木曽谷を結ぶ要路(今は国道361号線)になったとのこと。

全国あちこちに同名の山があるが、ここは、9世紀の初めに慈覚大師が十一面観音の木片にお経を書いて納めたことに因るらしい。登山口にある仲仙寺は十一面観音が本尊として祭られ、今も「羽広の観音さま」として詣でる人も多い。


仲仙寺コースをピストンした。朝は頂上部は雲が懸かっていて見えず。頂上まで林に覆われていて、展望はあまり期待できない山なので、晴れ予報なので、上に着いたら晴れていることを願ってスタート。

歩き出して10分もしない内に、20mほど先の登山道を横切ろうとクマを発見・・・カメラを手にする前に向こうで気付いて逃げて行った。体長130cm位。ヒグマよりは黒さが濃い感じ。しかし、本州で、しかも人里のすぐ上でクマを見るとは思いもしなかった。北海道でも同じ位の距離で3回しか見ていないのに・・・。

珍しい四等三角点の設置されている7合目ピークを過ぎた辺りで、頭上が明るくなる。真っ青な青空が広がっている。雲海の上に出たようだ。

8合目ピークからは、雲海の上に、明日予定の木曽駒ヶ岳や南アルプスの北端から南端まですべてとその左側に八ヶ岳連峰がくっきりと見えた。期待していなかっただけに大儲けの感じ。眼下に見えるはずの伊那谷の町並みは雲海の下。

ここから頂上までは3つのピークを越えるが、これまでの三百名山巡りで最悪の薮漕ぎ。踏み跡は明確なのだがその上は背丈から胸丈ほどの笹がびっしり被さっている。しかも、朝露で全身ずぶ濡れ状態。

頂上もコメツガとオオシラビソの林に囲まれて展望なし。北海道では最高峰の旭岳とほぼ同じ高さなのに、その実感まったくなし。下山して8合目ピークまで戻ったら、もうガスが高くなり、展望は一切なくなっていた。しかし、意外に花の多い山だった。

5:15スタート、登り3時間35分、下り2時間35分、11:45ゴール

下山後、近くのみはらしの湯でまったり。露天風呂から見える南アルプスの稜線はすべて雲で覆われいる。
〈追加画像〉
1、8合目ピークから見えた南アルプス連峰
2、7合目ピークで初めて目にした四等三角点
3、いくつかの石仏類が祀られている林の中の頂上
4、山では初めて目にした黄色のオダマキ
5、昨日、木曽町から目にした経ヶ岳





御嶽山(3067m)(百)

2010年08月04日 | 登山・旅行
〈頂上から眼下の二ノ池とその奥に北アの乗鞍岳、奥穂高岳、槍ヶ岳、剣岳、薬師岳などを望む〉

5日連続その姿を見せなかった御嶽山だが、昨夕登山口へ向かうときにくっきりとした姿で迎えてくれた。満天の星空のまま、今回の山旅最高の朝を迎えた。

「木曽の御嶽さん」と民謡にも歌われている3000mを越す名山・・・御嶽信仰の歴史は古く、奈良・平安時代まで遡る。山肌を覆う美しい森と国内では阿蘇山、富士山に次ぐ大規模な活火山。

5:15、黒沢口コース登山口(6合目)をスタートして、8合目の女人堂を起点に最高峰の剣ヶ峰を越えて、三の池まで周回した。

8合目までは林の中の信仰登山の歴史を感じる登山道を登っていく。8合目に出たら、森林限界の上に出て、一気に雰囲気が火山らしく荒々ししくなる。後ろを振り返ると、木曽谷を埋めた雲海の上に昨日まで姿を見せなかった中央アルプスの稜線がくっきりと見える。当然眼は昨日まで歩いた越百山~仙涯嶺~南駒ヶ岳~空木岳へ。その左側に八ヶ岳連峰、右手には、これまでで最も大きく見える乗鞍岳、その右奥に奥穂高と前穂高・・・。高度を上げて行くと、中アの後ろに南アの山並みと富士山、奥穂高の後ろに槍ヶ岳などの北アの山々・・・これまでの展望に恵まれなかった鬱憤が一気に晴れた。

それにしても、信仰に関わる設置物と営業小屋の多い山だ。昔からの信仰の山としての歴史を実感する。

頂上は最高峰の剣ヶ峰。快晴の空の下、360度の大展望が広がる。眼下のコバルトブルーの水を湛えた二ノ池が美しい。ただし、南から西にかけては高い雲海に覆われて一番高い白山もその姿はない。

心ゆくまで展望を楽しみ、荒々しい火山地形が広がる広い山頂部の稜線散策へ・・・まず、一番大きな枯渇している火口湖・一ノ池の火口壁の稜線を通り、二ノ池の上を越えて、賽の河原を抜ける。さらに、摩利支天分岐まで上がるとやはりコバルトブルーの三ノ池が眼下に見える。その湖岸まで下りて、周回起点の8合目女人堂を目指す。

