イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

売れそな気がします

2009-04-10 21:52:13 | CM

昨日NHK『つばさ』のことを書きついでに前番組『だんだん』にも触れようと思い、公式サイトを参照すべく、登録してあったブックマークをクリックしたら、URLがまったく同じ“…asadora”のまま、そっくり『つばさ』公式になっていてびっくり。女房と思ってべッド入ったら愛人がいた、ぐらいの驚きです。

なんだこの喩え。

…とにかくこの枠のドラマ、新しくなると、URLはそのまま中身が入れ替わっているらしい。枠ごと無くする、移動するなんてことは想定に入れていないんですね。NHK教育や、総合でも深夜なんかは続々番組編成が変わっているのですが、さすがNHKと言うべきか、さすが朝ドラというべきか。

で、せっかくなので『つばさ』のキャストページを見たら…こりゃどう考えても高齢家族が興味を持ち直しそうなドラマじゃないなと改めて思いました。あまりにネタ寄り過ぎ。

1週頻出した、つばさの舞い戻り母さん(高畑淳子さん)とお祖母ちゃん(吉行和子さん)との卓袱台はさんだ言い合い、立ち回り、止めるつばさに逃げる弟、オロオロ父さん、家族の周りに出入りする漫画チックな裏社会風一味…という情景、空気感は、ある年代前後の人なら『寺内貫太郎一家』もしくは『ムー一族』辺りの昭和家族・ご近所コメディを想起するはずです。おそらく脚本の戸田山雅司さんを含め、制作陣の主流もその年代なのだと思う。

ただ惜しむらくは、家族の中でのいちばんの強力磁場の持ち主が、頑固一徹親父ではなく母親、それも、女性視聴者には最も受け容れられにくい人物像パターンのひとつである“子を捨て家庭を捨てた母親”に設定されているところがきついですね。2009年の日本ではこうなってしまうのも仕方のないところでしょうが、数少ない女性の“怪優”候補である高畑淳子さんの熱演で、どれだけ取り返せるか。つばさ弟・知秋役の冨浦智嗣さんの、声変わり完了してるのかしてないのか微妙なハイトーンヴォイスが、“すべてにおいて女性重心にならざるを得ない”ドラマ界への圧力をはしなくも表しているようです。

 『エゴイスト』はタイトルの音声ロゴ「…えごいすと。」からして、やはり鑑賞の主眼は川島なお美さんでいいんでしょうね。劇中何度か画面に大写しになった、“西条玲子”名義の母子手帳の交付が昭和599月、子の誕生が605月で、母・玲子“(17歳)”と表紙に記載されていますから、玲子は昭和42年か43年生まれ、ドラマの現在時制がリアル2009年なら41歳か42歳です(ちなみに川島さんは1960年=昭和35年生まれ、今年49歳です)。

 こんなところからも01年の『女優・杏子』からの年月を感じますね。あの頃は“アラフォー”なんて流行語は存在せず、まだ設定36歳と、玲子よりは56歳は若かった香月杏子(荻野目慶子さん)が「いちばん中途半端な年」「老け役ってわけにもいかないし、子持ちの役はイヤだって(杏子さん本人が)言うし」「(TV)局は世代交代で、少しでも若い子を使いたがるし、いまはまだ不倫モノでウケているけれど、主役一本じゃもうきつい」と事務所社長兼マネージャーの孝枝さん(茅島成美さん)に愚痴られていました。

 一方『エゴイスト』の、川島さん扮する玲子はと言えば、マネージャー(蘭香レアさん)にも事務所社長(藤堂新二さん)にも無断で作家に体当たり(←たぶん)売り込みかけて開局記念ドラマの主役取ったり、杏子を髣髴とさせる営業努力は日々怠りないようですが、プライド満々アタクシ上等な現場での振る舞いも、Pも監督も受け入れて言うなりになってくれていて、杏子のように“陰で鼻つまみ”とか、若手に押され気味といった下り坂描写はいまのところありません。

要するに『杏子』からの8年間で、現実のドラマ界が高齢化したのだと思います。『杏子』の01年、“女優36歳、スターの座からの忍び寄る凋落”というのは結構、現実味がありましたが、09年現在、“アラフォー女優がメイン時間帯のドラマで主役オファー”というのも満更ウソっぽくはありません。

小劇団“イノセント・スフィア”の、そのまた若輩の香里(宮地真緒さん)が、見たところ30歳前後の設定と思われる先輩女優・トモ美(一青妙さん)について「もうオバさんなのに、演出家とデキてるからって主役」とブーたれるのも、ちゃんと“ゴマメの歯ぎしり”に見えています。

深読みすればなんとなく、over40が貪欲でパワフルで地位を手放さないために、アタマ数と絶対力量で凌駕しあぐねている20代”という、当節の労働・雇用市場を反映しているととれなくもない。本当に、TVドラマに限った話ではなく、どのジャンルにおいてもマーケティング、商品作り、“本当は若者に興味持ってほしいんだけど、実際おカネ落とす米の飯になるのは4050代”という乖離に悩んでいますからね。

久しぶりにこの枠を毎話録画視聴していると、当方まだアナログVTR視聴だもので、編集できないCMがちょこちょこ目に入ってしまうんですが、お昼仕様のCMまたまた独特なことになっていますな。“タンスにゴン”の新製品“ゴンゴンフレンズ”の♪ウ~サギさんクマさんネコさんよ~ ってあやしげなフレーズ、かなり脳内にループでミゾを刻みますよ。字幕では「カワイクなった」ってあるんだけど、だったら着ぐるみ向きのカワイイ映像カワイイアクション、カワイイBGMにすりゃいいのに、あえてぜんぶアヤシクしてしまったと。向かって左端のピンクのウサギさんが、腰グラインドさせてるつもりで腹グラインドになって、ヨロッてつんのめるところがいいんですよね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする