上砂理佳のうぐいす日記

「夏への扉」展では暑い中、たくさんの方にお越しいただき誠にありがとうございました!★

「残照」★

2021-01-29 | うぐいすよもやま日記
NHKのBSで「残照~芸術家の家 フランス~」という番組をやっていました。
過去のドキュメンタリーで反響の大きかった作品を、再放送する「プレミアム・カフェ」のシリーズです。これは2008年?の再放送かな。

郊外のお城のような美しい建物に、かつては芸術家だったお年寄りばかりが生活しています。「芸術家老人ホーム」です。
有名ピアニストだった82歳の女性が弾くベートーベンやショパンを、おしゃれな共同サロンで聴く入居者たち。
芸術談義もさすがに高尚です。みんなおしゃべりが楽しそう。芸術で共感しあえるものね。
画家、グラフィックデザイナー、彫刻家、ディズニーのアニメーターだったおじいさんもいます。
パッと見はみんな、普通の老人ホームのお年寄りたち。
でも、敷地内のアトリエで作品を作って、個展を開いたりする人もいます。
油絵を描いてた70 代の女性は、工房でリトグラフを刷ってもらってました。
アトリエには、老人だけでなく色んな年代の人が入っているみたい。
先のピアニストの女性はもうすぐコンサートで、練習に余念がありません。簡単なパンフレットも施設側が作ってくれます。

食事が唯一の楽しみだから、料理への注文はみんなワガママで、さすが食の国。
レストランみたいに、ちゃんとワイン付きの(ミニ)コース料理が出てくるなんて~日本とえらい違いやわあ。

職員さんは制服でなく私服でおしゃれだし、お年寄りたちも身だしなみが綺麗な人が多い。
個室は狭そうだけど、自分の好みのインテリアで飾られています。

前向きな人ばかりではなく、「若い頃は良かったけど、今はもう枯れ木」みたいな寂寥感も少し漂っていて、でもみんな自分がやってきた得意分野を、それなりに楽しんでいます。
スケッチする人、音楽聴く人、庭園を散歩、外食、お友達や家族の訪問。
自由だな~。食事時間以外は自由自由。
体操とかゲームとか脳トレとか?日本の施設によくあるレクリエーションも無いし、元芸術家のお年寄りたちは1日を好き勝手に過ごしてます。
なんというか、高齢者を世話してる感じではなく「たまたま年とった芸術家たちが集まってるクラブ」みたいな。
建物内はいたるところに絵画や彫刻が飾られていて、その美しいこと。美術館に住んでるみたいです。

この城の持ち主の女性が芸術家で、「私亡きあとはここを芸術家の家とせよ」と遺言を残したのだそうです。
広い敷地内には森のような庭園があり、個室は65というから結構大規模な老人ホームです。
驚くのはこれが「国立」だということ。
だから、特別のお金持ちが入れる高級老人ホームというわけではないみたい。
持ち主が遺言付きで国に寄付したんかしら。なんて素晴らしい。
入居審査があってそれは「芸術家であること」だそうです。
レベルは問わないんだろか。
私も年とったら入りたい!(笑)★
コメント
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