退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「圧倒的な情報量の凄味を感じさせる本と『哄笑ぶり』が好ましい映画」について

2022-01-27 02:48:32 | Weblog
くもり。夜には晴れる。

橋本治「完本チャンバラ時代劇講座」を4分の3くらい読む。

36年前にこんな凄い本が出ていた模様。
今まで読んでいなかったことが悔やまれる。

もっとも発売当時に読んでいたらその凄味が理解できなかったやもしれず。
この時期に出会うべくして出会ったということで。

「通俗の中に潜む知性」にこれほど敏感だった人もあるまい。
今は「失われたもの」ではあるけれど。

阪東妻三郎、大河内伝次郎、市川右太衛門。
「大菩薩峠」「丹下左膳」「旗本退屈男」の解説が実に愉しく。

「忠臣蔵」のあれこれを詳細に語り。
黒澤明「用心棒」(’61)「椿三十郎」(’62)についても。

さらには「男女の違い」が出て来たりするてんこ盛りぶりたるや。
本書がどう「着地」するかは明日確認する予定。

この「内容の充実ぶり」に対して驚くべきは定価が「2000円」であることだったり。
ちなみに借りてきた本書の状態は「相当にボロボロ」。

しばし「至福の時」を過ごす。
そのせいか目的の駅を乗り過ごしそうになった次第。

ティモ・ヴオレンソラ「アイアン・スカイ」(’12)を観る。

以前からちょいと気になっていた作品だったのだけれど。
「月の裏側に潜んだナチスが地球を攻撃する」という設定はなかなか。

あらゆる角度からの「笑い」にふむふむ。
チャップリンの「独裁者」(’40)が10分に縮められて「理解される」姿よ。

わが国でジョン・フォードの「駅馬車」(’39)が同じことをされた事実を思い出し。
「黒人が白人にされる」などというあたりもいやはや。

いろんな人の「ソックリさん」が出て来るのにもふむふむ。
フィンランド人の監督のセンスを味わおう。

かの国はソ連の侵略を防ぐためにナチスと手を組んだ過去があり。
やがて「ラップランド戦争」で戦うことになるのだけれど。

「ワーグナー」や「神々の黄昏」も登場。
「総統」にウド・キアなど。

「アメリカの女性大統領」が「戦時の大統領は必ず再選される」と言うのも覚えておこう。
ナチスの「宇宙船」が「飛行船ツェッペリン」の姿なのもなかなか。

「哄笑の快作」とでも言ったらいいのか。
ただし観客を選ぶ作品であるのも確か。
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