5月3日

 @rinakko
 【人類のヴァイオリン―歌集/大滝 和子】を読んだ本に追加
 
 再読。
 〈はてしない宇宙と向かいあいながら空瓶ひとつ窓ぎわに立つ〉
 〈あたらしいサンダルを穿き歩こうよ ヤコブの梯子、夢の浮橋〉
 〈性別がふたつしかないつまらなさ七夕さやさやラムネを開ける〉
 〈敵ひとり殺むるまでは婚姻をゆるされざりきスキタイおとめ〉
 〈あたらしい交響曲を呼ぶように海に向かってカイトを掲げる〉
 〈セラフィタの声するきみよ時間軸(ときじく)が死滅するまで磨いておくれ〉
 〈みがかれし薬局の戸のつめたさよカール・マルクスに生理痛なし〉
 〈12歳、夏、殴られる、人類の歴史のように生理はじまる〉
 〈経外典(アポクリフア)の雨向日葵を濡らしおり イヴはアダムの2番目の妻〉
 〈光速源氏物語《緋の浮橋》にひとまち顔の円周率は〉

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5月2日

 @rinakko
 【水晶散歩―井辻朱美歌集/井辻 朱美】を読んだ本に追加
 
 再読。
 〈失血のしづかな恍惚ほぐれゆきリボンのごとくに宇宙がうたふ〉
 〈アンモナイトサラダをつめたく召し上がれ朝の砂丘をこえてくる声〉
 〈翼竜もかわいた別れを言うところ結晶あおき風の切片〉
 〈椰子の葉と象の耳ほどこの星の風が愛したかたちはなかった〉
 〈爪先だけを地球につけて生きてゆくマリオネットの魔女とわたくし〉
 〈レモンとシトロン無法にかがやく夏がありこの宇宙にはあまたの太陽(ソル)〉
 〈音たてて頸骨まはすそのかみの恐竜たちが風きくさまに〉
 〈ブロッコリーの右脳左脳と切り分けてお湯に投げこむ春のよい魔女〉
 〈かしみーああるいはぼあのふあふあを購(あがな)いにゆく飛ぶための黒〉 

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5月1日

 @rinakko
 【われらの狩りの掟/松野志保】を読んだ本に追加
   
 〈図書室の窓辺にいつも座していた君 思春期を晩年として〉
 〈水槽に真水を満たし「ねえ、どんな世界でならば息がつけるの?」〉
 〈月夜にはほのかに光る枯山水遂げざる謀反こそうるわしく〉
 〈心とはたとえば花びら一枚の重さに傾(かし)ぐ春の天秤〉
 〈たぶん世界の真ん中にある銀の耳わたしの悲鳴など、聞かないで〉
 〈まだ来ないアリスのために煮込まれてまた混沌に近づくスープ〉
 〈空を裂く冬の梢よその先に刺さる月こそわれらの故郷〉
 〈パレードを追いかけてゆけば永遠に祝祭の中で生きられるはず〉
 〈希う皐月水無月逝く前に世界を滅ぼす言葉をどうか〉
 〈魂を苛む千の方法を秘めて静もる王の図書館〉
 〈旧式のオーブンの中じりじりと焼かれる林檎と詩人の頭蓋〉

