退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「劣化が越えさせる『一線』とそれがもたらす現実あるいはキャストの豪華さとは反比例する映画」について

2022-04-10 02:13:25 | Weblog
快晴。さすがに暑い。

本切れで橋本治「思いつきで世界は進む」を再読。

中国もロシアも「さすがにそれは」と思って止めていたものが。
そうではなくなった現実が生まれて。

「人類の劣化」がもたらした結果よ。
わが国では「恥を知るということ」が失われ。

あらゆる「組織」はすでにまともに機能していない。
「全体」を見て判断する「主体」もなくなって。

ここまでして「悲劇の共有」をしないとわからないのだとしたら。
その「意味」は本当にあるのだとして「哀しい」だけ。

本書の帯の裏には「『バカにバカ』って言っても通じないこの国で。」と。
あらゆる場所でこの種のことが起きているのはどうやら確か。

マル激を観る。

今回のゲストは春名幹男。
ロシアをいたずらに追い詰めることでさらなる「危機」が現実になるかもと。

バイデンが「名言を吐きたい男」であったり。
ゼレンスキーのPRが上手すぎることなど。

そうした「権力者たちの思惑」で犠牲になるのは「普通の人々」で。
アメリカの「ロシア蔑視」が実は今回の事態を招いたことを知っておこう。

要はいずれの側も「まともなコミュニケーションが出来ない事実」がここに。
相手の性質を理解した上で「自国の利益」を図る「大人の付き合い」が出来ず。

「土台」を共有した「ゲーム」が出来ないとどうにも。
その結果は「カオス」になるだけ。

長谷部安春「広域暴力 流血の縄張(シマ)」(’69)を観る。

なるほど前年の「縄張(シマ)はもらった」とは大違いな出来。
ここでも「続編の定石=つまらなくなる」が。

とはいえキャストは豪華。
中丸忠雄、名和宏、葉山良二、藤竜也、岡崎二朗の「若手」に加え。

加藤嘉、上田吉次郎、須賀不二男、佐々木孝丸、見明凡太郎のベテラン勢。
ただし姫ゆり子、峯京子だけでは女優陣にはそそられず。

「ロマンポルノ」を思わせる描写も今となっては微妙。
もっと「物語」が魅力的でないと。

「従来のヤクザ」が「古いもの」だとされ「金儲け」に走るのが「物語」の基本。
思えば「倫理」はすでにこの頃から失われたていたのだと思うことしきり。

かの監督はどうやら「血」がお好き。
アキラはここでも「血塗れ」になる。
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「好ましい生き方をしている著者と『リオ』に行ったアキラ映画」について

2022-04-09 02:35:18 | Weblog
晴れ。夜に少し冷えが戻る。

森まゆみ「路上のポルトレ 憶いだす人びと」を読む。

内田魯庵「思い出す人々」に倣った作品。
「ポルトレ(仏)=ポートレイト(英)」で「肖像あるいは人物描写」のこと。

「おわりに」にある著者の言葉が趣き深く。
「わたしはただ、上の世代と下の世代を結ぶ環(リング)に過ぎない」と。

知っている人から知らない人までのあれこれ。
もちろん後者が多く。

「地域雑誌」から「伝記」までという「パワー」よ。
複雑な病を得てからもそれは続き。

この種の「知識」と「生き方」は是非とも受け継がれなければならず。
とりわけ「心ある女子」にお願いしたいところ。

斎藤武市「地球40度線 赤道を駆ける男」(’68)を観る。

「企画」にアキラの名前があるのが珍しく。
「007は二度死ぬ」(’67)(脚本ロアルド・ダール)の丹波哲郎と若林映子が参加。

舞台はリオデジャネイロ。
54年前のカーニバルの姿が描かれるもののボサノバのように「展開」はゆっくり。

当時のリオの雰囲気にスタッフが影響されたのかどうか。
かの監督の演出とは思えないほどスローで。

内田良平、葉山良二、郷鍈治、弘松三郎、金子信雄に内田朝雄。
近藤宏は藤村有弘よろしく「インチキ中国人」を演じ。

マリアのシリア・ポールの国籍はインドでポール聖名子は姉妹らしく。
大瀧詠一の「夢で逢えたら」を歌っていたりもして。

「ブラジル移民」の哀しさもちょいと。
アキラの「いつもとは違う」ギターも忘れずに。

ラストシーンはジュリアン・デュヴィヴィエ「望郷」(’37)の「逆バージョン」。
もっともジャン・ギャバンと比べたら若林映子が可哀想。
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「『水族館』という存在の欠点と長所あるいは『ザ・日活』という映画」について

