5月7日(木)のつぶやき(読んだ本、『リカルド・レイスの死の年』)

@rinakko 18:33
【リカルド・レイスの死の年 (ポルトガル文学叢書)/ジョゼ サラマーゴ】を読んだ本に追加

 “ここで海が終わり、陸がはじまる。雨が青白い町の上に降り、川の水は泥でにごり、低地は水浸し。” 5頁

 舞台となるのはリスボン。すでに死者側に身を置くペソアと、カンポスからの電報でペソアの死を知り16年ぶりにブラジルから帰郷した医者であり一歳年長のリカルド・レイスが再会を果たす…のであるからして、興味深く読んだ。でもちょっと、終盤はしんどかったなぁ…(ぼそり)。
 厳しいポルトガル史上においても殊に重要な年を取り上げるにあたり、あえて運命論者のレイスに直面させようとしているところが皮肉で面白い。死の年なのにぎりぎりまで少しも心休まらないですね…と思ったけれど、たぶん概ね誰もがそういうものなのだろう。
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