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pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

みんな鳥になって@世田谷パブリックシアター1階L列上手

2025-07-09 20:51:01 | 観劇/コンサート

作|ワジディ・ムワワド
翻訳|藤井慎太郎
演出|上村聡史
 
出演|中島裕翔、岡本健一、岡本玲、那須佐代子
    渡邊真砂珠、伊達暁、相島一之、麻実れい
あらすじ
ニューヨークの図書館。ベルリン出身で遺伝学・統計学を学ぶ青年エイタンは、イスラム史を学ぶワヒダに一目惚れして声をかけてしまう。二人は瞬く間に恋に落ちた。
ユダヤ人のエイタンは、アラブ人のワヒダとの婚姻を認めてもらうため、両親を呼び「過越祭」の食事をともにするが、敬虔なユダヤ教徒の父ダヴィッドは交際を認めようとしてくれない。
過剰なまでにワヒダを拒絶する父ダヴィッドの出生に疑念を抱いたエイタンは、ワヒダとともに祖母レアの住むイスラエルへと向かいそのルーツを解き明かそうとする。だが二人は、爆弾テロに巻き込まれてしまう。病院に運ばれたエイタンのもとに、父ダヴィッドと祖父エトガールが駆けつけてくる。二人は久しぶりに母であり妻であるレアと再会を果たすことになるのだが…。


いや、重い舞台でした。麻実れいさん、中島裕翔さんに惹かれてチケットとりましたが、ここまですごい内容とは。現在のパレスチナ問題を正面から扱っている感じがして、鳥肌がたちました。

コロンビア大で学ぶエイタンとワイダが図書館で出会い、ほとんど一目ぼれする胸キュンなプロローグから一転、ワヒダの出自をめぐり物語はドロドロに。そして爆弾テロに巻き込まれ生死をさまようエイタン。。さらにエイタン父の出生の秘密がからみ、アイデンティティー崩壊の嵐・・・まさに嵐のような物語でした。気が遠くなるほどに果てしなく根の深いこの紛争によって、恋人同士が、親子が、心も体も引き裂かれズタズタにされてゆく様を3時間息もつかずに観てしまいました。夫の出自を義父によって明かされた妻、那須佐代子さんの慟哭に圧倒され、息子の秘密を飲み込み、隠し通してきた父の感情の爆発に圧倒され、恋人が自分の本当の姿を見つけ、離れていくことを呆然と見つめるしかなかったエイタンに涙。この恋がなければこの家族の秘密が暴かれることはなかったのか、いや、暴かれることは必然だったのか。。重い秘密を抱えて生きてきた祖母、麻実れいさんの存在感にも物凄いものがありました。全てを失い、崩壊寸前になりながらも力強く立ち上がろうとするエイタン、中島裕翔さんの姿が焼き付いています。

中島さんファンで何度もこの舞台を見に来ているらしいコアなファンの方々が大勢いらっしゃいました。(私のお隣は、飲酒しながらギョーザを召し上がったとおぼしきおじ様で、その強烈な匂いといったら・・・長い観劇歴の中でも初めての苦行でしたなんかの罰ゲームか)

 

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劇団☆新感線45周年興行・初夏公演 いのうえ歌舞伎【譚】 Retrospective紅鬼物語@シアターH 2階F列センター

2025-07-01 22:58:55 | 観劇/コンサート

出演
作:青木豪
演出:いのうえひでのり

<出演>
柚香光 早乙女友貴 喜矢武豊 一ノ瀬颯 樋口日奈 粟根まこと
千葉哲也 鈴木拡樹 ほか

あらすじ

昔々、そのまた昔。都には鬼が現れ、人々を襲っていた。

貴族である 源蒼 <みなもとのあお >(鈴木拡樹)の家臣、 坂上金之助 (喜矢武豊)も鬼に襲われるが、反撃して片腕を斬り落とすと、鬼は捨て台詞を吐いて飛び去った。

これを蒼に報せると、それを聞いた同じく家臣の 碓井四万 (千葉哲也)は、蒼の奥方が神隠しに遭ったのも、鬼の仕業ではないかと言い出した。
10年前のある朝、奥方の 紅子 (柚香光)と娘の 藤 (樋口日奈)は忽然と姿を消した。庭には鬼らしき足跡が一対、残されていたという。
それから紅子たちの行方は杳として知れない。