2022-04-08 02:23:19 | Weblog
晴れ。やや風が吹く。

文・島泰三、写真・阿部雄介「決定版 日本水族館紀行」を見て読む。

思えば「水族館」が「人間の都合」であることは「動物園」に同じ。
ただし「種の保存」に役立っていないわけでもないのも同様に。

主に子どもたちがそこでさまざまな生きものたちを知り。
やがて彼らを「滅ぼすわけにはいかない」と思ってくれれば幸い。

繰り返すが「残念な大人たち」は相変わらず「領土争い」などしていて。
彼らばかりか自らを滅ぼすことにもなりかねない「気候危機」に鈍感で。

本作で気になるのは「名古屋港水族館」の扱い。
なぜかそこだけ著者の文章がなく。

その理由がちょいと気になる次第。
もっとも大したことでなければ「無問題」。

舛田利雄「地獄の破門状」(’69)を観る。

途中で白黒になったりして画像が悪いのが残念。
まあ「パートモノクロ」だと思っておこう。

監督、脚本家、スタッフには悪いが「物語」はどうでもよく。
「日活俳優陣の揃い踏み」が何ともうれしいだけ。

アキラにジョー、高橋英樹、渡哲也に浅丘ルリ子。
おまけに小杉勇と水島道太郎ときてはいやはや。

相変わらずの三条泰子や若き日の「ふっくらした」丘みつ子。
郷鍈治はリアルと同じく「弟」だったり。

深江章喜、弘松三郎、岡崎二朗、榎木兵衛、野呂圭介ら。
それ以外の俳優たちの名前も「お馴染みばかり」で。

アキラが「新内」を歌うのにふむふむ。
やはり「天才」ですな。

助監督に村川透の名前など。
後に松田優作とあれこれ面白い映画を作った人。
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「圧倒的に面白い小説と圧倒的につまらない映画」について

2022-04-07 02:37:24 | Weblog
晴れ。あたたくおだやか。

白井喬二「富士に立つ影2 江戸篇」を読む。

今回は蜀山人太田南畝が登場。
小里とお染の大活躍ぶりよ。

熊木伯典はやや「弱った」感じ。
この「無常」がおそらくは本作のテーマ。

お染の仕掛けた罠がバレるかどうかのサスペンスもあり。
父子が同じ女を好きになるなどというサイドストーリーも。

いやはや満足至極。
刺青に関するあれこれもあったり。

少なくともあと8週間は楽しめる予定。
エンターテインメントここに極まれりといった趣き。

井田探「爆発3秒前」(’67)を観る。

アキラと高橋英樹に加え。
名和宏、内田朝雄、神田隆、北村和夫。

高石かつ枝という「愛染かつら」の主人公の名前の歌手が結構活躍する。
60年代の人気歌手で「可愛い」。

應蘭芳が出演しているのにふむふむ。
もちろん「お色気担当」で見えはしないがアキラの前で裸になる。

残念ながら監督の作品で面白いものは少なく。
ヘリコプターを使った演出も微妙だったり。

「映像によるテンポ」というものが全くわかっていないことを確認する。
シナリオもどうしようもないので俳優陣を楽しむのみ。
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「絵本にあまり接してこなかったことに気付かされる作品とアキラが何とも微妙な映画」について

2022-04-06 02:23:01 | Weblog
晴れ。昼はあたたかいが夜はまだ冷えが残る。

金井美恵子「ページをめくる指」を読む。

そうか絵本かと思った次第。
幼少の砌にはあまり接してこなかったもの。

自分の記憶ではいきなり活字に行ったはず。
もっともそれもあいまいではあり。

あらためて見て読んでもいいと思いつつ。
これまた気分次第でどうなることやら不明。

舛田利雄「血斗」(’67)を観る。

高橋英樹が先走りアキラが始末をつけるのは同年公開の「対決」に同じ。
本作の女優陣は松尾嘉代が参加し前作同様に三條泰子と北林早苗。

若き日の梶芽衣子もちょいと。
おそらくノンクレジットだと思われるが詳細は不明。

安部徹のオヤジに青木義朗、郷鍈治、小高雄二、市川好郎の野獣4兄弟など。
浜田寅彦や深江章喜、高品格も。

本作は物語としてはテンポが緩く。
照明・熊谷秀夫と美術・木村威夫が映像を支えている模様。

このシリーズは「金を優先させるアキラ」が親分の死を見過ごすのがポイント。
キャラクターとして何とも微妙なのだけれど。
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「鞍馬天狗を演じた役者の爽快さと気になる女優あるいは55年前の高橋英樹の魅力」について

