pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

アリージャンス~忠誠@東京国際フォーラム1階後方下手

2021-03-28 21:43:52 | 観劇/コンサート

脚本:マーク・アサイト、ジェイ・クオ、ロレンゾ・シオン
作詞・作曲:ジェイ・クオ
演出:スタフォード・アリマ
共同演出:豊田めぐみ
上演台本・訳詞:高橋知伽江
翻訳:渋谷真紀子

<出演>
濱田めぐみ
海宝直人
中河内雅貴
小南満佑子

上條恒彦/今井朋彦/渡辺 徹

照井裕隆/西野 誠/松原剛志/俵 和也/
村井成仁/大音智海/常川藍里/
河合篤子/彩橋みゆ/小島亜莉沙/石井亜早実/高橋莉瑚

<あらすじ>
日系キムラ一家のカイト“おじいちゃん”(上條)、タツオ(渡辺)、ケイ(濱田)、サミー(海宝)はカリフォルニア州サリナスで暮らしていた。
真珠湾攻撃が勃発後、日本人を祖先に持つというだけで、キムラ家や日系人たちは自宅から強制的に追い出され、収容所へ移送されてしまう。
収容所での厳しい環境の中でも希望を失わず暮らしていた彼らにある日、アメリカへの忠誠を問う忠誠登録質問票が配布された。
父タツオは不当な強制収容に抵抗し、アメリカへの忠誠を問う質問にNoを貫く。
姉のケイは収容所で出会ったフランキー・スズキ(中河内)とともに、強制収容と徴兵の不当性を訴え、日系人の人権を求める運動に参加する。
一方、弟のサミーは、他のアメリカ人と同じであること=国家への忠誠を示すことで父をはじめとする日系人を自由にしようと、家族の反対を跳ね除けて戦場へ赴く―


まだコロナはこわいけれど、この作品はぜひ!ということで、久しぶりに娘たちと観劇。

労働力としてアメリカに渡り、必死で働き、苦労してこの国に根をおろした日系一世、二世たち。その生活が日米開戦によって根底から覆されてしまう悲劇。

亡くなった義父はまさに日系二世で、開戦前に日本に留学していたために大変な苦労をしました。義父の兄姉はアメリカに残って暮らしていたので、おそらくはこの作品のように強制収容されていたのだと思います。

アメリカで生まれ、肌の色や瞳の色は違えどアメリカ人として生きてきたのに、ある日突然否定される人々。忠誠を証明するために命をかけて敵国と戦うことを余儀なくされた人々。

エピソードの中心となるキムラ家の人々もまた時代に翻弄され、ひとつずつひとつずつ大切なものを捨て、命を削っていきます。それでも懸命に生きて、家族の絆を確かめてゆく。父に自分を認めて欲しくて必死に戦うサミーや、家族を心から愛する姉や父、祖父の姿に胸がいっぱいになりました。

朝ドラ「エール」でヒロインの音楽学校のライバルだった小南さんが、サミーを慕う看護婦さんとして光ってました。アンサンブルも粒ぞろいの方々ばかりで、辛い収容所生活の中でもひとときパーティーなどを楽しむシーンのダンスが素晴らしかったです。

そして、なんといってもサミーの姉、濱田めぐみさんの歌声に圧倒されまくりでした。

忘れちゃいけない海宝くん!深くてのびやかな歌声!バルジャン&ジャベールを演じる日も近いのでは⁉️と思わされる堂々たる座長でした!

感動のあとは、東京會舘ロッシーニで娘たちとお茶☕️

絶品マロンシャンテリーと大人のパフェ、久しぶりにおいしいもの食べて、幸せなひとときでした💕

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くまちゃん/角田光代

2021-03-15 22:15:10 | 私の本棚

角田光代さんの源氏物語を読みたくて図書館に探しに行きました。

人気作品なので当然棚にはなく予約となったのですが、ふとこの本に呼ばれた感じがして手に取りました。

タイトルの「くまちゃん」は、お花見に紛れ込んで飲み食いしていた くまちゃん模様のTシャツを着た男の子との恋と別れ。収録された7つの短編は、オムニバスの形をとり、どれもほろ苦い ふられ話ばかり

でも、振られた側の辛い話ばかりではなく、振った側の真実や次なる恋、別れ、再びの出会いなども丁寧に描かれていて、久しぶりのイッキ読みしました。

あこがれまくっていた人と運良く恋人同士になっても、生活を共にするうちに、自分を失くしているような気持ちを持ってしまったり、価値観の違いに愕然としたり。

「恋」に焦がれ、浮かれているうちには見えなかったいろいろなことが目の前に迫ってくる。熱情だけではやっていけないことに少しずつ少しずつ、確実に気づいていく。そして、だんだん振り回されている自分を俯瞰できるようになって愕然とするおー 懐かしいやらうらやましいやら気の毒やら。

