くもり。一日のうちにスコール二回。
吉川潮「流行歌(はやりうた) 西條八十物語」を読む。
仏文学者にして童謡・流行歌の作詞家でもあった人を
「ゴッドファーザー=名付け親」として持った作者が描いた生涯。
「東京行進曲」「カナリヤ」「肩たたき」「鞠と殿様」「青い山脈」
「蘇州夜曲」「越後獅子の歌」「ゲイシャ・ワルツ」「この世の花」「王将」など。
かつての男は「妻」を「母」にして好きに生きられた模様。
もちろん今でもそういう男はいるのだろうけれど。
経済的に苦境に陥った友人柳沢の愛人である芸者小艶が
「旦那」の困窮を東京芸者の意気地で粋に助けるあたりの描写も素敵。
幼子を亡くしやがて妻にも先立たれる場面では目がうるうる。
個人的には妻も子もないものの。
女優・香川京子と縁があったことは初めて知った。
冒頭に出てくる古川緑波とのことも同様に。
八十をしつこく批判する「悪役」っぽい花村とも後に和解してしまうのだから
いささか「いい人」ばかりの「物語」に感じられるきらいはなくもないが。
何しろ著者の父親は西條八十の妻はるの三味線の師匠という関係で
「尊敬する先生」の後を追うように亡くなってしまうほどだから仕方のないこと。
著者も自覚している「惚れた弱味」がなせる業ということで納得。
あっという間に読めて読後感が爽やかなのはまるで「スコール」。
吉川潮「流行歌(はやりうた) 西條八十物語」を読む。
仏文学者にして童謡・流行歌の作詞家でもあった人を
「ゴッドファーザー=名付け親」として持った作者が描いた生涯。
「東京行進曲」「カナリヤ」「肩たたき」「鞠と殿様」「青い山脈」
「蘇州夜曲」「越後獅子の歌」「ゲイシャ・ワルツ」「この世の花」「王将」など。
かつての男は「妻」を「母」にして好きに生きられた模様。
もちろん今でもそういう男はいるのだろうけれど。
経済的に苦境に陥った友人柳沢の愛人である芸者小艶が
「旦那」の困窮を東京芸者の意気地で粋に助けるあたりの描写も素敵。
幼子を亡くしやがて妻にも先立たれる場面では目がうるうる。
個人的には妻も子もないものの。
女優・香川京子と縁があったことは初めて知った。
冒頭に出てくる古川緑波とのことも同様に。
八十をしつこく批判する「悪役」っぽい花村とも後に和解してしまうのだから
いささか「いい人」ばかりの「物語」に感じられるきらいはなくもないが。
何しろ著者の父親は西條八十の妻はるの三味線の師匠という関係で
「尊敬する先生」の後を追うように亡くなってしまうほどだから仕方のないこと。
著者も自覚している「惚れた弱味」がなせる業ということで納得。
あっという間に読めて読後感が爽やかなのはまるで「スコール」。