pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

小林一茶@紀伊国屋ホールP列上手

2015-04-25 21:26:44 | 観劇/コンサート

作:井上ひさし
演出:鵜山仁

<キャスト>
和田正人 石井一孝 久保酎吉 石田圭祐
小嶋尚樹 大原康裕 小椋 毅 植田真介
川辺邦弘 松角洋平 一色洋平 荘田由紀


 江戸の三大俳諧師の一人と称される夏目成美こと、蔵前札差井筒屋八郎右衛門の寮から
四百八十両の大金が盗まれた。
容疑者は食い詰め者の俳諧師、小林一茶。
蔵前札差会所見廻同心見習いの五十嵐俊介は、お吟味芝居を仕立て、自身が一茶を演じながら、
彼をよく知る元鳥越町の住人たちの証言をつなぎ合わせていく。
そこに浮かび上がってきたのは、俳諧を究めようともがき、一人の女性を命懸けで奪い合った一茶と
宿敵・竹里の壮絶な生き様と事件の真相だった...。 


ま~た間違えてサザンシアターに行ってしまうところでした。。しかも、開演時間を1時間早目に勘違いまあ、早目だったんでゆっくり本や文房具ながめられてよかったんですけど

今回のお目当ては、10年前(か!)に北村有起哉さんが演じた小林一茶を、あの「ごちそうさん」の源ちゃん、和田正人さんが演じること。D-BOYSの方だったんですね。

いや、面白かったです。劇中劇の構成になっていて1幕は説明が多く、ちょっと意識が飛びそうになりましたが、2幕はぐっとよくなり、ひきつけられました。一茶と言えば、素朴な俳人というイメージが強いですが、なかなかの野心家。石井一孝さん演じる竹里は、一茶を俳句に導いた恩人ですが、たちまちライバルになり、やがて追い抜かれる。その間の二人の裏切り裏切られるさまが結構壮絶。

劇中劇は、実は町内の人々と一茶のパトロンが、お金もうけのために仕組んだこと。一見善良な町人と見えた人々が、金ほしさに嘘をついて一茶を落とし入れようと画策します。善良そうに見える人々の裏に潜むいやらしさ、狡猾さ。「和を持って尊しとなす」が、たちまちなれ合いと排他精神で淀んでいく。どきりとさせられる場面です。

最後に一茶や竹里に逃げられたと見るや、さっさと次の獲物を探そうとする姿に、恐ろしさを感じました。

石井さんの町人姿は初めて見ましたが、濃ゆい彫りの深いお顔にヅラが意外とよくお似合い。滑舌も良く、こまつ座舞台にも全く違和感がありませんでした。和田正人さんも、こまつ座常連の役者さんたちの中で熱い演技でした。荘田さんは鳳蘭さんのお嬢さんですが、捨て身の演技(色っぽい場面もあり)で好感が持てました。

こまつ座は、このあと「戯作者銘々伝」「父と暮らせば」「国語元年」など、ラインナップすごいです。がんばれ私

 

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

デスノートThe Musical(柿澤キラver.)@日生劇場GC B列最下手(舳先席)

2015-04-24 23:00:00 | 観劇/コンサート

    

夜神月・・・柿澤勇人

どうしても柿澤くんのキラが観たくなり、金曜ソワレ再び日生へ。まさかのGC下手舳先席先日と真逆のお席でした。そんなこともあるのね

今回は2回目だったので、ちょっと余裕がありました。オーヴァーチュアが始まり、オケピの上部、スポットライトに照らされた赤いリンゴを見ていると・・ん?なんか下の方でヤマアラシ頭が動いてる!なんとなんと、オケピの中、指揮者の塩田さんの隣で、リュークがノリノリでリズムをとってる!これは下手の上部からしか見えません!なんか得した気分そしてオケピから舞台へ長い爪の指を伸ばしてリンゴを掴み、リューク登場!このシーン、わがまま言えば正面から観てみたかったかも。

お待ちかねの柿澤ライト(キラ)くんは、浦井くんとは対照的。

あくまで主観ですが、浦井キラは本当に心優しく、正義感が強い。デスノートの力に怯えおののく弱い心に死神がつけこんで「新世界の神」に仕立て上げた感じ。

柿澤キラは、優秀で正義感が強いのは同じだけれど、もともと自分の中にあったブラックな部分が死神の誘惑、挑発によってどんどん膨らみ、傲慢さを増して自分を「新世界の神」と勘違いしていく感じ。

