5月に読んだ本

2014年5月の読書メーター
読んだ本の数:22冊
読んだページ数:7899ページ

ヴァイオリン職人の探求と推理 (創元推理文庫)ヴァイオリン職人の探求と推理 (創元推理文庫)の感想
ヴァイオリンの描写が美しくて素敵。続篇も楽しみだ。
読了日:5月31日 著者:ポール・アダム
モンフォーコンの鼠モンフォーコンの鼠の感想
いやはや面白かった! 19世紀パリを舞台に、文豪バルザックも巻き込まれる(?)地下王国の大騒動を描くディストピア小説で、かなり度肝を抜かれた。物語はバルザックの仕事場から始まり、凄まじい悪臭の充満したモンフォーコンやシテ島へと、パリの其処彼処に幾つかの筋が散らばる。そこに蠢く陰謀や錯綜する思惑、危険思想集団、バルザックのペンネームを冠した謎の小説の存在…などなどが、組んず解れつ驚愕の展開へ傾れこむ! いやもう本当に、色々と目を丸くするばかりで…。(先に読むなら「谷間のゆり」より「サラジーヌ」だったかも)
読了日:5月29日 著者:鹿島茂
われはラザロわれはラザロの感想
息を詰めて読み耽る。絶望と狂気の声で細かく震え続ける白い世界へ、何度でも呼び戻されてしまう。陶然と。押し殺された悲鳴。絡みつく不安の感触が、ひりりと沁みて懐かしい。凍てて辛くてそれなのに、なぜここは美しいのか…。とりわけ好きなのは、「天の敵」や「弟」「カツオドリ」「写真」「わたしの居場所」「われらの都市」。
読了日:5月26日 著者:アンナ・カヴァン
千一夜物語〈5〉 (ちくま文庫)千一夜物語〈5〉 (ちくま文庫)
読了日:5月26日 著者:
盲目的な恋と友情盲目的な恋と友情の感想
「恋」と「友情」を突き合わせて読み返したら、もう溜め息しか出ないわけだが…。行き過ぎた執着は人を盲目にするし、それをいつまでも恋と呼び友情と呼び続けるのは、つまるところ哀しい欺瞞なのだろう。(あと、菜々子の存在が凄い)
読了日:5月23日 著者:辻村深月
谷間のゆり (岩波文庫)谷間のゆり (岩波文庫)の感想
素晴らしい読み応え。(なんて長い手紙だ…)
読了日:5月22日 著者:バルザック
アーサー王の剣アーサー王の剣
読了日:5月20日 著者:エロールル・カイン
澁澤龍彦訳 暗黒怪奇短篇集 (河出文庫)澁澤龍彦訳 暗黒怪奇短篇集 (河出文庫)の感想
読みかけて気づいたが、「罪のなかの幸福」と「死の劇場」は既読だった。中篇「ひとさらい」を澁澤訳で読めてよかった。あと「最初の舞踏会」は、こういうの大好き…の一言。
読了日:5月19日 著者:
シェイクスピア全集 (6) 十二夜 (ちくま文庫)シェイクスピア全集 (6) 十二夜 (ちくま文庫)
読了日:5月18日 著者:W.シェイクスピア
お気に召すまま−シェイクスピア全集 15  (ちくま文庫)お気に召すまま−シェイクスピア全集 15  (ちくま文庫)の感想
再読。
読了日:5月18日 著者:W.シェイクスピア
無実はさいなむ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)無実はさいなむ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
読了日:5月16日 著者:アガサクリスティー
ネルーダ事件 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)ネルーダ事件 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)の感想
1970~73年のチリの史実に沿った、ノーベル賞詩人をめぐる“探偵小説”。ネルーダから依頼を受けることになる俄か探偵カジェタノが、混沌たる南米においてホームズやポアロの推理力も北半球のロジックも通用するわけがない…とぼやいているあたり、説得力があって可笑しかった。偉大な詩人としての輝かしさと男性優位主義そのものの如き生き方…という光と影、双方あってのネルーダの人物像は興味深い。そして、愛した女たちに詩人の秘密が隠されている。ネルーダ自身の混沌を等身大に描こうとする筆致から、著者の深い敬愛の念が伝わってくる
読了日:5月15日 著者:ロベルトアンプエロ
キス・キス (ハヤカワ・ミステリ文庫)キス・キス (ハヤカワ・ミステリ文庫)の感想
いやはや面白かった! 怖っ、酷っ…などとのけ反り呻きつつ、一篇一篇読み進んでいくうちにそれを待ち兼ねている。突き落とされて毒されていくのが、ぞくぞく快感なのだから世話がない…。とりわけ好きだったのは、「ウィリアムとメアリー」「天国への道」「ロイヤルゼリー」「勝者エドワード」、そして楽しみにしていた「豚」。ぐうっと狂気が募っていくような話は、短く纏められていると尚更に恐ろしい。(それにしても「豚」は…。ひいい。)
