らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

論語と参議院選挙

2016-07-09 | 時事

選挙権年齢が18歳に引き下げられて初めて行われる国政選挙、第24回参議院通常選挙の投票日がいよいよ明日になりました。
期日前投票をしていない有権者の皆さま、明日は棄権しないように必ず投票に行きましょうね。

今回の参議院選挙、ニュースで観る限り、現実的な政策を訴えている党もあれば、ポビュリズムを煽って、現実離れした庶民受けするような甘言を訴えている党もあります。
私の住んでいる大阪府下の小さな町には、誰一人遊説に来なかったので、衆議院選挙のような盛り上がりには欠ける感はありますが、日本国民全員が持っている三大権利の一つである「参政権」を行使して国政に参加できるチャンスです。
明日の投票日には各候補者、政党の政策をよく吟味して投票しましょうね。

さて、論語に「子(し)曰(のたま)わく、民(たみ)は之(これ)に由(よ)らしむべし。之(これ)を知(し)らしむべからず。」(泰伯第八)があります。
この章は論語の中で古来最も多く誤解、曲解されている所だと言われています。
そこで今日はこの章の本来の意味するところを調べてみました。

その結果、ネットのある解説に、この論語を、「人民は黙って政治につき従わせておくべきで、いちいち内容を説明すべきものではない」と曲解している人が意外に多いと言うことです。
これは可(べし)・不可(べからず)を命令形の(~せよ!~するな!)と勘違いしていることからで、特に、日本の官僚は皆勘違いしていると言うことです。
この章の意味を理解するためには、この文章に雍也第六141章をつないで読むと、一層意味合いがはっきりするのではないかと解説しています。
即ち、「民(たみ)は之(これ)に由(よ)らしむべし。之(これ)を知(し)らしむべからず。中人(ちゅうじん)以上は以て上(かみ)を語るべきなり。中人以下には、以て上を語るべからざるなり。」
(意訳)
人民を政道に従わせることはできるが、一人一人にその内容を理解させることは難しい。何故かと云うと、天分や能力が中程度以上の人には高尚なことを云っても理解できようが、天分や能力が中程度以下の人には高尚なことは中々理解できないからである。

そこで、「子(し)曰(のたま)わく、民(たみ)は之(これ)に由(よ)らしむべし。之(これ)を知(し)らしむべからず。」という論語の本意は、「人民を為政者が定めた法律によって従わせることはできるが、その道理を理解させることは難しい」となり、「知らせるべきではない」ではありません。
「由しらしむべし」の「由る」は「頼る」「従う」という意で、「べし」は、可能・推測の意となります。

今回の参議院選挙、党首、候補者の中に「由らしむべし、知らしむべからず」を曲解して遊説している方はいなかったでしょうか?

        為政者よ、真実を語れ!我々有権者は無知ではないですぞ!