私は、ストーリーになじめなくて「スリル・ミー」を観ていませんが、そちらも観ている友人は、2つの作品の柿澤くんには共通点があると話していました。

ミサミサのことも、本当はたいして興味ないのに、「死神の目」を利用するために自分に惹きつけようとしてるのがみえみえ。

その勘違い感(自分は新世界の神なのだ!という)が半端ないため、最後にあっさり死神の気まぐれに命を奪われるブザマさ、発狂寸前の混乱が際立っていました。

カーテンコールでも、なかなかキラからカッキーに戻れないほどの熱演っぷりでした。

そしてそして、やっぱり吉田剛太郎おそるべし。。。おちゃめバージョンの時には鹿賀さんをちらっと見て「かっこいいなあ・・」とつぶやいたり、わざと棒読みにしたりしてさんざん遊んだ挙句、最後にキラの正念場であっさり「もう飽きた」と冷たく言い放ち何のためらいもなくバッサリなリュークの表情には鳥肌がたちました。ひとりで全部かっさらい、劇場を支配するそのオーラこれからもますます期待します!

そうそう、この前は気がつきませんでしたが、レムは砂となってミサミサの指からこぼれ落ちるのですね。なんとせつない

再演があったら、今度は正面から観ます

 

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

デスノートThe Musical(浦井キラver.)@日生劇場GC A列最上手(舳先席)

2015-04-19 20:23:28 | 観劇/コンサート
    
 
音楽:フランク・ワイルドホーン    
演出:栗山民也
出演:浦井健治、小池徹平、濱田めぐみ
    鹿賀丈史、吉田鋼太郎、唯月ふうか ほか

【あらすじ】

「このノートに名前を書かれた人間は死ぬ」。死神リュークが落とした『デスノート』を拾ったのは、成績優秀な高校生・夜神月(やがみらいと)であった。半信半疑ながらおそる恐るそのノートを使った月は、実際に人の死を目の当たりにし、恐怖を覚える。しかし、自分が理想とする社会を作るため、デスノートを使って凶悪犯を粛清していく決心を固める。一方、犯罪者が次々と死んでいく不可解な事件を解決するため、世界の迷宮入り事件を解決してきた「L」(える)という謎の人物が動き出す。TVを通じ、「犯人を絶対に捕まえる」と宣言したL。そして、その挑戦を受けた月。ここから二人の壮絶な戦いが始まっていく・・・。


1.このノートに名前を書かれた人間は死ぬ。
2.書く人物の顔が頭に入っていないと効果はない。 ゆえに同姓同名の人物に一遍に効果は得られない。
3.名前の後に人間界単位で40秒以内に死因を書くと、その通りになる。
4.死因を書かなければ全てが心臓麻痺となる。
5.死因を書くとさらに6分40秒、詳しい死の状況を記載する時間が与えられる。
6.このノートは人間界の地に着いた時点から人間界の物となる。
7.このノートを使った人間は天国にも地獄にも行けない。


行けない、行かない、行けるかな?行かないのお?行っちゃおうかな?行ける!行こう!!という変則7段活用により、行けないはずのデスノートThe Musucalに行ってまいりました。決断は朝10時、見るのはマチネ。東京に住んでて良かったと実感しましたお席は、初めて座る馬蹄形のように配置されているGC席の突端。舞台前から4列目くらいの感じです。ここに座るの夢でしたオペラ座の怪人でラウルが定席にしているボックス席みたいな感じ。

浦井くんも剛太郎さんも濱田めぐみさんも鹿賀さんも出て、音楽もワイルドホーン、演出は栗山さんという鉄板なのに、何故チケットをとっておかなかったのかというと、やはり原作の漫画と藤原竜也+松山ケンイチくんの映画の印象を壊したくなかったから。舞台にするなら、私の妄想ではミュージカルにするならリュークは新納慎也さんか吉野圭吾さんだろう・・・エルは・・・わからないけど小池くんじゃないよね・・・という思いにとらわれていたからなんです。

でもでも、ここ数日、ミュージカルにはちょっとウルサイ友人知人、観劇ブログの常連さんたちが「凄くよかった!」と絶賛しているのを聞き、悪友の「ほんとに行かなくていいの?」という悪魔もとい、天使のささやきに導かれて日生へ。おお!満員御礼だ!