頂上までの参拝道は賑やかだが、このコースの登山者は少なく静かだ。7合目までロープウェーで登れるので、その利用者が圧倒的に多いようだ。

10時を過ぎた辺りからガスが湧いてきて、遠望が利かなくなるし、中アも北アも南アも稜線が雲で覆われるようになった。

5:15スタート、登り2時間45分、下り3時間50分、12:15ゴール。

車で下って、御嶽山の全容が昨夕くっきりと見えたところで眺めたら、すでに頂稜に雲が懸かっていた。

木曽町市街地へ出て、駒の湯温泉でまったり過ごす。肩は腕を挙げると痛みはあるが、昨夜のバンテリン効果で気にならなくなった。明日は、中ア主稜線の最北端の経ヶ岳の予定。

〈追加画像〉
1、8合目女人堂まで来ると目の前に荒々しい頂稜斜面が広がる
2、どこかの団体のお山駆け?~バックは木曽谷を埋める雲海と中央アルプスの山並み
3、一ノ池の火口壁稜線から枯渇した池越しに剣ヶ峰を望む
4、コバルトブルーの三の池
5、雷鳥の親子





越百山(三)~南駒ヶ岳(二)~空木岳(百)縦走<2日目8/3分>

2010年08月03日 | 登山・旅行
〈一瞬だけだが、姿を現してくれた空木岳〉

雨具を着て、濃いガスに包まれた摺鉢窪避難小屋を出発。急なカール壁を登り、見えない空木岳を目指す。

○空木岳(2864m)
中央アルプスの中央部に位置し、昨日越えた仙涯岳と宝剣山とともに中央アルプスの三大岩峰と言われている。春、伊那谷から見ると、ウツギの花が爛漫と咲き誇るように見えることが山名の由来。

主稜線に戻り、まずは赤椰岳を越える。本来であれば、快適な空中散歩を楽しめるところだがガス中行軍。しかし、神様の思し召しか、一瞬だけだが空木岳への登りと頂上が姿を現してくれた。後にも先にも唯一の展望だった。

御嶽山や南アルプスや中央アルプス北部の山並みなどの360度の大展望を楽しめるはずの頂上も乳白色の世界・・・残念!

ガスの中に浮かぶ岩峰の間を潜り、険しい岩場の連続する木曽殿越への急な下りへ。木曽殿山荘で、主稜線と別れてうさぎ平までの長い下りに入る。途中「木曽義仲の力水」の冷たく美味しい水に助けられる。

うさぎ平までずっと下りだと思っていたら、北沢の吊り橋を渡ってから向かいの尾根に登り返すことに・・・ここがきつかった。長い伊奈川林道を辿り、ようやくゴール。

5:30スタート、摺鉢窪避難小屋から空木岳まで1時間50分、うさぎ平まで3時間45分、伊奈川ダムまでの林道歩き1時間40分、12:55ゴール。

下山後、明日の御嶽山の黒沢口コース登山口へ向かう途中、木曽町のせせらぎ温泉で入浴。市街地で肩痛のバンテリンの湿布薬を買う。今日は肩を動かさないでも痛いし、こうして携帯でブログを打っていても痛みが走る。
〈追加画像〉
ほとんどガス中だったので、ほとんど撮れなかった〉
1、ガスに包まれた空木岳頂上
2、義仲の力水(右端)~木曽義仲がこの道を登り、主稜線を越えたという伝説があり、木曽殿山荘の建つコルを木曽殿越えと呼ぶ
3、長い林道歩きを癒してくれたホタルブクロ



越百山(三)~南駒ヶ岳(二)~空木岳(百)縦走<1日目8/2分>

2010年08月03日 | 登山・旅行
〈越百山から南駒ヶ岳手前に聳える仙涯嶺へ〉

中央アルプス木曽山脈中央部の3山を伊奈川ダムから1泊2日の循環縦走にトライ。

1日目 伊奈川ダム~越百山~南駒ヶ岳~摺鉢窪避難小屋(泊) 
2日目 空木岳経由下山~林道~伊奈川ダム

○越百山(こすもやま)(2613m)
この山へ登るには、多くの峰(例えとして百もの峰)を越えていかないとたどり着けないということから、越百山という名が付いたという。

○南駒ヶ岳(2841m)
木曽駒ヶ岳(西駒ヶ岳)に対して南に位置することが名前の由来か・・?頂上直下に麓からもはっきりと見られる「摺鉢窪カール」を擁している。

5:00、伊奈川ダム奥の駐車場を出発。今朝沢林道を進み、3合目の福栃橋から登山道に入る。つづら折れの急登が続く。6合目を過ぎると仙涯嶺や南駒、その奥の空木岳も木曽駒まで見えて来て期待が膨らむ。7合目に御嶽展望台があったが、今日も見えず。泊まる摺鉢窪避難小屋には水がないので、越百小屋下の水場で3リットル汲む。当然3kg増、ずっしりと重くなるが、テントがない分楽なのはず・・・。

