るりこんの気が付いたらの日記

あるアマチュア声楽家の忘備録とつぶやき

音大卒の意味とは

2020-08-28 09:13:00 | 声楽(レッスン)
周囲でもネットでも話題になる。「音大出」の云々。
アマチュアといえば、ある程度の年齢になってから趣味として始めたという目で見られがちだが、元々コンコーネは中学生の時から続けているし、一時は受験準備しようと思ったこともあったし、元々割り切って考えられない性格ということもある。

とりあえず、「音大卒は意味ある派」と「音大卒は意味ない派」というのに分かれているようだ。

それぞれの言い分はこんな所。それに対する私の考察を考えてみる

<音大卒は意味ある派>
●お金、労力をかけてきた
⇒そもそも勉強とはそんなもの。極めようとするのなら、どんな分野でもそれなりにかかる。
●就職に不利だという覚悟もしてきている
⇒音大卒だからって、他の文系学部と同じような就職ができないってわけではない。他の文系学部も学者を目指す優秀な人は就職活動しない。
●安定収入が得られないのも覚悟の上
⇒比較的、教員や自衛官は安定しているのでは?一般企業に就職するにしても安定収入が期待できる時代でもないと思うけど。
●ソルフェージュ、音楽理論などの裏付けも良い演奏には必要である
⇒こういう知識を習得した上で、何も演奏にプラスになっていない、ということが確認できないうちは否定のしようがないでしょう。
趣味の大人に教えようという音楽教室はまだ少ないかもしれないけど、勉強できないということはないですね。今後オンライン教室などで、やってくれるところも探せば出て来るかも。


<音大卒は意味ない派>
●音大出たからって、音楽の仕事ができるとは限らない
⇒殆どの文系学部は、大学の専攻とは違う就職先ですが。
●音大卒でも音楽を続けていない人もいる
⇒大学時代に学んだことを社会人になっても学び続けている人はまずいないですよ。
●音大の先生の指導だからって、上手くなるとは限らない
⇒その人にとって良い教育というのは、個々の相性などもあるし、普遍的な問題ですね。
●学費は高すぎて回収できない
⇒他の文系学部だって、交換留学したいとか何やら言い出せばそれなりにかかるものです。
●本当の上手さと学歴は関係ない
⇒殆どの音楽愛好者は、演奏者のプロフィールを見てから音楽を聞きますよね?
有料演奏会で、下手な歌を歌う人がいて、そのプロフィールを見たら「●●音大卒」とあれば、「プロなのに下手だね」と思うし、その記載がなければ「アマチュアのくせに金とるな」と思うでしょう。下手な演奏に金を払った、ということは一緒なのに、違った感情になるわけです。
●非音大出身者のプロや音大指導者も存在する
⇒運(人脈含む)と才能(習得能力含む)に恵まれている人も中にはいるでしょう。「中卒でも総理大臣になれる」というのと「総理大臣になるには中卒が良い」というのとは違うでしょう。

本業の勉強をしていた時、人が人を正しく評価することは難しいという理論があることを知った。元々人を厳しく評価する人と甘く評価する人というのが存在する。さらに「ハロー効果」というものがあり、その人を良く見せる情報(すなわちカッコいいプロフィール)があれば、その人を高く評価する傾向があるということなのである(ここでその情報と実際のレベルに大幅にギャップがあるほど低ければ救いようのない話にもなるのだが)。
本当は、プロフィールなしでカーテン越しで演奏を聞いてみたら、聞き手の印象というのはかなり変わるはずではないだろうか。
数年前のゴーストライター事件だって、本人に対してよりもそれで怒る人達に対して、疑問を感じてしまった。


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