いや~驚きました!何がって、吉田剛太郎さんの自由自在(この言葉以外みつかりません)、小池徹平くんの持前の甘い雰囲気を少しも感じさせずエルになりきった役者根性、漫画の世界を本格的ミュージカルに仕上げてしまったワイルド・ホーンさんと演出の栗山民也さんに。

あの原作を短くまとめているので、ミサミサのストーカー話とかはさらっとしか触れてなかったり、FBI殺しのエピソードも超スピードだったり、総一郎パパの最大の見せ場であるテレビ局に装甲車のシーンがなかったり、キラの最期が変わっていたりと、原作のディープなファンには不満もあろうかと思いますが、私は十分満足でした。

なんたって、吉田剛太郎リューク+浦井キラの黒トート風チーム、濱田めぐみレム+唯月ふうかミサミサの白トート風チームが結構うっとりするほど素敵で、エリザベート「闇が広がる」のマイヤーリンクのルドルフが黄泉の帝王トート閣下に翻弄されるシーンを1粒で2度おいしい感じで楽しめるのが嬉しいです(エリザベートファンにはわかるけど、わかんない方々ごめんなさい)唯月さんがしっかり歌える方で嬉しかったです。あのポジションが強いアニメ風だと、変な作品になりそうな気がします。浦井くんキラと小池エルの話題のテニス対決もなかなか力強くて良かったです。ミュージカル・テニスの王子様ってあんな感じでやるのかな意外に思い切り振ってましたよ、ふたりとも。コートでふざけるリュークにあたらないかとハラハラ。小池くんは普段もテニスしてるような気がします。浦井くんは・・どうなんだろ?

しっかし・・・吉田剛太郎おそるべし。。これからミュージカル界にもどしどし進出できると確信しました。マントさばきはさすがシェイクスピア役者。かっこよすぎ。そしてそして、ちょっと心配だった鹿賀丈史さんが実に素敵な夜神総一郎氏を完璧に演じられたことに感動しました。暴走した最愛の息子を見つめ、微動だにしない父の姿に涙。そうそう、キラに立ち向かう刑事たちの心情も丁寧に描かれていて、そこでもうるっときた私でした。

2幕最初のアンサンブルの曲は、ジキル&ハイドの「事件、事件!」を思わせる、心をざわつかせる楽曲で、鳥肌たちました。ワイルド・ホーン氏の真骨頂ですね。そして浦井君。前半の優等生顔から、次第に自分が拾い上げてしまったとてつもない力に驚き、溺れ、奢り高ぶり、自分を神のように勘違いしてやがて破滅する様を見事な流れで表現していました。高音はもとより、低音がすごく響くようになったな~と思いました。

本当は柿澤キラも観たいんですけど、がまんがまん!・・・・できるかな

 

 

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マジック・イン・ムーンライト@ユナイテッドシネマ

2015-04-18 23:49:52 | 映画/DVD

監督 ウディ・アレン

出演 
エマ・ストーン
コリン・ファース
マーシャ・ゲイ・ハーデン
ハミッシュ・リンクレイター
ジャッキー・ウィーヴァー

あらすじ
 超絶に頭が固くて皮肉屋のイギリス人、スタンリー(コリン・ファース)。彼は中国人に扮装し、華麗なイリュージョンでステージを毎晩のように拍手喝采で埋め尽くす天才マジシャン。そんなスタンリーが友人からある依頼を受ける。とある大富豪が入れあげているアメリカ人の占い師ソフィ(エマ・ストーン)の真偽のほどを見抜いて欲しいというものだった。彼は天才マジシャンの名にかけてと鼻息荒く、大富豪の豪邸へ乗り込んでいく。
だが、退治したアメリカ人占い師は若くてとても美しい女性で、笑顔も抜群にチャーミング。しかもいきなり、”あなたには東洋のイメージが浮かぶ”とスタンリーを驚かせる透視能力を見せつける。超常的な現象を全て真っ向から否定してきたスタンリーは、その人生観をひっくり返され、さらにはソフィにあっという間に魅了されてしまう。ソフィの方も、紳士的なスタンリーに徐々に惹かれて行く。
しかし素直に想いを打ち明けられない2人・・・。やきもきしている間に、2人の関係に大波乱が訪れるのだった。悲観主義者のマジシャンと楽天主義者の占い師、この2人のぐっちゃぐちゃにもつれまくった関係を、解きほぐす魔法とトリックは存在するのだろうか・・・?


