大阪・泉州に秋を告げる「だんじり祭り」のシーズンが到来しました。
今日は、今や日本を代表する祭りの一つとなった「岸和田だんじり祭り」についてご紹介します。
「岸和田だんじり祭り」の起源は、1703年(元禄16年)、岸和田藩主の岡部長泰が、京都伏見稲荷大社を岸和田城内三の丸に勧請し、五穀豊穣を祈願して行った稲荷祭りが始まりと伝えれれています。
当初の祭礼は、「にわか」や狂言などの芸事を演じ、その後に三の丸神社、岸城神社へ参拝したようです。
昔は五穀豊穣を祈願したお祭りでしたが、今は収穫を共に願い、祝うといったことから地域の人々を結びつけるイベントとしての色彩が強くなっています。
・岸和田藩主の岡部永泰公です(岸和田市HPより)
この「岸和田だんじり祭り」が昨日(9月18日)と今日の2日間にわたって行われています。
「だんじり祭り」は、平成17年(2005年)までは9月14日と15日に行われていましたが、9月15日の敬老の日がハッピーマンデーにより9月第3日曜日になったことから、祭りの観客動員数が減少したことや社会人や学生などの曳き手が不足して曳行に支障が出ることを踏まえ、2006年(平成18年)から敬老の日の直前の土・日曜日(9月第3土曜日と日曜日)に日程が変更となりました。
・南海電鉄・岸和田駅前を曳行している「だんじり」です。
「岸和田だんじり祭り」は毎年、敬老の日の直前の土・日曜日に行われ、概要は次のようになっています。
第1日目は宵宮で、午前6時から各町のだんじり22台が通称カンカン場へ向かって一斉に繰り出し、”やりまわし”を行い、『曳き出し』が始まります。
午後1時からは南海電鉄・岸和田駅前にてパレードが行われます。
・岸和田市宮本町の「だんじり」です。
・だんじりにはこのように見事な彫刻が彫られています。
各町内が保有するだんじりの彫刻はいずれも見事な美術品です。
第2日目は本宮で、午前9時過ぎから祭りの最大の神事『宮入り』が岸城神社・岸和田天満宮・弥栄神社で行われ、クライマックスに達します。
また、両日の午後7時から10時頃までの間は『灯入れ曳行』と呼ばれる、約200個の提灯で飾られただんじりを、小さい子供から老人まで楽しめるよう歩行曳行し、昼間のだんじりの「動」に対し、雅やかな「静」を演出します。
・約200個の提灯で飾られた『灯入れ曳行』です。(ウィキペディアより)
だんじり祭りは泉州、河内、大阪、神戸、奈良など、関西一円の祭りの形態として存在しており、そのうち、岸和田以南の泉州各地の「だんじり」はその殆どが10月祭礼で、体育の日の直前の土曜日、日曜日に行われます。
今年の祭礼は、10月9日(土)と10日(日)の2日間に行われますので、来月には熊取の「だんじり祭り」もご紹介します。
(参考)
・五穀とは、米、麦、粟、稗、豆を言います。
・勧請(かんじょう)とは、神仏の来臨を請うこと。神仏の分霊を請じ迎えてまつること
・「にわか」とは、俄狂言の略で、素人が座敷や街頭で行った即興の滑稽寸劇で、後に寄席などで興業されたものです。
明治以降、改良俄、新聞俄、大阪俄と言われたものから喜劇劇団が生まれたそうです。
・”やりまわし”とは、だんじりを曳行する人たちが走ってスピードつけ、だんじりを直角に回す曳行方法です。