らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

つかぬこと

2016-06-23 | 雑学

友達や知り合いと、或いはご近所との世間話などの時、「つかぬ事を伺いますが」と言われたことはありませんか?
若い人たちの間で、この「つかぬこと」という表現を間違えて使用しているケースが多いと言うことです。
そこで今日は「つかぬこと」について調べました。

「つかぬこと」とは、「つまらないこと」でしょうか?それとも「関係ないこと」でしょうか?

調べてみると、「つかぬこと」は「これまでの話の流れとは直接には関係ないこと」という文脈で使われるもので、「つまらないこと」と言うニュアンスで用いるのは本来の使い方ではありません。

日本語の「つく」は、意味・用法が非常に広い動詞で、その一つに「後に続く」とか「随従する」と言う意味があり、「つかぬこと」の場合は、「つく」を否定する形で、[付随しない]という意味から[関係のないこと]を表します。

例えば、次のように使用されます。
A:「Bさん、こんにちは。いつもお元気ですね」
B:「おかげさんで。Aさんも健康には自信がありそうですね。(中略)、 ところで、つかぬ事を聞きますが、Aさん、暫くお目にかかりませんでしたが・・・・・でしたか?」
等のように、前の話とは「関係のないこと」として使われる表現であり、この意味での使用例は江戸時代からあるそうです。
ところが、近年、若い人の間では、これを[つまらないこと]とか「バカバカしいこと」と誤った使い方も多く見られるということです。

某調査会社がウェブ上でおこなったアンケートでは、「『つかぬことをうかがいますが』についてその使い方を聞いたところ、『つまらないことを聞きますが』という意味がある」というのを支持する回答が、若い年代にはやや多かったようです。
おそらく、「愚にもつかないこと〔=ばかばかしい〕」からの連想がはたらいているのではないか言われています。

日本語の中には本来の意味とは全く違う意味で、誤って使われているものも多くありますが、本当の意味を知っている人に誤った使い方の言葉を選んでしまうと、とんでもない誤解をされてしまうことが起こりかねません。
そのような間違いを防ぐ意味からも、言葉の本来の使い方を知っておきたいものです。

「つかぬこと」とは、それまでの話題や状況とは付かない(関係ない)ことという意味で、「だしぬけにこのようなことをお尋ねして恐縮ですが」という気持ちを込めつつ使用される成句です。
誤使用しないように、気をつけたいですね。