本が好き!な、りなっこのダイアリーです。週末は旦那と食べ歩き。そちらの報告も。
本読みの日々つらつら
レオ・レオーニ、『平行植物』
“時空のあわいに棲み、われらの知覚を退ける植物群”についての研究書。『平行植物』の感想を少しばかり。

“結局のところ、本書の主題は幻想の植物ではなく、むしろ幻想そのもの――”。
とても好きな作品。もちろん装丁もお気に入りだ。
さて、平行植物とはなんぞや? それは“植物である前にことばであった植物たち”とも、“自らを永久化し、保存し続ける不思議な運命を背負った植物”とも。それ自体がすでに化石のようでもあり、普遍の異質性をもって<塀の向こう側>の時空を永遠に彷徨う植物群…それが、平行植物であると。
この分厚い一冊におさめられた詳細な研究成果たちの、何という益体も無さ、そして実際的でないことと言ったら素晴らしい…! これですよ、これ。ただ夢のように不思議だったり綺麗だったりの世界に逃避しているのではない、そうじゃない。驚くほど緻密に構築された平行植物が存在する世界と、全く異質な仕組みの元にある<塀の向こう側>。そこに繰り広げられていく眺めにわくわくと目を丸くしたり、差しのべられたイメージたちのめくるめくっていく様にどきどきする気持ち、そして、この地上の何処にもないと知りつつ憧れが胸にみちて溢れてくるこの感じ。焦がれるようで、すこし切ない。これなのですよ……。手で触れることも出来ない静止した不滅の植物たちの姿を、目を閉じて思い浮かべる。優美な<森の角砂糖バサミ>や<ツキノヒカリバナ>、アリアリマキを絶滅させた<アリジゴク>、フラメンコのリズムそのままにこぶこぶの並んだ<夢見の杖>…。なんて面白い。
てな訳で、しばし騙されて<塀の向こう側>へと思いを馳せてみた次第である。所々で紹介されている平行植物奇譚もとてもよかった。ロシアやインディアンの伝説もあれば、アフリカの部族の創世神話…などなど、さまざまな民族の伝説の中にその姿を見出せる平行植物。


“結局のところ、本書の主題は幻想の植物ではなく、むしろ幻想そのもの――”。
とても好きな作品。もちろん装丁もお気に入りだ。
さて、平行植物とはなんぞや? それは“植物である前にことばであった植物たち”とも、“自らを永久化し、保存し続ける不思議な運命を背負った植物”とも。それ自体がすでに化石のようでもあり、普遍の異質性をもって<塀の向こう側>の時空を永遠に彷徨う植物群…それが、平行植物であると。
この分厚い一冊におさめられた詳細な研究成果たちの、何という益体も無さ、そして実際的でないことと言ったら素晴らしい…! これですよ、これ。ただ夢のように不思議だったり綺麗だったりの世界に逃避しているのではない、そうじゃない。驚くほど緻密に構築された平行植物が存在する世界と、全く異質な仕組みの元にある<塀の向こう側>。そこに繰り広げられていく眺めにわくわくと目を丸くしたり、差しのべられたイメージたちのめくるめくっていく様にどきどきする気持ち、そして、この地上の何処にもないと知りつつ憧れが胸にみちて溢れてくるこの感じ。焦がれるようで、すこし切ない。これなのですよ……。手で触れることも出来ない静止した不滅の植物たちの姿を、目を閉じて思い浮かべる。優美な<森の角砂糖バサミ>や<ツキノヒカリバナ>、アリアリマキを絶滅させた<アリジゴク>、フラメンコのリズムそのままにこぶこぶの並んだ<夢見の杖>…。なんて面白い。
てな訳で、しばし騙されて<塀の向こう側>へと思いを馳せてみた次第である。所々で紹介されている平行植物奇譚もとてもよかった。ロシアやインディアンの伝説もあれば、アフリカの部族の創世神話…などなど、さまざまな民族の伝説の中にその姿を見出せる平行植物。

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