もっとたくさん恋愛してから結婚すりゃよかったと思ったり、これで上々だと思ったり、今となっては流れ行く日々を喧嘩しながら泳いでゆくだけの毎日ですが、時々こうして胸キュンな話にのめり込むのも楽しいものです

角田光代、おそるべし。次は源氏物語読破に挑戦したいです。超長編だから、やっぱり買っておこうかな。

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ほんとうのハウンド警部@シアターコクーン1階J列上手

2021-03-05 21:23:58 | 観劇/コンサート

作: トム・ストッパード
翻訳:徐賀世子
演出:小川絵梨子
出演:生田斗真 吉原光夫 趣里 池谷のぶえ 鈴木浩介 峯村リエ 山崎一

<あらすじ>
若き舞台評論家ムーン(生田斗真)は、万年二番手の地位に悶々としている。今日もメイン評論家に代わり観劇にやって来た。そこで出くわした他社のベテラン評論家バードブート(吉原光夫)は、どうやらこの芝居に出演中の若手女優に入れ込んでいるらしい。それぞれの思惑と欲望が渦巻く中、とある別荘を舞台にしたミステリー劇の幕が上がる。やがて、誰もいない舞台上で思いがけない出来事が……。これは現実なのか? 虚構の芝居の話なのか?


予習は十分なはずだけど、本当に一度の観劇で理解できるかな?と、わくわく半分どきどき半分でコクーンへ。開場は開演の45分前だったので、早めに劇場に入ってプログラムを熟読。役者さんたちがすごく楽しんでこの舞台と向き合っていることがひしひしと伝わってきました。

そして開演!おお!なにこれ、面白い!

平面で読み込んだ脚本が、まるで折り紙が折りあがるように立ち上がり、手練れの役者さんが生き生きとその世界を遊んでる!もう、ほんとに楽しい!そして面白い!吉原さんも生田くんも、ものすごい量の台詞を流れるように発して、すっかり劇評家。吉原さんはバルジャンでも馬具職人でもない、ちょっと好色な普通のおじさんを楽しそうに演じています。山崎一さんや鈴木浩介さんも、くっきりした演技がものすごくわかりやすくて、安心してその世界に連れていってくれます。

そして出色は女性陣もう、趣里ちゃんも池谷さんも峯村さんも面白すぎこの舞台を「演劇モンスター集合」と書いているメディアもあったようですが、本当にそうです。

劇中劇を観ている劇評家を観ている私たちという不思議な感覚を持ちます。戯曲で読んで???と思ったことが、実際に板の上で役者さんがしゃべると、あーそういうことだったんだ!と、すんなり理解させられてしまう不思議。そりゃもう、快感ですだから観劇はやめられない!コロナ怖いけど、マスク三重にして、手袋して、あちこちでアルコール消毒して、電車の中でもどこにも触れないように頑張る。そこまでしてもこんなわくわくできる時間がもてるんなら苦にならないですバカと呼んでください

75分、みっちり楽しませてもらいました。この演出ならすごくわかりやすいので、予習いらなかったかな?と思ったりして。でも、無駄ではなかったかな。これからいらっしゃるみなさんは、最初の頃のムーンとバードブートの会話をよ~く頭に入れておくといいですよ

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なるほど。「ほんとうのハウンド警部」予習の巻

2021-03-02 16:58:45 | 観劇/コンサート

シスカンパニーの先行をうっかり見逃し、ほかでの先行も落ちてあきらめていた「ほんとうのハウンド警部」ですが、奇跡的にGETしました❗️(正規ルートです。)

吉原光男さんの朝イチでも舞台稽古の様子が流れましたが、探偵物かと思ったら劇評家の話らしく、どうも難解そう。何せチケットは一回分しかないので、???のまま帰るのはくやしい。

と、いうことでネットでいろいろ探してみましたが、原作の情報がほんとにない。ようやく見つけたのが某大学院の博士論文と、廃刊の白水社刊 現代世界演劇7不条理劇。

脚本としては短いのですが、これがなかなかわかりにくい三回読んで、ようやく人物整理ができました。その後、博士論文の方を読んでみましたが、物語の核心にかかわる人物の名前が違う⁉️なして⁉️

ここで頭は大混乱。もしかして、どっちかがファーストネームか?と思い、検索してみましたが出てこない。なんでよ~

しかし、ここであきらめては女がすたる。念のため、英文の原題で検索したところ、わかりました!ストッパード氏、初期の戯曲で使ったその人物の名前を変えていました!あースッキリした‼️これで今夜はゆっくり眠れます。そんなことって、あるのね。。。

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