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ドアの向こう

日々のメモ書き 

野原で

2010-09-13 | 自然や花など

白い水引草

  
  野原に出て坐つてゐると、
  私はあなたを待つてゐる。
  それはさうではないのだが、

    たしかな約束でもしたやうに、
   私はあなたを待つてゐる。
   それはさうではないのだが、

         ……

        

   池のほとりの黄昏は
   手ぶくろ白きひと時なり     

    草を藉(シ)き
    静かにもまた坐るべし

          ……     (草の上 三好達治より抜粋)

         
         -☆-

  

  

   吹き渡る葛の嵐の山幾重    たかし

 葛が生いしげる野原に出た。 いくつもの山が出来ている。 はい上がり生きもののような逞しさで大樹を絡め取っている。 低いところでも花は広葉のかげで衣かづきさながらに、 顔を隠している。  

 幾重にもなる葉をかき分けて、 ようやく紅紫の塔が覗いた。 
 豆の花に似て蝶形の花が下から咲きのぼる。


       いつか葛菓子をいただいた。
  
  ほんのりとした甘さが舌のうえでやさしく溶ける。 
  上品な贈り主を想いだす。

   歩いていると匂いの風が近くなる。  
   あたりにきっと葛がさいている。 また 探してみよう。

 

 

 

コメント (2)
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