4月は無茶な(ある意味では画期的な)人事異動のとばっちりで目が回るほど忙しく、チケットとりながら行かれなかった舞台もあり、ぐったりしてブログ更新もままならず・・・な日々でした。

今日はいきなりの予定変更でポッカリ。でも、お天気も良く夫も留守なのでせっかく出かける仕度したし・・と、映画館に走って行っちゃいました~

ウディ・アレン作品はたくさん観たわけではありませんが、ミッドナイト・イン・パリの印象が素晴らしく、あの英国王のスピーチのコリン・ファースさんがマジシャンということで、迷わずこの作品にしました。

大正解!おしゃれで小粋で、おじさんたちに夢を与える素敵な映画

占い師、というより霊能者(?)なソフィを最初は頭から疑い、否定しながらも次第に魅かれ、翻弄され、自分の守ってきた哲学まで曲げそうになるスタンリーが超チャーミング降霊会で亡き夫に生前浮気したのかどうか、愛してたのは自分だけなのかどうか聞いちゃう老夫人も超かわいいそんなの聞いてどうすんだとツッコむなかれ。そこが女心というものなんでしょう。

スタンリーを息子のように思うプロヴァンスの貴婦人である伯母さんが素敵彼の本当の気持ちを引き出していく様子、心を解きほぐす様にくすっと笑えます。

でも、そこは一筋縄ではいかない理論派のスタンリー。神に祈っている最中に、事のからくりにはっと気づきます。でも、その時にはもう遅く・・・・

いろんなところに仕掛けがあり、最後の大事なシーンでは思わず「あ~なんて素敵」と思わせられます

もう一度みたいかも。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

正しい教室@PARCO劇場Z列(3列目)センター

2015-04-04 23:15:41 | 観劇/コンサート

<スタッフ>
作・演出:蓬莱竜太

<キャスト>
井上芳雄 鈴木砂羽 前田亜季 高橋努 岩瀬亮 有川マコト 小島聖/近藤正臣

<あらすじ>
 同窓会を舞台に複雑に絡まる人間関係、
次々と暴かれていく過去の事実・・・
「正しい」のは誰か、何が「正しい」のか、
今過去の清算が始まる・・・!(公式HP)


地方都市で教師になった菊池くん(井上芳雄)が中心となって開かれた教室での同窓会。そこに誘ったはずのない元体育教師が荒んだ姿であらわれます。

卒業し、大人になったクラスメイトたちですが、それぞれに問題を抱えています。なかでも、息子を失った女性は、ある狙いを持ってこの場にやってきます。

教師の言葉、態度、生徒に向かう姿勢。この作品を見て、教師はやっぱりちゃんとした大人であってほしいなあと思いました。教師のささいな一言が子どもを奮起させることも絶望させることもある。教師からの仕打ちが一生のトラウマになることも、将来の設計図を大きく変えてしまうこともある。

同窓会にあつまったメンバーは当時の校外学習である企てをし、近藤正臣さん演じる体育教師に致命的な打撃を与えます。そのことがずっと尾を引き、澱のように心の底にたまっている。だから人生がうまくいかない、あいつのせいだと、みんなが責任を誰かに押し付ける。自分の不幸はあの時の誰かのせい。にこやかに昔を懐かしんでいるように見えるクラスメイトたちの間にもある微妙な空気。。様々な思惑。疑心暗鬼、暴かれていく真実。

。。。。あったかもしれない。特に若い頃の同窓会には。今はもうそんなの超えちゃってると思うけど。

一見順風満帆の人気教師に見える井上芳雄先生、もとい、菊池先生も自分に教師以上の感情を持ってしまった生徒の暴走に悩まされている。でも、嫌っていた元恩師に自分の怒りや混乱を「あんたのせいだ」とぶつけた後、「牙をむいて向かってくる子どもよりも、平静を装っている子どもの中にこそ深い悩みや問題を抱え、表に出せない者がいるかもしれないことに気づけ」と指摘され、はっとする瞬間が心に残りました。

井上くんは全然歌いませんが、やはり佇まいが美しく、心に闇を抱えながら表面的には好青年というなかなか大変な役をこなしていました。口から出る言葉と本当の感情は違うのでは?と思わせる目の演技にドキっとさせられます。井上芳雄、恐るべし。

若いメンバーの中にとんでもない姿で現れる老教師、近藤正臣氏の存在感が半端なかったです。NHKの朝ドラ「ごちそうさん」でも見せた、一筋縄ではいかない老人。ただのおじいいちゃんではない老人。昔、私の母校にいたな。男女別の授業だったので私は直接指導を受けていませんが、男子の皆さんは柔道で使った腐ったような畳を担いでめちゃくちゃ広い校庭を走らされていたなあ。。。。あれを見た時には、つくづく女の子に生まれてよかったと思ったものです

 

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする