らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

「ゆく」と「いく」

2016-07-04 | 雑学

所用のためブログの書き込みを休止していましたが、今日から再開しましたのでよろしくお願いします。

さて、今回ブログの書き込みを休止していたこの1週間ほどは家内の実家に「行って」いたのです。
家内の実家では姉夫婦の体調が思わしくなく、道端や畑の草刈りができていないと聞いていたので、農作業をするために「行った」もので、行ってみると聞いていた通り、畑は草が背丈ほどに伸びて荒れ放題、キウイや柿は鈴なりになって垂れ下がり、桃も袋かけは勿論、摘果もされておらずカラスの餌になっている始末でした。
そこで、早速、キウイ、柿、桃畑の草刈りを優先して行い、柿の一部とキウイ、桃の摘果、そして桃の袋かけ、カラス除けの網張り等をして仕上げました。
更に、これとは別の八か所の畑の草刈りを行い、また雨の日はエクセルで資料を作るなど、フル回転の一週間を過ごしたのです。
いつもは実家へ帰っると体重が少し増えるのですが、今回は連日汗をかいて作業をしたことから逆に2キロほど減ってしまい、女性の皆さまがなかなか効果が現れないと苦労しているダイエットがいとも簡単に出来ました。

私事はこれくらいにして、ブログ再開の今日は「」で太字書きしている「行く」の使い分けについて調べました。

「行く」について司馬遼太郎は紀行集で「街道をゆく」と「ゆく」使用していますが、「ゆく」と「いく」の使い分けはあるのでしょうか?
調べてみると、一般的には現在は「いく」の方を使用しますが、「ゆく」と「いく」の使い分けは文体上の違い、即ち、文章のスタイルによるようで、一般的に「ゆく」は文章的ないし詩的な文脈で使われ、「いく」は口語的・日常的な文脈で使われるようです。

私がいつも調べている広辞苑では、
・「行く(いく)」・・・(奈良・平安時代から「ゆく」と併存。平安・鎌倉時代の漢文訓読では、殆ど「ゆく」を使い、「いく」の例は極めて稀。助詞「て」の下では「いく」が多い)

・「ゆく」・・・①現在いる地点から出発して向こうの方へ進行・移動する。
        ・前方へ向かって進む。
        ・目的地へ向かい進む。
        ・目的のところに到達する。
と説明しています。

歴史的にみると、「ゆく」「いく」ともに万葉集にすでに用例がみられる古くからの語ですが、どちらかと言うと、かつては「ゆく」のほうが標準的な言い方と見られていたようです。
例えば、「行きずり」「行きつ戻りつ」「行方」「行く末」「行く手」「行く年」など、やや古風な言い回しの成句は、今でも「ゆき」「ゆく」であり、「いく」は相応しく感じられません。
しかし、「いく」と「ゆく」は、いずれも標準的な言い方で、どちらか一方が誤りであるということはないと言うことです。

言葉は、時代時代で変遷して、それまで正しいとされてきた用法と新しい言い方が入れ替わったりしてきています。
「行く」についても、今後「ゆく春」、「ゆく年」などが「いく」に変わって行く可能性はないとは言えないということです。