ムニエル向きの白身魚を安くわけてもらったので、久しぶりにワインで乾杯するかと、コンビニではない酒専門店に立ち寄ったら、やはりこういう季節ですから“冷えモン”にも目が行くじゃないですか。
ちょっとアメリカンレトロなパッケージデザインに惹かれて、SUNTORY“ザ・ストレート”、350ml、115円也を御土産代わりに購入。
「のどに、ぐっとくる」というキャッチが真ん真ん中に入っているのが、デザインとは裏腹になんともアナログ日本的、いっそ農耕民族的ですね。
ムニエルの下ごしらえ前に、まぁワインで本格的に行く前の素地作りのつもりで、冷えてるところをクッといってみましたが、お味は…うーん、同社の“金麦”から軽みの甘さを引いて、アルコール分を1パーセント上げた(金麦5%、ザ・ストレート6%)だけ、って感じ。先日もここで書いた、最近いまいち不人気なビール由来のホロ苦さを、発泡酒・新ジャンルでは極力低減して、代わりにアルコール度数を上げることで“辛口感”“オトナ感”を出そうというのがトレンドなんでしょうかね。
残念ながら、もちろん好みですが“ザ・ストレート”に関しては、そういう“辛口ベクトル”があまりクリーンヒットはしてないように思いました。これなら“金麦”のほうが飲みやすいし、ビール系市場では後発ながらウィスキー市場で長年鍛え洗練してきたSUNTORYの強み“原料水”の良さが、金麦に比べてあまり出ていないと思います。
金麦の場合、同社の一応定着した“ジョッキ生”を足場に、もっと麦芽由来の旨みやリッチ感を前面に出そうよ、という攻めの姿勢が感じられ、「SUNTORYのビール系につきものの水っぽさはあるけど、この水っぽさは、“かろやかさ”“さわやかさ”と言ってもいい、“良い水っぽさ”だな」と思わせてくれました。
“ザ・ストレート”の“狙って当てに来た辛口感”は、「そうまでしてどうしても辛口にしたいなら、Asahiスーパードライにするわ」と思わせてしまいます。
…そんなこんなで、クチ直しに買いおきの金麦350mlも空けた後ムニエル製作。都合何ccのアルコールが体内に入ったのか。めっきり日も長くなってきているため、明るいうちから酒気帯びクッキング。真鯛のムニエル、菜花のソテー添え。とっとと食え。ワインも飲め。