それでも「紅子と藤は生きている」と信じる蒼は、鬼の根城を探し出し、二人を取り戻そうと心に決めて、金之助、四万、そして 桃千代 (一ノ瀬颯)らと陰陽師の阿部辺丁迷(あべべていめい)のもとへ。だが、そこに金之助を襲った鬼の 栃ノ木 (早乙女友貴)がやってきて、桃千代を連れ去ってしまう。栃ノ木を追いかけ、蒼たちはシノナシ国へ向かった。

その頃、紅子と藤、紅子の両親は、シノナシ国の小さな村に身を寄せていた。紅子と藤の舞の見事さに村長の 八十八 (粟根まこと)は感心するばかり。そして八十八に尋ねられた紅子は、村を訪れた経緯を語り始めるが……。

ともに生きるか、ともに死ぬか――。
血の宿命に引き裂かれた二人の、哀しきお伽噺


はじめての大井競馬場前駅。東京モノレールを降りた途端、えもいわれぬ獣の香り・・・なにこれと、しばしびっくり。そうですよね。競馬場前だものお馬さんいっぱいいるわけですよね

そしてモノレールゆえ、地上に降りるまでちょっと複雑なルートですが、いかにも観劇慣れしていそうなおばさまの後をついて行ったら、ところどころにあるエレベーターうまーくを乗り継いでスムースに劇場に着くことができました。

なんか、とってもシンプルな造り。エントランスのスペースも狭く、軒もあまりないので、炎天下で日傘をさして並ぶ方が多いとなんだか窮屈な感じ。最近の新しい劇場って、おしゃれだけど無駄がなさすぎな感じ。。

元宝塚花組トップの柚香光さんの退団後の第一作目ということで、いかにもヅカファンといった方々多し。入場の列でもそんな感じの話し声多し。劇場内は一切の飲食も開幕前の舞台はもちろん、よくある座席とチケットの撮影もお客さん同士の撮影もNGとのアナウンスがしつこいくらいにあり先日行った宝塚劇場で開演前の舞台をみなさんがバシバシ撮っていたのがうそのよう。ヅカファンらしきお隣の方はそのあたりの違いを嘆いておられました。水筒の水飲んでて注意されてる方も。

さて、ここから結構ネタバレするので改行します。

 

 

 

今回は劇団員の方々もお若い方が多く、インディさん(あとで悲しい目に。。)や河野さん、中谷さんやメタルさんがでてくるとなんだかほっとしました。柚香さん、きれい!さすがトップの貫禄というか、立ち姿が本当に美しいし、圧倒的オーラをまとって、見せ場満載です。今回一番のお目当てだった早乙女友貴さんとの殺陣も負けてない。もちろん早乙女友貴さんですから、舞うような流れるような太刀さばきはミラクルですが、決して見劣りしないのは本当にすごい。怪我するんじゃないかと手に汗を握りました。

柚香さん、真の姿は鬼なれど、ひょんなことから人間の源蒼に救われ、恋におちます。そしてやがて子を産み、人間として生きようとしますが、そこは鬼。蒼の命を救いたい一心で、封印していた「人肉」に手を出してしまいます。そう、ここんちの鬼って人を喰うんですよひえええええ・・これって私の一番苦手なやつ。。。だがしかし。今回なにせ2階最後列だったので、派手に人を刺しまくったり生首あげたりしても、そこはオペラ使わなきゃみえないもんね。。ってなわけで案外大丈夫でした。が、しかし。自分の家を建ててくれたインディさん(やまひこ)を食べちゃうとか、自分の父を食べちゃうとかはちょっとなあ。。

しかし、そんな恐ろしい鬼(紅子の手下)にさらわれた桃千代、なんか光るものを感じる。この人誰?と、やけに気になって幕間にググってみると(パンフレット未購入)なんと、エマージェンシー・コールに出ていた一ノ瀬楓くんじゃありませんか初舞台とのことでしたが、なかなかどうして堂々たる存在感でした。桃のついたお名前でなんとなーく予想はつきますが、彼は最後に鬼退治します。これも案外せつない。でも、紅子は鬼の親分だったけど、本当は人間として、蒼の妻、藤の母として生きたかったんだろうなあと切なかったです。ただ、どういういきさつで人間の夫婦の間に生まれた娘が鬼になったのかがちょっとわかりませんでした。紅子の両親、普通の人間みたいだったので。

