らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

小惑星探査機「はやぶさ」の帰還カプセル

2010-09-24 | 雑学

小惑星探査機「はやぶさ」の奇跡的な帰還は、日本人の私たちには誇らしく、まだ記憶に新しいところです。
その帰還した「はやぶさ」のカプセルなどの一般公開が9月17日から21日まで大阪でありました。
先日、展示会場の近鉄百貨店まで見学に行ってきましたのでご紹介します。

当日は展示最終日と言うこともあり、たくさんの見学者が順番待ちをしていました。
私も1時間余り並んで漸く11時前に見学することができましたが、カプセルの前でゆっくり立ち止まって見ることができず、僅か2分ほどで会場を出ました。
今回展示されていたのは、3億キロ離れた小惑星「イトカワ」まで行って帰還してきた「はやぶさ」の実物のカプセルです。
なお、会場は撮影禁止だったので画像は「大阪市HPより」よりお借りしてご紹介しています。

・「はやぶさ」帰還カプセル等
1.インスツルメントモジュール(
大阪市HPより)
 地球帰還カプセルの「骨格」であったパーツで、この中に「イトカワ」で採取した試料を収める「サンプルコンテナ」や電子機器が搭載されていました。
 このインスツルメントモジュールにパラシュートが付き、前面および背面に「ヒートシールド」が取り付けられていました。
 大気圏突入時、大気との摩擦により上部は焦げていましたが、驚くほどきれいに地球に戻ったそうです。
 なお、「ヒートシールド」と「サンプルコンテナ」は研究・分析中であるため、展示はありません。(ドーナツ状の場所にパラシュートが、中央にサンプルコンテナが収まっていたそうです)


2.搭載電子機器
 帰還時に各部パーツの分離の指令や、着陸した時に回収隊を誘導するための電波ビーコンを発信するなどのために搭載された電子機器です。
 大気圏突入時には、秒速12kmという非常に速い速度からの減速により、地上で感じる重力の50倍もの力がかかるそうです。
 機器を樹脂で固めるといった工夫により、この力にも耐え、無事に機能が働きました。


3.パラシュート
 強くて軽いポリエステル製で十字型の形をしています。
 地上5kmの高さで予定通り開き、適度なブレーキをかけながら、十数分後にカプセルを地上におろす役割を果たしました。


4.エンジンニアリングモデル
 地上でテストをするため、実際に「はやぶさ」に搭載されたカプセルと全く同じカプセルです。
 「ヒートシールド」が取り付けられた状態で展示されるため、中の「インスツルメントモジュール」は見えませんが、パーツが分離する前のカプセルの姿がわかります。


・小惑星探査機「はやぶさ」とは
 「はやぶさ」は世界で初めて、小惑星への往復に成功した探査機です。
 2003年(平成15年)5月9日13時29分25秒に宇宙科学研究所によって打ち上げられました。
 「はやぶさ」はイオンエンジンの実証試験を行いながら2005年(平成17年)9月に目的地の小惑星「イトカワ」に到着しました。
 そして、その表面を詳しく観測しながら11月26日に「イトカワ」への着陸を行ってサンプル採集を試み、成功しました。

・小惑星「イトカワ」です。(宇宙航空研究開発機構(JAXA)HPより)


しかし、その直後に「はやぶさ」は燃料漏れを起こし、2ヶ月近くにわたって地上との通信ができない状態となりました。
このため予定より2年遅れて「イトカワ」から地球へ戻る旅を開始することになりました。
帰還途中にもトラブルが発生しました。
2009年11月には探査機のイオンエンジンが故障し帰還が心配されましたが、壊れた二つのエンジンの内、生きている部分を組み合わせるという「はなれわざ」によりエンジンを回復させました。
そして2010年6月13日に、7年間、60億㎞の旅を終え、オーストラリアの予定地点の砂漠に無事に帰還し、サンプル容器が収められたカプセルが回収されました。

・地球に帰還した時の映像です。
 探査機本体は大気との摩擦で燃えて消滅しましたが、カプセル(右下前方の光る物体)は予定通りオーストラリアの砂漠に着地しました。
ファイル:Hayabusa atmospheric reentry (close-up).ogv

(参考)
・小惑星「イトカワ」
 小惑星は主に火星と木星の間を回る小さな惑星の仲間ですが、「イトカワ」は地球に近づくという、惑星としては特異な軌道を回っているそうです。
 また、「イトカワ」という名前は日本のロケット開発の父と言われる糸川英夫氏に因んでつけられたそうです。

・展示会場で配布していたパンフレットです。