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4月に読んだ本

4月の読書メーター
読んだ本の数:18
読んだページ数:4877

聖遺物崇敬の心性史 西洋中世の聖性と造形 (講談社学術文庫)聖遺物崇敬の心性史 西洋中世の聖性と造形 (講談社学術文庫)の感想
“キリストやマリアに限らず、諸聖人に関しても、(略)存在していてもおかしくないと思われる聖遺物は、そのほとんどが存在したことになっていったと言っても過言ではないようだ。(略)いずれにせよ、聖遺物崇敬の「演出者」たちは、大変豊かな想像力と細部に至る読み込みでもって、きわめて優れたテクスト・クリティークを行なっていたとも言えるだろう。” “一人の聖人の遺体が、無数に分割され、欧州全土に流布し、至るところの教会に安置された様子は、喩えて言えば、今日のATMに近いところがある。(略)聖人は
読了日:04月29日 著者:秋山 聰
語りなおしシェイクスピア 2 リア王 ダンバー メディア王の悲劇語りなおしシェイクスピア 2 リア王 ダンバー メディア王の悲劇
読了日:04月27日 著者:エドワード・セント・オービン
八月は冷たい城 (ミステリーランド)八月は冷たい城 (ミステリーランド)
読了日:04月26日 著者:恩田 陸,酒井 駒子
七月に流れる花 (ミステリーランド)七月に流れる花 (ミステリーランド)
読了日:04月25日 著者:恩田 陸,酒井 駒子
氷感想
再読。
読了日:04月23日 著者:アンナ・カヴァン
解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯 (河出文庫)解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯 (河出文庫)の感想
再読。
読了日:04月21日 著者:ウェンディ・ムーア
かわいいウルフかわいいウルフ
読了日:04月20日 著者:小澤 みゆき
死に出会う思惟 (パスカル・キニャール・コレクション〈最後の王国〉 9)死に出会う思惟 (パスカル・キニャール・コレクション〈最後の王国〉 9)
読了日:04月19日 著者:パスカル・キニャール
親愛なるキティーたちへ親愛なるキティーたちへ
読了日:04月18日 著者:小林 エリカ
断絶 (エクス・リブリス)断絶 (エクス・リブリス)の感想
“思い出は、さらに思い出を生む。シェン熱とは記憶の病であり、熱病感染者は自分の思い出のなかに果てしなく囚われてしまう。でも、熱病感染者と私たちとのちがいはどこにあるのだろう。私だって思い出すし、完璧に覚えているからだ。” …とは言え、強く郷愁を覚える場所(アシュリーにとってのピンク色の部屋、ボブにとってのモールのように)がキャンディスにはなく、まるでそれが発症しないまま生き延びるための強みにも見えてくる。
読了日:04月16日 著者:リン・マー
サンソン回想録:フランス革命を生きた死刑執行人の物語サンソン回想録:フランス革命を生きた死刑執行人の物語
読了日:04月14日 著者:オノレ・ド・バルザック
とつくにの少女 11 (BLADE COMICS)とつくにの少女 11 (BLADE COMICS)
読了日:04月13日 著者:ながべ
かるいお姫さまかるいお姫さま感想
再読。
読了日:04月12日 著者:ジョージ マクドナルド
旱魃世界 (創元SF文庫)旱魃世界 (創元SF文庫)
読了日:04月09日 著者:J・G・バラード
ヴァイゼル・ダヴィデク (東欧の想像力 19)ヴァイゼル・ダヴィデク (東欧の想像力 19)
読了日:04月08日 著者:
きらめく共和国きらめく共和国
読了日:04月05日 著者:アンドレス・バルバ
ヴェルサイユ宮の聖殺人ヴェルサイユ宮の聖殺人の感想
とても面白かった。革命前夜という歴史的背景のきっちりとした考証が、作品の魅力を際立たせている。主人公の元女官長マリー=アメリーは、ルイ16世のいとこにして父はスペイン王、王族として王妃と同等である。王宮生活に倦み取り巻きと離宮に籠ってばかりの王妃と、15歳にして未亡人となり、女官長を辞した後は芸術家や学者の後援者として幅広い人脈を持つ公妃。マリー・アントワネットの姿は少ししか描かれていないが、二人の女性の比が切なくも巧みだった。個人的にはサンソンの登場で「おおっ」となった。あと、坂本ヒメミさんの装画が好き
読了日:04月04日 著者:宮園ありあ
ジョージアの歴史建築;カフカースのキリスト教建築美術ジョージアの歴史建築;カフカースのキリスト教建築美術
読了日:04月02日 著者:ヴァフタング・ベリゼ

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