2022-04-05 02:29:47 | Weblog
晴れ。予報がはずれる。

竹中労「鞍馬天狗のおじさんは」を久方ぶりに再読。

嵐寛寿郎いわゆるアラカンの姿が何とも粋なこと。
著者も解説の橋本治も今は無く。

「殺陣の本筋」もあらためて。
岸松雄以外の評論家たちから無視された映画の数々よ。

山中貞雄の姿もここに。
かの俳優が優れた監督・脚本家を知っていたことを忘れずに。

当時の映画界の「魑魅魍魎ぶり」も。
現在の「荒涼」を思えばいやはや。

それでも新たな才能が登場し。
「裏取り」の徹底ぶりには頭が下がるのみ。

「スタートレック ピカード シーズン2」の第五話を観る。

監督に「ライカー」のジョナサン・フレイクス。
「データ」のブレント・スパイナーも登場。

繰り返すがアグネスのアリソン・ピルが好ましく。
今回の展開にふむふむ。

舛田利雄「対決」(’67)を観る。

主演はアキラだけれどほぼ高橋英樹の作品。
小吉の三條泰子の婀娜な姿に惚れる。

「悪玉」青木義朗がなかなか。
中谷一郎の兄が泣かせて。

安部徹、玉川伊佐男、葉山良二に加え。
武藤章生が悪くなく若き日の和泉雅子の姿を確認。

美術に木村威夫、色彩計測に後の名キャメラマン前田米造の名前が。
音楽に真鍋理一郎。

落日」の意外な編曲も忘れずに。
不思議な音が混じっていて(たぶん映画オリジナル)。

協賛に「清酒日本盛」など。
「日本盛はよいお酒♪」というCMが懐かしい。
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「あまりな『濃密さ』が人を遠ざけることあるいは『流行』を採り入れると作品は微妙になること」について

2022-04-04 02:04:36 | Weblog
くもり。少しだけパラつく。

橋本治「日本の女帝の物語」を読む。

副題に「あまりにも現代的な古代の六人の女帝たち」。
内容が濃密すぎて読むのに手間取る次第。

新書でこれだけの内容とは。
「権力の日本人」「院政の日本人」を思えばさらに。

この「因数分解ぶり」はたぶん「誰もフォロー出来ない」ほど。
「天才の孤独」があらためて明らかに。

著者はある意味で「マシン」のような。
自分に引っかかったものすべてを「解読」しようとして。

いわゆる「教養」とは無関係に。
ただただ自分がわかることを綴ったのみだけれど。

長谷部安春「爆弾男といわれるあいつ」(’67)を観る。

相当に「工夫」したつもりだろうが「形容詞」は死ぬ。
かの監督にしては「どうしようもない出来」。

「東京ぼん太」を覚えている人がそもそもどれだけいるのだろう。
新山トリロー・ノリローについても同様に。

どうやら「あいつシリーズ」の最終作のよう。
ここでも「順番」を間違えて観た次第。

万里昌代と嘉手納清美はいずれも微妙。
西村晃が「あやしげな魅力」を発揮しているのはさすが。

久方ぶりに青木義朗の姿を確認する。
内田良平、高品格、岡崎二朗は「いつも通り」。

ちょいとだけ顔を見せる藤竜也はいまだ「現役」。
彼に「日活映画のあれこれ」について聞いてみるべきなので誰かお願い。
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「『現代の女性犯罪者』を描いていた古典と『信者』の微妙さあるいは『ダメな映画』から思うこと」について