今までのとちょっと風味が違うかも、と思ったら、今回は中島かずきさん作ではなかったんですね。でも、粟根さんはやっぱり善人面した悪人だったし、河野さんはやっぱり裏切ってたし、インディさんはやっぱり死神風(食べられちゃう側だけど)だし、右近さんは歌ってた。そこちょっと安心ポイントでした。

なかなかチケットが手に入らず苦労しましたが、行かれてよかったな。次の爆裂忠臣蔵も行かれますように。

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宝塚歌劇雪組「ROBIN THE HERO」「オーヴァチュア!」@東京宝塚劇場2階5列

2025-06-20 23:19:32 | 観劇/コンサート

ミュージカル『ROBIN THE HERO』 脚本・演出/齋藤 吉正

ファンタスティック・ショー『オーヴァチュア!』 作・演出/三木 章雄

【出演】

宝塚歌劇団
〈雪組〉 朝美 絢、夢白 あや ほか


これ以上、推しを増やしては破産・・と、ずっと封印してきた宝塚でしたが、観劇大先輩のK様のおかげで、ついに宝塚劇場に足を踏み入れてしまいました観劇にはまってはや数十年。お隣の日生劇場やシアタークリエには足しげく通っていましたが、宝塚は横目でみるだけ~という感じでした。・・・が、しかし、一歩足を踏み入れるとそこは本当にキラキラの夢の世界のようでした。そして女性にすごく優しい造り。トイレの数も豊富(これ大事)そしてわかりやすい。ロビーもゆったりで椅子もここち良い。自動演奏のピアノも素敵。とにかくいろんなところがキラキラ

そしてご出演のキャストもみなさん小顔長身、動きのキレも良く、終始うっとり

・・が、しかし。日頃くっきりしたお芝居ばかり見ているせいか、『ROBIN THE HERO』 の方は、主演の朝美さん(かっこいい!)、夢白さん(むちゃくちゃきれい)以外の方々の見分けがあまりつかず、ちょっと苦戦してしまいました。特に今回は史劇、冒険活劇だったので、普段、貫禄たっぷりの王様、ちょっと悪そうな宗教関係者、かっこいい騎士に麗しの姫というようなわかりやすい色分けがなされるのに慣れているせいか、どの方も長身小顔細身、声のトーンもやや高めで、あれ?あれ?とわからなくなってしまう部分が多かったです。もちろんそれは私が宝塚初心者だからに間違いないのですが。

休憩を挟んでのファンタスティック・ショー『オーヴァチュア!』 は、本当にきれいでうっとり朝美さんのかっこよさ全開!最後はこれぞ宝塚!というすごいボリュームの羽をまとった皆様に圧倒されまくりでした。来られてよかったーと思えるひとときでした。

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昭和から騒ぎ@世田谷パブリックシアター1階Q列下手

2025-06-12 21:50:17 | 観劇/コンサート

原作:ウィリアム・シェイクスピア
翻案・演出:三谷幸喜
出演:カタカナは沙翁「から騒ぎ」の対応キャストかと。

 大泉洋:紅沢木偶太郎(べにさわ でくたろう)◆ベネディック

 宮沢りえ:びわこ◆ビアトリス

 松本穂香:ひろこ◆ヒアロー

 竜星涼:定九郎(さだくろう)◆クローディオ

 松島庄汰:どん平(どんべい)◆ドン・ジョン

 峯村リエ:明日香(あすか)◆アースラ

 山崎一:毒淵(どくぶち)◆ドグベリー

 高橋克実:鳴門(なると)◆レオナート

舞台は鎌倉にある、ドイツ文学研究者・鳴門先生の屋敷。ここには鳴門先生と長女びわこ、次女ひろこ、女中の明日香が暮らしている。今日は、久々に鎌倉にやってくる旅芸人一座の話題でもちきり。一座の看板役者、紅沢木偶太郎が昔から気に食わないびわこは、今日も悪口が止まらない。

