ファイザー社のコロナワクチンが90%に効果があるという報道があったが、東京都医師会の会長さんがこれを評価するには早計であるとコメントしている。副作用が確認されていないこと、安全性への懸念、保管方法などの問題を指摘している。それに欧米人に対して有効だとしても日本人にはどうかという不安もある。日本政府はファイザー社から6千万人分の供給を基本合意している。2回必要だから日本人の人口を網羅するにはまだ足りない。
さてオーストラリアはどうかというと、11月5日に連邦政府の保健当局から発表されたメデイアリリースによると、ファイザー社から1千万回分、ノヴァヴァックス社から4千万回分を確保。オーストラリアの人口は2600万人なので、2回分が必要としてもほぼ確保できたとしている。
ワクチンを接種できる場所は通常の一般家庭医を含む医療機関を想定している。しかしファイザー社のワクチンはマイナス80度の環境で保管する必要があるので、普通の一般医ではそのような冷凍庫はないだろうから無理なはず。だからコロナ感染対策施設のある総合病院に限定される可能性がある。この保管方法については保健当局の発表では触れられていない。
またワクチン実施時期は2021年の初頭から中頃までとされている。費用は国民皆保険でカバーされるようだが、国民に全額負担がかからないのかどうかは分からない。保険料は原則として税込み年収の2%なので、ワクチン費用を賄うためにこれが引き上げられれば国民への負担増ということになる。
ワクチン接種の優先度は高齢者、医療関係者が先とされている。施設に入所している高齢者には各施設に医者が出向いてワクチン接種することを想定している。従って副作用が出るとすればまず高齢者から始まるという理屈になる。ワクチン開発段階での治験対象者に高齢者がどの程度含まれているのか知らないが、高齢者は呼吸器機能が劣化しているので、ワクチンの副作用には弱いだろう。
どう考えても来年中にワクチンが普及して脱コロナとなるとは思えない。それにワクチンが確保できる先進国だけ普及してもそうでない国からウイルスが入ってくればイタチごっことなる。そしてウイルスは頻繁に変異する。インフルエンザだった毎年変異する。そのたびにワクチンを改良する必要が出て来る。
先は長い。
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