つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

山本丘人 軸 雨月

2020年07月11日 | 山本丘人
新しく入手致しました山本丘人のお軸作品をご紹介いたします。

「雨月」

お軸の中央部が明るく見えるのはスポットが当たっている為ですが、よくご覧頂くとその上に月が描かれているのがお分かりいただけるかと思います。

画像にはなかなか映らないと思いご紹介を避けておりましたが、今回は全体の雰囲気がよく出ているように感じられます。




暗くなりますが、作品画面はこの内容です。↓↓





放菴、正平のお話の続きからさせていただきますと、丘人はこの画家達よりももっと情緒的であると言えるように思います。

仏教に「両忘」という言葉があります。「二元的な物の見方を捨てよ」と、簡単に言えばそういう事だと思えますが、この両忘の考え方は先ほどの老子の考え方に近いようでいて少し遠い。。私はそう思っています。

丘人は、どちらかというと、老子寄りでなく、より仏教寄り。
「無」を感じながらもその上で、「やはり絵は心だ」そう言い切る「つっぱり!」「繊細さ」「人間への愛」のある画家だったように思えるのです。

先日丘人作品を初めてお求めくださったお客様が、こんなご感想をくださいました。

和室で、山本丘人の軸を眺めていると ついつい熟睡してしまう事が有りました。 
落ち着きのある良い作品です。山本丘人のファンになりました!
 
短いご感想のなかに、丘人作品の本質を垣間見ることができるようです。


「雨月」は印譜などから、昭和20年前半、画家47~8歳の作品かと想像しています。
この作品は私共の尊敬する先輩画商からお譲りいただきましたが、先日遊びにお寄りくださったこの方に
佐橋が「やっぱりこの丘人、いいですよねぇ」と言うと
「高山が一生かかって辿り着いたところに、丘人はこの辺りでもう着いちゃっているからね」とおっしゃいました。
高山も丘人も松岡映丘のお弟子さんですね。


両忘。

「絵集め」は、
絵を上手い⇔下手、綺麗⇔汚い、高い⇔安い 
で見ていると突然つまらなくってしまうお遊びです。


では、どのように?

さて、そこが難しい(/_;)



「雨月」は本来旧暦5月(現在の5月下旬〜7月上旬)の異称です。満月が雨雲で見えない状態のことを言います。

この梅雨の時期に、作品が静かに美しく見えるのは、丘人の心は自由で、何の決めつけもないからだと感じます。








山本丘人 軸 「雨月」 絹本・彩色 共箱 
55.2×43.2㎝  ☆


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コメント (2)
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