そんな中、何年ぶりかで公演にやってきたという挨拶に、木偶太郎が花形役者となった尾上定九郎と若手役者の荒木どん平を連れて鳴門家の屋敷にやってきた。久々に顔を合わせたびわこと木偶太郎だったが、いきなり強烈な舌戦の火ぶたが切って落とされる。2人の言い合いが一段落し、木偶太郎と2人になった定九郎は、熱に浮かされたように打ち明けてしまう。ひろこに恋をしてしまった、と。そこに巡回中の巡査・毒淵が現れて……。


おもしろかった~運よくとれたチケットは後方Q列でしたが、なんのなんの、1段あがっている感じで、前の席の方の頭を気にすることもなく快適な観劇でした。

シェイクスピア「から騒ぎ」を初めて観たのはケネス・ブラナーとエマ・トンプソン。悪役ドン・ジョンはあのキアヌ・リーブスでした。生舞台では蜷川先生演出、小出惠介さんと長谷川博己さん。かっこ良かった~どんなお話だったけーと、電車の中で白水社版を読む。いや、こっちも十分面白い!ペラペラしゃべりまくるベネディクトは大泉洋さんぴったりだなーと思いました。

幕が開くとそこは昭和の鎌倉。え?吉本新喜劇?でも、大泉さんの木偶太郎と宮沢りえさんの丁々発止は十分に「から騒ぎ」。父であるドイツ文学者高橋克実さん、面白い!お手伝いさんの峰村さん面白すぎ!松本穂香さん綺麗竜星涼さん、顔ちっちゃい!唯一、屈折したキャラ(ドン・ジョンですから)の松島庄汰さん、イアーゴみたい。そして山崎一さんの巡査最高!

このキャストなので、もう安定の面白さ。勘違いとか、おせっかいとか、ちょっとした悪だくみとか、何も考えずにただただ笑える舞台。宮沢りえさんも大泉さんに負けない勢いで、楽しいのなんの。それでも、妹の不幸への憤りで「あいつを殺して」と凄みを見せる場面はマクベス夫人のようでした。

吉本新喜劇みたい!とはいえ、ちゃんとシェイクスピア風味は残し、だからこそ面白い!さすが三谷さん、そうきたか!と思わせる1時間45分でした。立ち見席もいっぱいなのも納得。カーテンコールで大泉さんが、配信もあります!と宣伝してました。今日は役者さん風味の方が多く、鶴瓶さんもお見かけしました。

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ダンス・オブ・ヴァンパイア@東京建物ブリリアホール2階C列上手

2025-05-28 22:23:41 | 観劇/コンサート

今期3度目のヴァンパイア。新クロロック、城田伯爵に謁見してまいりました

いやーー美しいのなんの!なにあれこの世のものとは思えない(この世ものじゃなくて吸血鬼だけど)美しさ!赤のグラデーションのマントにウェービーな金髪、赤い唇に吸い込まれそうな瞳。。。サラじゃなくても虜になりそうです。

お歌も伸びやかですばらしい。

 

が、しかし。クロロック伯爵ってヘルベルトのパパですよね。ちょっと若過ぎないかクロロック城の城主というより王子のよう。。と、おばちゃんは思ってしまいました。

良かったんですよ。本当に素晴らしかったの。でもね。やっぱりそこにいなくても存在を城のそこここに感じてしまう、あのお方とは違う。

まったく違うクロロック伯爵でした。それはそれできっといいのだろうと思います。みんな違ってみんないい。それはヘルベルトにしても同じこと。まったく別の作品として楽しめばいいんだなーと思う3時間でした。ヴァンパイア、2階席にもちゃんと来てくれましたよ

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ダンス•オブ•ヴァンパイア@東京建物ブリリアホール3階C列上手通路脇そしてシェイクスピア祭演劇講座

2025-05-23 22:04:04 | 観劇/コンサート

まさかまさかの御厚意により、2度目の山口伯爵クロロック城へ。今期は観られないかと思った太田アルフレートと伊藤クコールにも会うことができました太田アルフレート、歌声の伸びも良く、ヘタレっぷりも可愛いクコールに「可愛い顔しやがって」と言われてました

今回、このホールの3階席に初めて座りましたが、傾斜が凄くて何故カーテンコールの時に「立たないで、座って」と言われるのかよくわかりました。たぶん、前の席の人が前のめりになっても大丈夫なくらいの傾斜がありますそして、舞台床面の照明がきれい!御存知のとおりこの作品はダンスの迫力が半端ないので、全体が見渡せてとても感動的でしたヴァンパイア、3階にも来て歌ってくれました!