読了日:5月14日 著者:ロアルドダール
エドウィン・ドルードの謎 (白水Uブックス 191 海外小説永遠の本棚)エドウィン・ドルードの謎 (白水Uブックス 191 海外小説永遠の本棚)の感想
流石の面白さでぐんぐんひき込まれた。ので、わかっていたこととはいえ未完なのが…(ふがふが)。“ディケンズの探偵小説”と謳っているものの、事件が起こるまでの頁数はかなりある。もっともっと長く、豊かな広がりを持つ物語が紡がれるはずだったのだ…。第一章で垣間見て魅かれた“悪”の気配に、ずぶずぶ踏み入っていく展開を味わってみたかった。気を取り直して読んだ解説は、興味深くて有り難い内容だった。そこですっきり出来るかと思いきや、『エドウィン・ドルードの謎』の謎はますます膨れてしまうけれど、それもまた楽しみのうちなのだ
読了日:5月12日 著者:チャールズディケンズ
須賀敦子全集 第6巻 (河出文庫)須賀敦子全集 第6巻 (河出文庫)
読了日:5月11日 著者:須賀敦子
モレルの発明 (フィクションの楽しみ)モレルの発明 (フィクションの楽しみ)の感想
大好きなので再読。格別だった。
読了日:5月9日 著者:アドルフォビオイ=カサーレス
新カンタベリー物語 (創元推理文庫)新カンタベリー物語 (創元推理文庫)の感想
これは好きだわ…と楽しく堪能した。滑稽味とシュールさの黒い匙加減といい、かなり残酷なのにあっけらかんとした妙な明るさの塩梅といい、嗤えて面白い。三文文士が迷い込んだのは、亡霊たちの集会所《陣羽織》。そこでは一人一人が順々に話者となり、奇天烈な物語を聴かせてくれるのだが。なぜか顔ぶれの中には牡猫ムルがいたりフォルスタッフがいたり、チョーサーその人の姿もあり。(カニヴェ博士の章がオウムと結婚したオールドミスの話というのは、むむむ) カンタベリー物語を先に読むつもりだったのに、こちらから手を付けてしまった次第。
読了日:5月8日 著者:ジャンレー
かがやく月の宮かがやく月の宮の感想
久方ぶりに読む宇月原作品。な、なるほどおおお…とひき込まれた。かぐや姫とは如何なる存在であったのか…という切り口が、更に盲点を衝くような展開へと繋がる。神話や史実との自在な絡み合わせには、思わずわくわくと胸が高なった。忘れられぬ面影を抱いて儚げに生きる帝の姿と、他の貴族たちの造形や求婚の動機付け(ここに説得力があって面白い)が絶妙に対照的なのもよかった。遠い先を見晴るかしていたのはただ一人、そのひとだった…と思うと切ない。
読了日:5月7日 著者:宇月原晴明
死者のあやまち (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)死者のあやまち (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
読了日:5月6日 著者:アガサクリスティー
死への旅 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)死への旅 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
読了日:5月4日 著者:アガサ・クリスティー
白鯨 下 (岩波文庫 赤 308-3)白鯨 下 (岩波文庫 赤 308-3)の感想
素晴らしい読み応え。全篇鯨尽くしに、これほどまでに痺れるとは…。
読了日:5月3日 著者:ハーマン・メルヴィル
連邦区マドリード (フィクションの楽しみ)連邦区マドリード (フィクションの楽しみ)の感想
美しくも雑多、虚実綯い交ぜになったマーブル模様が万遍なく押し広げられていく作風に、少しく戸惑いつつひき込まれた。本物と偽物はまず並べられるが、奇妙な逆転の現象を引き起こす。それは錯覚に過ぎないのかも知れず、ふっと目眩のする読み心地が妙味であった。執拗に繰り返される偽装や剽窃のモチーフ…その変奏。失意にまみれたかつてのゴーストライターのとめどないお喋り、エバ・ヒロンをめぐる恋愛、存在自体が幻想めいたローレンス大佐の恐るべき力…などなど。先の読めない多面性に惑わされたけれど、その複雑さが読みどころで面白かった
読了日:5月1日 著者:J.J.アルマス・マルセロ

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