4月5日(金)のつぶやき(読んだ本、『光の世紀』)

@rinakko 18:39
【光の世紀 (叢書 アンデスの風)/アレホ カルペンティエル】を読んだ本に追加

 “けれど覚えておけ、優しい人間にはどうすることもできぬ時代というものがあるのだ」。” 198頁

 “フランス革命の歴史から無視されてきた”という、歴史的人物ビクトル・ユーグ。パン屋の息子から商人となった彼は、革命の熱狂の中へと身を投じた。そして、カリブ海域に大革命の理想を広めるべく、ロベスピエールからの指令を受ける…。(しかし、啓蒙だか何だか、押し付けられる方は堪ったものじゃあない) 
 革命はいずれ頓挫を来たし、高邁な思想は悉く潰え、一度解放された現地の黒人奴隷たちは、再び足枷を嵌められただけ。自身を取り巻く欺瞞に飽き飽きしたエステバンが、信じられるものを一つ残らず失っていく過程には胸が痛んだ。
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