前回、市ヶ谷の独演会での志らくさん遅刻事件での、お弟子さんたちの鮮やかなフォローぶりに感心し、ついに一門会に行ってしまいました。
上野広小路亭は、なんと大学生の時に正月バイトした上野風月堂の隣でした。そのころ既にあっただろう古ーい雑居ビル風。30分前に着くと、寒風の中5人ほどが並んでいました。チラシを配ったり、当日券の案内をしているのは、先日市ヶ谷で高座にあがっていたらく次さんでした。そこにあらわれたのはなんと談志師匠!奥様らしき方と一緒にそおっと立っている姿は、傲慢さなどけらもない、謙虚なお姿でした。ちょっと得した気分。さて入場。ビルの入り口でスリッパに履き替え、2階のロッカーに靴を預け、会場は3階。火事になったら逃げられないだろうなあ・・
らく太さんのサイトで予約したものの、実券を持っている人から入場ということでちょっと不安でしたが、無事前から2列目の座椅子をGET.かぶりつきも空いてましたが、2列目で足を投げ出して座ってる人を見て、そちらにしました。こういうとこって、後ろ(といっても狭いのでそこでも十分)の椅子席から埋まるみたいですね。
高座も手を伸ばせば届く近さなので、舞台裏のガサゴソも聞こえます。
トンツクトンツク。。はじまった!
高砂や らく八
壷算 志らら
木乃伊とり 志ら乃
中入り
杯の殿様 志らべ
二十四孝 志らく
開口一番、らく八さんは緊張していっぱいいっぱいな高砂や。
2番手、志ららさんは、一番弟子のこしらさんと「平成立川ボーイス」を結成してオールナイトニッポンのレギュラーを狙っているというマクラから壺算へ。この方ははじめてですが、とっても印象的な、手に汗握る「壺算」でした。目の前ということもあるのかも知れませんが、迫力あったなー
「らく八じゃ、どうなることかと思いましたが、このあとは志ら乃がなんとかしてくれっから。」という言葉どおり、志ら乃さんが出てくるとなんかほっとしました。遅れて入ってきたお客さんにも、「ほら、ここ空いてますから、どうぞ。立ったままじゃ、まだ50分もありますから。」と気を使う志ら乃さん。好青年ですね~「木乃伊とり」も、人物描写がくっきりして、吉原に行ったまま帰ってこない若旦那、おいらん、ミイラとりがミイラになっちゃう番頭さん、棟梁、めしたき、みんな違う人に見えて演劇をみているようでした。
中入後は志らべさんの「杯の殿様」こちらも吉原の噺でしたが、志らのさんの噺に出てきためしたきの権助がちらっとカメオ出演していて客席を沸かせてました。殿様が、「あのおなごはどうじゃ!」といちいち指さす方向に座っていたため、私のことをさしてるわけじゃないのにドキドキしました
おまちかね志らく師匠。昼は逗子でたい平さんとの2人会だったそうで、津波情報でお客さんたちが「高いところに逃げてください」と言われ、2階席に移動してたとか。。ほんとかな~でも、今回は間に合ってよかったです。遅刻事件に関してお弟子さんたちがネタにしないのはさすがですね。志らべさんだけが「今日は師匠、来てますから。」とちらっと言ったくらいでした。
志らく師匠の噺は「二十四孝」あまりにも親不孝な男に、大家さんが唐(もろこし)のいろんな孝行話をして聞かせ、それを男が家に帰ってもっともらしく妻と母にするという、これまた「受け売りの滑稽」噺でした。「てやんでえ!」と、鼻をくいっとさせる江戸っ子のしぐさが師匠、かわいい!