【作】宮藤官九郎 【演出】いのうえひでのり
【音楽】岡崎 司 【振付&ステージング】川崎悦子
(【原作】ウィリアム・シェイクスピア「マクベス」松岡和子翻訳版より)
【CAST】
橋本さとし 濱田めぐみ / 松下優也 山口馬木也 /
猫背 椿 粟根まこと 植本純米
橋本じゅん / 西岡德馬山本カナコ 礒野慎吾 吉田メタル 村木 仁 冠 徹弥 富川一人 小沢道成穴沢裕介 Erica 見目真菜 齋藤志野 鈴木智久 鈴木奈苗
橋本奈美 原 慎一郎 山崎朱菜 山﨑翔太 米花剛史 渡辺翔史
藤家 剛 工藤孝裕 菊地雄人 熊倉 功 あきつ来野良 横田 遼 北川裕貴 紀國谷亮輔
【MUSICIANS】
岡崎 司(guitars) 髙井 寿(guitars) 福井ビン(bass) 松田 翔(drums) 松﨑雄一(keyboards)
【あらすじ】
西暦2218年――。 たくさんの死体、おびただしいゴミ、廃棄物で埋め尽くされた瓦礫の荒野。
長く続いた醜い戦争でほとんどの人間が死んだにもかかわらず、ここでは今もフェンダー国とギブソン国、そして新興勢力のESP国が戦いの火花を散らしていた。
そんな中、ESP国が誇る無敵の将軍・ランダムスターは過酷な戦いを終え、盟友のエクスプローラーと共にESP国のレスポール王の居城、通称“鋼鉄城”に向かっていた。そこにいきなり怪しげな3人の魔女が出現し、将軍に向かってなぜか<マクベス>と呼びかけて「あなたはマホガニーの領主となり、いずれは王になる」と予言めいた言葉を発し、「あなたの知りたいことはすべてこのコンパクトディスクの中にある」と1枚のCDを差し出す。それは、1980年代に活躍したヘビーメタルバンド、“メタルマクベス”のデビューアルバムだった。バンドメンバーの写真をよく見ると、ボーカルの<マクベス>はランダムスターに、<バンクォー>はエクスプローラーに、<マクダフ>は同じくESP軍のグレコにそっくりで、驚くランダムスターたち。
国に戻ってみると、マホガニーの領主は密かに軍を裏切っていたことが発覚したことから処刑され、魔女の予言通りにランダムスターが新たなマホガニーの領主となることが決まっていた。自らの城に帰ったランダムスターは愛する妻に、魔女に予言をされたこと、翌日にはマホガニー城で記念の宴が行われることを告げる。すると彼女は、魔女たちの予言を現実にして王座を奪おう、そのためには宴の夜にレスポール王を暗殺してしまおうと夫をたきつける。
翌日、レスポール王とその息子のレスポールJr.や友人たちを招いて、盛大に宴が催される。深夜、城の一室で就寝中の王のもとへ向かうことに迷いを見せ始める夫に、計画を実行するようにと強くけしかける妻。しかも息子のレスポールJr.が下手人だと疑われるように画策もするが、不穏な空気を感じ取ったグレコはレスポールJr.をなんとか城から逃がす。王殺害に成功し、まんまと権力の座を手にする夫妻。しかし罪の意識に苛まれ、一切眠ることが出来なくなってしまう。
一方の、1980年代の世界では――。
メジャーデビューを果たし<ローズ>という敏腕バンドマネージャーも付いた“メタルマクベス”だったが、徐々にヘビーメタルブームは陰りを見せ始めていく。焦燥にかられた<マクベス>は、結成5年目を迎える頃にはゴシップ的な話題づくりが必要だと思いつめ、常軌を逸した行動に出る。精神を病んでいく<マクベス>と<ローズ>のやりとりは、2218年の世界を生きるランダムスター夫妻の会話へとシンクロしていき、やがて黒い野望に憑りつかれた2人は周囲の人々の運命をも巻き込みながら、破滅への道を疾走し続けるのだった――。
台風12号の影響が心配でしたが、無事豊洲へ。今回は丸い客席のほぼ中央でした。
いや~すごかった~「髑髏城の7人」花鳥風月極のシリーズで、この360℃シアターの生かし方を熟知したスタッフによる、ものすごい舞台でした。もう、スクリーンの使い方が半端ない!客席の私たちは、次から次へとまるでアトラクションのようにお城に吸い込まれ、荒野をバイクで爆走し、ヘビメタの世界に引きずり込まれます。ほんと、ディズニーランドみたい!
青山劇場で観た「メタルマクベス」は本当に衝撃的でしたが、あの驚きに、この劇場使いのミラクルが加わって、もう、これ観ないと損ですよ、みなさん。こんなの他のどこでも見られやしませんから。ランダム・スター役、橋本さとしさん、かっこいい!登場シーンで拍手がおきてました日本人離れしたスタイルに高い鼻。何より新感線は古巣ゆえ、ぶっとんだギャグもすんなり。歌声もさすがです。バルジャン経験者だしね。今までみたさとしさんの舞台の中で一番かっこいいです
マクベス夫人(ランダムスター夫人というべきか)、濱田めぐみさんですからね。新感線のちょっとアレなギャグもなんのその。初演の松たか子さんにも負けてない存在感とキュートさ!
登場シーンから、「この人、出ただけでミュージカルレベルがあがる!」というセリフに、客席一同 同感! 西岡徳馬さんはどこから見ても王でした。
そして、舞台では初めて拝見した松下優也さんすごい!朝ドラで注目してはいたものの、こんなに歌って踊れる方とは!レスポールJr.は、森山未来くんのイメージですから、ちょいと心配してましたが、なんのなんの。すごいオーラ持った方でした。カルメン観に行けばよかった~ 殺陣の迫力も半端なかったです。
なにせクドカン作品なので、そこここにお遊びがいっぱい。豊洲ネタもいっぱい1980年代のバンド場面にアルフィー坂崎さんのそっくりさんが激似で、本物と、何度もオペラで確認してしまいましたちなみに黒メガネの桜井さんは、原慎一郎さん(今回はちょい役多数でした)
ラストはすごいですよ~次第に西暦2218年と1980年代がごちゃごちゃに重なり合い、ラストはもうものすごい轟音と光の渦。。
所詮小さい人間が大きな野望を持ち、悲劇に向かって転がり落ちる。。。身の丈に見合った生活って大事かも。あ、そういえば、シェイクスピア「マクベス」のラストを飾るバーナムの森って出てこなかったな。近未来作品「メタルマクベス」なんでした。