 
とうかい(レストランとコーヒー)
台東区上野2-14。2007年3月2日
京成上野駅から池之端口を出ると目の前に写真のレトロといっていいレストランがある。写真の街並みの裏は不忍池。とうかい(東海)の左は蓬菜閣(北京料理)、右はホテル観月荘。とうかいの建物も古そうだが問題なのはその奥に見えている妙な建物である。顔のように見えてなんとなくおかしい。蔵のようにも見えるが4階建てらしい。気になって5年くらい前から何枚か写真を撮っているが、すぐ取り出せたのが掲載したもの。公園の立ち木が邪魔で、いい写真ではないが後ろの建物が分かればいいので撮りなおしにいくこともないだろう。
モノクロ写真のほうは『帝都復興せり!』(松葉一清著、平凡社、1988年)から引用した。原典は『建築の東京』(1935(昭和10)年刊)である。当書のキャプションには「菓子舗空也●(建物撤去)、竣工年:昭和3年、設計者:志村太七、住所:台東区上野2-14/和菓子の老舗のひとつ。切妻屋根と洋風の壁の模様の対比に妙。」とある。
両者は住所が同じだし、同じ建物とみなしていいと思う。「空也もなか」なら食べたことはないが聞いたことはある。『空也』によると、銀座にある有名な和菓子の老舗で、「明治17年、上野池の端に創業、戦災で焼失後昭和24年に銀座並木通りに移りはや半世紀」とある。消失した店が写真の建物かどうかは分からないが、復元したとも思えないから、鉄筋コンクリート造だったため(勿論推定)焼け落ちなかったのかもしれない。
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