今回も伯爵の化身、佐藤洋介さんにロックオン!山口伯爵のオーラにドキューンそして、禅さん教授の「60歳のこむらがえりをなめるな!」に爆笑石川禅さんの歌声も驚異的ですね

あー楽しかった~と、劇場となりのカフェでお茶していたら、ブリリアの壁面にカーテンコールの振り付け動画が盛り上がりますね~

 

そしてこの後、早稲田大学の演劇博物館2025年度シェイクスピア祭演劇講座「シェイクスピア劇の名場面解説 同時代の上演法に基づいて」に参加。講師は学習院大学 中野春夫教授。この講義、本当に面白かったです。

まず目からウロコだったのが、当時のシェイクスピア劇は屋外青空劇場で開催されていたため、現代のような照明設備や音響、大道具などはなく、夜や嵐の場面も全て「台詞」によって表現されたということ。今が夜と言えば夜、ここがヴェニスだと言えばヴェニス。森もヴェローナも魔女も美少女も全て台詞で作るということでした。劇団はギルド組織なので女性は入団不可。なので女優はいないからおっさんジュリエットでも文句は言えない。観客は納得済で自分のイメージを脳内でカスタマイズする面白さがある。落語と同じだ!そっかーだからシェイクスピア作品って、全てが言葉、言葉、言葉で表されてるんだ!まーほんとに腑に落ちましたよ私。ロミオとジュリエットで、ジュリエットの方から「私のすべてを受け取って」とアプローチするのも、当時としてはかなりな掟破りだったということも興味深かったです。

中野教授は先日のさいたま芸術劇場のマクベスもご覧になっていて、「最後のあの生首な~。。ちょっと。。」と言いつつ、現代の演劇にはやはり観客を惹きつける演出が必要だから「鋼太郎、許す!」とおっしゃってました。教授面白いマクベスについても、台詞による幻覚・幻臭・幻聴・幻触の視覚化について話され、これもとても面白かったです。そうか、私たちは台詞によってマクベスの頭の中を覗けてたんだーとあらためて思ったり。

ヴァンパイアの後だったので、難しい講義だったら寝ちゃうかも。。と思っていましたが、なんの。杞憂でした。またこういう講義があったら参加したいと強く思いました。現役大学生に戻って教授の講義をもっと聴けたらいいなーなんて妄想しながら帰途についたのでした。あー面白い一日だった!Kさん、ありがとうございました!

 

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ダンスオブヴァンパイア@東京建物ブリリアホール1階J列上手

2025-05-20 20:47:13 | 観劇/コンサート

久しぶりのヴァンパイア。帝劇じゃないのは初めて。コウモリのリーくんも飛んでましたが、やっぱり帝劇ロビーのゴージャスさとワクワク感が懐かしいかも。

舞台幅がやや狭いこともあってセットや構成が少々変わっていたように思います。でも、舞台は熱かったです。前回から続投の伯爵の化身のダンサー、佐藤洋介さんに釘付けクロロック伯爵の心情をそのまま表すような繊細なダンス身体能力半端ない!

お初のアルフレート、寺西拓人さん、すごい人気のようで彼が登場すると周囲のお客さんたちのオペラグラスがざざーーっと上がりましたどちらかといえば少年ぽいビジュアルなれど、落ち着いたお声がいいですね~おちゃめさもあり、教授とのコンビの楽しいこと開演前と幕間のアナウンスも寺西さんでした。

サラ役、フランク莉奈さんはロミオ&ジュリエットなどで拝見してますが、ほそーーい!あの細い体でよくあんな力強い声がでるもんだと感心するとともに、伯爵からプレゼントされた真っ赤なドレスがよくお似合いでした

