ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 





吉田商店。神奈川県小田原市南町1-4
1991(平成3)年8月22日

国道1号線沿いの建物のなかでも目を引く1軒である。吉田商店は鋼材を扱う店らしい。 『神奈川の近代建築探訪』によれば、大正末期の建設ということだから関東大震災後まもなくの建設らしい。
左側は出桁造りの商家で、1階は4間幅一杯に8枚のガラス戸で仕切られているのが古い商家らしい構えだ。現在は住居として改装されている。
右の部分が他では見たことも無い特異な建物で、ちょっと見ただけでは洋風なのか和風なのかも判断に迷う。まず上部の庇。寺院建築などの天井に折上格天井(おりあげごうてんじょう)というのがあって、その壁と天井をつなげる部分がこのようなものだ。また、誰でも連想すると思うが葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」。下から見上げると2段になっているからますます似てくる。一方で1階屋根の両端の手すりの柱や、右端の塔状に高くした部分は洋風のようである。2階のピンクに塗った窓だか引き戸だかもおもしろい。

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