
まりっぺ稲荷町店。台東区東上野5-1。1989(平成1)年7月23日
清洲橋通りの、上野下アパートがあった交差点の南の角にあった、洋風にした看板建築。左(南)にすぐ浅草通りとの稲荷町交差点である。ストリートビューを見ると、2018-19年に取り壊されて、今はTimesの駐車場。「おすし・おにぎり・サンドイッチ」のまりっぺは建物が解体されるまで営業していたようだ。
地下鉄駅名や交差点名になっている「稲荷町」は、北稲荷町と南稲荷町を合わせた俗称のようである。下谷神社が下谷稲荷神社といっていたところからの町名という。1964(昭和39)年に現行の東上野3・4・5丁目に替わった。つまらない地名になってしまったものだ。
まりっぺの建物の左に永昌寺(えいしょうじ)の山門が開いている。柔道発祥の地として知られる。嘉納治五郎は1882(明治15)年に永昌寺の書院を借りて講道館と名付け、柔道の指導を始めた。『東京路上細見3』(酒井不二男著、平凡社、1988年、1900円)によると、「姿三四郎」のモデル西郷四郎が初年入門者。昔は寺の庭に小さな池があって、「姿三四郎が飛び込んだ池」などといわれていたとか。

2008(平成20)年9月5日
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