私の故郷、岡山県の西部瀬戸内に位置する笠岡地方の方言に「はぶてる」があります。
先日某紙の夕刊に懐かしい方言が載っていました。
それが「はぶてる」です。
田舎を離れて既に半世紀以上経過していますが、子供の頃に使っていた言葉は忘れないものです。
新聞記事の「はぶてる」の見出しを見ただけで、「もしや岡山の方言では?」と思い、読みかけるとその通りでした。
そこで、今日は新聞記事からこの方言ををご紹介します。
新聞記事では東京女子大学教授の篠崎晃一先生が解説していました。
「はぶてる」は共通語の「すねる」に当たる方言で、岡山の他、広島や山口、愛媛など中四国地方で使われている方言だ。
語源は諸説あるが、「ふてくされる」の意味で鎌倉時代から使われている「ふてる」と関連があると思われる、ということです。
記事では更に、共通語でも「ふて寝」等の形で使われており、この「ふてる」に「端役、端数」などと使う時の「重要でない、はんぱ」の意味を表す「端」を添えることで、心の底から反抗的な態度をとったり怒ったりしているのではなく、その中間的な、いじけて不機嫌な微妙なニュアンスを表している。
と書かれており、「ふてる」から「端ふてる」になったのではないかと言うことです。
続けて先生は、「オジサン的な妄想になるが、「すぐにはぶてるんじゃけー」と言われ、頬をぷっと膨らませて睨みつける女の子の可愛い表情をついつい思い描いてしまうのである。
と締め括っていました。
岡山ではこの方言は「ふて腐れる 」、「いじける」、「すねる」と言う意味で使われていましたが、現在でも使われているのかどうかは分かりません。
私が子供の頃使っていた「はぶてる」の方言が、鎌倉時代から使われていた言葉が語源と聞いてビックリしています。