るりこんの気が付いたらの日記

あるアマチュア声楽家の忘備録とつぶやき

マタイ受難曲終わりました

2019-12-04 21:52:00 | 歌曲への取組み
「バッハは一生歌ってはいけない」と前の先生から言われていたのだけど、日本語版「マタイ受難曲」のアルト合唱の公演が終わった。
全曲3時間のところ、半分くらいに縮小したものであった。1部の女声二重唱が好きだったけど、そこはカットされていた。
でも2幕のアルトソロの情念がなんとも良い感じ。

初めてのバッハはやっぱり慣れないところが多かった。
アルト合唱なのに、やたら16分音符がコロラトゥーラのようにあるところや、意外と不協和音が多いところなど。

ドイツ語全曲をいつか歌えたら良いなぁなんて思ったりもするが、それはソロ活動で伸びなくなったと気付いた時で構わないかも。

そして、今年はこの後、バリトンの先生の発表会、音楽祭委員会の忘年会の余興演奏(モーツァルトのトリオ)、日本歌曲のコンクールのCD録音・・・と続くのである。


なんと12月は4回も本番があるのか!と思ったが、いずれも内部向け、という感じで、来年はオペラの予定もなく・・・
今回の後の大きな本番がない・・・。


もうすぐマタイ受難曲

2019-11-28 17:03:00 | 歌曲への取組み
「永久禁止令」が出ていたバッハであったが、和製オペラの指揮者から声がかかり、日本語版「マタイ受難曲」のアルト合唱を担当することに。

なんで、この指揮者の元で歌いたいと思ったのかといえば、自分と同じ専攻で博士号まで取りながらその後音大に入り直したという経歴だから。

会場は仏教施設で、場所と曲目がミスマッチである。
一旦断られたのだが、バッハの宗教であるルターとその施設の宗教である浄土真宗との共通点について語ることができた指揮者という点である。
ミスマッチな会場を使うのなら、それだけの知識に基づいて説得するべきなのである。

ただ雰囲気だけでプロテスタント教会でアヴェ・マリア歌ったり、コネだけで使わせてもらえたカトリック教会でバッハ歌う、というのなら、私はやらなかっただろう。
まぁ、殆どの日本人は気にしないだろうし、ただの「貸会場」として割り切っているところもあるだろうが。

先日、北海道の有名な刑務所で、教誨師をやったり出所者の就職を世話している浄土真宗の僧侶が話題になっていたが、確かに善行よりも信仰が大切である、罪びとこそが救われるという思想、さらにはこれまで禁止されていた妻帯まで行っているという共通点があるのだろう。


マタイ受難曲やるかも

2019-09-23 08:00:00 | 歌曲への取組み
もうすぐ創作オペラの公演が控えているのだけど、共演者たちは海外公演に行って、稽古がないため、ちょっとダレ気味。
そんな時、マエストロからバッハの「マタイ受難曲」を和訳して公演する予定なので、出ないか?と声がかかった。
「マタイ受難曲」って3時間以上するから2か月で仕上げるのは無理じゃんって思ったが、半分に短縮すること、譜面は持っても良いこと、もしかしたら、2小節程度の下女の役がもらえるかもっていうことで、受けることにした。

大人になって始めた先生からは「オペラアリアを歌いたいのなら、バッハは諦めるべき」と言われていたのだけど、少なくともヒロイン以外の女性ソリストが少ないイタリアオペラよりよっぽどチャンスあるじゃん・・・・

その前に地域の音楽祭があるけど、前年より曲数が少なくて、殆どが歌ったことのある曲になりそうだし。


ジュ・トゥ・ヴ

2018-11-23 10:02:00 | 歌曲への取組み
長い事「フランス物だけは手を付けない」と決めていたのに、ある団体から「カルメン1幕冒頭のミカエラのシーンをやって」と言われてフランス語の発音を覚えることになったつい最近のこと。
語学を覚えには「習うより慣れろ」で、いかにその言語とふれることが多いかが大事だと思うし、誰でも知っているような曲を演奏しなくてはならない必要性に迫られたこともあって、サティの「ジュ・トゥ・ヴ(あなたが欲しい:Je te veux)」を入れた。
この曲は、状況に応じて2番目をカットしたりして、演奏時間を調整することもできるのが便利。
A-B-A-B-Aで進み、3回繰り返すAの部分の歌詞は同じなのですぐに覚えられるが、2回繰り返すBの部分は歌詞が違うので覚えるのが大変。
必要性に駆られて歌うことが多くて、全部で7回も本番で歌ったが、ようやっと暗譜できるようになったのが6回目の時(呆)。
それでも、なかなか「おふらんす」って雰囲気が出てこない・・・・

日本語で歌えばもっと暗譜が早かったかもしれないが、日本語で歌うには恥ずかしすぎる・・・


平城山

2018-10-01 07:19:00 | 歌曲への取組み
9月で締切の仕事が多くて、ブログはなかなか手を付けられず・・・

日本歌曲といえば、季節や風景を歌った曲が多くて、本番に出す際は、季節感というのを意識せざるを得ない。
通年、問題なく歌える曲はないか・・・と悩んでいて探したのがこの曲。
作曲者は平井康三郎氏。かなり長生きされたらしくて、まだ著作権保護期間である。

原調の音域も低めだし、「つまにこいつつ」という歌があるから、男性向きの歌と見られがちなのだけど、昔は「夫」と書いて「つま」と読んだらしいし、作詞者だって女性だ。
作詞者は、人妻でありながら海外へ留学した夫の弟子への思いを古代の皇后に重ねて詠んだという短歌が2つ。
この曲は「渋い」と言われつつも、何度も歌っている。
去年はフルートとファゴットのトリオで演奏して、「休みが一つもない」と管楽器のメンバーに怒られたが、今年はヴァイオリンとチェロの伴奏だったら「弦楽器の方が向いているね」と言われた。
あと、関西人でもなければこれを「ならやま」と読める人はなかなかいなく、「ピョンヤンやま」とか「へいじょうざん」とか読まれてしまうこともよくある。