2022-04-03 02:09:28 | Weblog
晴れ。夜にちょいと降る。

サッカレー「虚栄の市(四)」読了。

ようやくベッキーがメインに。
ドビンとアミーリアを結ぶ彼女はジェスを殺し。

「自分の魅力」に「騙される男」はすべて「客」。
この在り様は現代の「男たちを手玉に取った女性犯罪者」の姿に似て。

おそらく当時の読者たちはその「新しさ」を理解できなかっただろう。
このキャラクターを描いただけで著者は素敵。

要は。
たいていの男は「ウンコ」だということでよろしく。

もっともそうした男たちを好む女たちもいたり。
繰り返すが「お好きにどうぞ」。

マル激を観る。

ゲストはイスラム学者の中田考。
神保哲生や宮台真司が彼を評価する意味がよくわからない。

彼はかつての「オウム真理教」に似て。
言っていることは「まとも」だとして「宗教の信者=狂信者」のはず。

「欧米のダメさ」はわかるとはいえ。
だからといって「正反対」が「正しい」わけでもなく。

宮台真司は「キリスト教」を信じていて。
神保哲生は「民主主義」を信じていたり。

「何も信じられないことが『倫理』」だと思うので余計に「違和感」が募る次第。
賛同できることには応じるけれど今回は何とも微妙。

ピエール・モレル「ライリー・ノース 復讐の女神」(’18)を観る。

「アキラ映画」を休憩したのだけれど。
冒頭から「こりゃダメだ」といいうことがわかる内容。

残念ながら俳優陣には魅力が感じられず。
おまけに「物語の展開」が微妙なのだからいやはや。

本作の出来を思えば「かつてのわが国のプログラムピクチャー」は余程マシで。
「事実」を言っているだけで「ナショナリズム」ではないということを了解していただきたい。

というわけで。
明日はまた「アキラ映画」を追いかけることになりそう。
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「『主人公』が実は『時間』である古典小説とほのかにスペインの香りがするアキラの映画」について

2022-04-02 02:25:36 | Weblog
晴れ。またコートを着ることになる。

サッカレー「虚栄の市(四)」を途中まで読む。

ジェスやふたりの父親の行方にふむふむ。
アミーリアとドビンについても同様に。

ベッキーはまだ「活躍」せず。
なるほど「主人公のいない小説」らしく。

敢えて言えば「時間」が主人公。
あらゆるものが「移り変わる」という事実よ。

明日読了予定。
作者はどう結末を付けるのか楽しみ。

鈴木清順「俺たちの血が許さない」(’64)を観る。

高橋英樹と長谷百合、細川ちか子に小沢栄太郎。
アキラと珍しく色っぽい松原智恵子はフラメンコギターよろしく「情熱的」に。

井上昭文の「昔のヤクザぶり」がなかなか。
弘松三郎、上野山功一、野呂圭介、高品格、冒頭に松尾嘉代など。

夕焼け色の空とモノクロの街並みなど。
少しだけ「監督印」もあり。

何よりラストのアキラの姿が印象的。
背景に「闘牛」がありそう。

高橋英樹が「エネルギーを持て余している」姿は後の「けんかえれじい」(’66)へ。
彼の恋人長谷百合はTV「スチャラカ社員」に出ていて本作が引退作品。

母・細川ちか子の何とも「昔風の顔」が素敵。
成瀬巳喜男「妻は薔薇のやうに」(’35)で若き日の姿を確認しておくべきか。
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「昆虫の飛ぶ姿と『賭博師シリーズ』の終わりあるいは『淡白であること』」について

2022-04-01 02:47:08 | Weblog
くもり。仕事帰りにまた降られる。

三橋淳「昆虫飛形図鑑」を見て読む。

副題に「昆虫食の先生、飛んでる虫に魅せられて」。
よくもまあこんなに珍しい写真をあれこれ撮ったもの。

もっともかの著者は「ゴキブリを飛ばせられなかった」と嘆く次第。
いやはや「好きということの意味」をあらためて。

瓶に入れてそれを傾けるとたいていの虫は飛ぶ模様。
コラムにはいささか複雑な話もあり。

牛原陽一「投げたダイスが明日を呼ぶ」(’64)を観る。

なぜか本作に「ギターを持った渡り鳥」が。
自動車ショー歌」や「グングン節」も。

今回は加藤嘉に加えて横山道代と牧伸二が登場。
郷鍈治、金子信雄、佐野浅夫、深江章喜、木浦祐三、野呂圭介に平田大三郎、江角英明ら。

土地の人々を助けようとするアキラは常に被害を増し女子を悲しませる。
さらなる「殺人」が起きないと事件を解決出来ない探偵に似て。

ここでも「開発」のために「普通の人々」が窮地に。
その種のことは「バブルの頃」にもあったはずで。

「賭博師シリーズ」もこれでひと息つくことになったので。
さらに別のパターンの作品を追いかけることにする。

それとは別に。

長年遊んできたハンゲームがリニューアルし。
いまだにwindows7なPCは弾かれることになり。

そろそろゲームは止めたらという「お達し」だと了解する。
特に困ることもなく。

生来淡白なので「お別れ」にはさして意味を感じず。
「そういうことになったか」と受け止めるのみ。

なるほどこれでは「ご縁」もないという当然。
そういう人だということでよろしく。
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