越百山到着したころからガスが懸かり始め、展望が限られてくる。晴れていれば、伊那谷を挟んで昨年登り歩いた南アルプスの景観が見えるはずだが・・・。

いよいよ、楽しみにして来た中央アルプスの主稜線歩きである。展望は限られているが、風衝地帯やハイマツや白いかこう岩の岩稜が続く。南駒手前の仙涯嶺は、中央アルプス三大岩峰の一つで迫力十分。

ここを越えるとこのコース最大の難所が待っていた。狭くて滑りそうな尾根、岩場や鎖場を慎重に下る。高茎草原の鞍部から岩礫や砂礫帯や岩稜を登り返して、南駒に到着。予定より1時間ほど早く着いたので、ガスが取れることを期待して、1時間ほどものんびりする。しかし、南側は展望が広がったが、北側はベールに覆われたまま。

諦めて、北の稜線のコルから眼下の摺鉢窪カールに見える赤い屋根の避難小屋へ。14:30無人の避難小屋にようやく到着。小屋の西側にはカール特有の美しいお花畑が広がっているが、小屋の東側は百間ナギと呼ばれる大崩壊地が広がる。

避難小屋は30人は泊まれる広さだが、結局は貸切りだった。協力金1000円。温いビールと焼酎の水割りを飲みながら、五月蝿い大きなハエ退治や読書をして時間を潰す。17時には夕食を摂り、18時にはバタンキュー。

5:00スタート、越百山まで5時間05分、南駒ヶ岳まで2時間30分、避難小屋まで35分、14:25ゴール。

〈追加画像〉
1、越百小屋手前から見上げる南駒ヶ岳(左)と仙涯嶺
2、頂上直下から越百山頂部を見上げる
3、仙涯嶺への登りで、一瞬だけ姿を見せた空木岳
4、仙涯嶺から望むガスから姿を現した南駒ヶ岳
5、ハクサンイチゲの群生の下に摺鉢窪カールと避難小屋を見下ろす





〈訂正〉
5の写真は、南駒ヶ岳から望む仙涯嶺から越百山までの稜線

新たに5の写真を追加

南木曽岳(三)&恵那山(百)

2010年08月01日 | 登山・旅行
〈南木曽岳のかこう岩の巨岩・奇岩と木々の織り成す自然庭園〉

今日は、比較的時間の掛からない南木曽岳と恵那山の2山に登った。

○南木曽岳(1679m)
江戸時代初期からの修験者の修行の聖地らしく、かこう岩の巨岩や奇岩、鎖場や桟橋が至る所にある変化に富んだワイルド且つハードな山だった。

尾越の奧の登山口駐車場から金時の洞窟手前まではピストンしたが、そこからは登山道~頂上~下山道と時計回りの周回ルートを辿った。

青空や太陽は覗くが、ガスに阻まれて遠望なし。途中の「御嶽山展望台」や「中央アルプス展望台」もその先は乳白色の空のみ。

4:45スタート、登り1時間35分、1時間45分、8:15ゴール。

およそ1時間の移動で、恵那山広河原登山口へ。

○恵那山(2191m)(百)
中央ルプスの南端に位置し、木曽谷と伊那谷を見下ろす形でどっしりと穏やかに聳える山である。

頂上が平坦なために、地元では「鍋づる」とか、愛知県側では「船覆山(ふなぶせやま)」とも呼ばれている。また、多くの伝説が残されている山でもある。

最近多く利用されているという最短の広河原コースをピストンした。最初はゲートの先に続く峰越林道を2kmほど歩き、広河原の橋を渡って登山道へ。展望のほとんどない林の中を黙々と登るのみ。それほどきつい登りはない。最近設置された合目標識の変化だけが楽しみ。

日曜日で百名山でもあり、登山者で賑わっていたが、百名山にしては華のない地味な山だ。ここも、林の中の頂上で展望櫓が設置されていたが役には立たず。これで3日連続遠望なし。いつになったらすっきりと晴れるのだろう?

9:15スタート、登り2時間35分、下り2時間00分、14:20ゴール。

昼神温泉郷の町営温泉に入った後、コインランドリーを求めて、飯田市まで走る。

洗濯中、越百小屋に明日と明後日の伊奈川ダムを起点とした越百山~南駒ヶ岳~空木岳循環縦走のルート状況を問い合わせたら、問題なしとのこと。これから、伊奈川ダムへ向かうことに・・・。
〈南木曽岳の追加画像〉
1、下山道から望む登りの尾根と頂上
2、かこう岩の巨岩が林立する東峰の斜面
3、高野槇の葉~木の幹や木肌は杉やヒノキとほぼ一緒だが葉が全然違う~ちなみにこの木は、秋篠宮殿下の長男悠仁親王のおしるし

〈恵那山の追加画像〉4、展望櫓のある頂上5
5、北海道では見かけないタマアジサイの蕾と花