3月18日

 金井美恵子『カストロの尻』を再読した。
 
 堪能した。とりわけ好きなのは「呼び声、もしくはサンザシ」と「『胡同(フートン)の素馨(ジャスミン)』」「廃墟の旋律」、そして表題作。
 岡上淑子のコラージュ・フォト作品に揺曳されたイメージの連なりに引きこまれる。まるで… “フランスの香水の小さなガラス瓶” ── “いわば香りのミイラが箱の中から微かにゆらいで立ちのぼる”。

 白樺派の特権意識について書かれた、「小さな女の子のいっぱいになった膀胱について」も面白かった。小さな森茉莉(というか森娘!)とパッパもちらっと出てくる。

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