1月10日(土)のつぶやき(読んだ本、『骨の山』)

@rinakko 14:42
【骨の山 (フィクションの楽しみ)/アントワーヌ・ヴォロディーヌ】を読んだ本に追加

 《ポスト・エグゾチスム》とはなんぞ、<監禁学>小説とはなんぞや…と、心惹かれて手に取った。不可解で息苦しくて美しい作風が、きつくてとてもよかった。どこまでいっても本当の外側が不在になっていて抜け出せない、閉鎖された特異な終末的世界。そこには既知の歴史が描かれているようで、実はそうではなかった。
 社会主義的革命、その失敗後の厳戒体制の下、かつての闘士マリアとジャン夫妻は粛清の対象となり、監視機関に捕らわれ過酷な取り調べと拷問を受けていた。が、別々にいるはずの二人は、呼応し合う不思議な作品集を書き上げる…。繰り返される動植物名の、儚い響きも印象深い。
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