2幕「悪夢」のバンパイア増えた?まーーーもんのすごい迫力で、あんな騒ぎの中で教授とアルフはよく寝られたもんだ・・・って、夢か

幕間のクコール劇場では、クコ母からの温かいお手紙が読まれてほっこりでした。クコちゃん言ってたけど、I列25番にいたのか?母

山口伯爵、古希目前と徹子の部屋でおっしゃっていましたが、本当にすごい。山口祐一郎がクロロック伯爵なのか、クロロック伯爵が山口祐一郎なのか、わからないほど。墓場で過去の女性たちを想う歌声にじーーーん。。そしてその心の内をダンスで表現する佐藤洋平さんに釘付けでした。

来週は城田伯爵に会いに再びのクロロック城、いえ、ブリリアに参ります。

 

 

 

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彩の国シェイクスピア・シリーズ 2nd vol.2『マクベス』@さいたま芸術劇場1階A列下手

2025-05-15 22:27:56 | 観劇/コンサート

作 W.シェイクスピア

翻訳 小田島雄志

演出・上演台本 吉田鋼太郎(彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督)

音楽 東儀秀樹

藤原竜也・・・マクベス(スコットランドの将軍)
土屋太鳳・・・マクベス夫人
河内大和・・・バンクォー(スコットランドの将軍)
廣瀬友祐・・・マクダフ(スコットランドの貴族)
井上祐貴・・・マルカム(ダンカンの王子)


稲荷卓央
海津義孝
天宮 良
坪内 守
塚本幸男
鈴木彰紀
内田健司
堀 源起
蔵原 健
松本こうせい
谷畑 聡
齋藤慎平
伊藤大貴
松尾竜兵
河村岳司
坂田周子
近藤陽子
佐藤雄大
小川向日葵(Wキャスト)
嶋瀬 晴(Wキャスト)
稲田有梨


今年度は、なぜか運良く良席きてます。今回は最前列下手ながら、役者が通路から舞台に上がる階段の真横。後ろの席の方は通路から乱入する魔女にからまれるわ、舞台上のマクベスやマルカムのつ〇きが飛んでくるわ、臨場感MAXなお席でした。

マクベスは別の舞台で何度も観ているし、プログラムはいいかなあと思いつつも、やっぱり買ってしまった

でも、買って良かったです。前々から気になっていたこと。マクベス夫人は、何故固有名詞で呼ばれないんだろう。。ということについて、吉田鋼太郎さんがめんめんと書いておられました。興味深い。シェイクスピアは彼女の出自について何も書いていないけれど、もしかしたらどこかの国の捕虜や奴隷として連れてこられたのかもしれない。マクベスとの間に子どもはいないにもかかわらず自分は子を産んだことがあると言っていることも、彼女の境遇が尋常ではなかったかもしれないということを匂わせている気がします。だから、そう乗り気のしなかったマクベスに、ダンカン王の暗殺をそそのかしたのかも。

言葉たくみにマクベスを暗殺へと駆り立てる様が凄かったし、マクベスが彼女との抱擁の中で決心した瞬間がよくわかりました。土屋太鳳恐るべし。初シェイクスピアでマクベス夫人に抜擢されて、凄いプレッシャーだと思うけど、美しくて凄みのあるマクベス夫人でした。

藤原マクベス。40を過ぎてなお童顔な藤原くんがどんなマクベスを。。などというのは杞憂で、膨大なせりふを淀みなく

強く弱く確実に自分のものとして吐き出す姿は、こりゃもう無双だわすごすぎます。限りなく弱く強いマクベス。そして妻が大好きで、思うままに操られていることに気づいているのかいないのか、突っ走って突っ走って、もうどうにも後戻りのできないところまで行ってしまう悲しみのようなものさえ感じてしまいました。いや、すごいわ。

そしてそして廣瀬友祐さんのマクダフ!登場シーンから目を引く美しい立ち姿。剣さばき。妻子を殺されたとしったときの慟哭。マクベスとの直接対決。もーのすごくかっこよかったです!

いろいろな舞台で廣瀬友祐さんを観てきましたが、今回が一番だった気がします。優しく、美しく、正しい分別を持ち、まっすぐな忠誠心を併せ持つ高潔なマクダフでした。

マルカム、井上祐貴さんもとても凛々しく熱い王子でした。

脇を固める鈴木彰紀さんや雨宮良さんGOOD JOB!!

今回は悪ふざけ(笑)は一箇所だけかな昭和の小学生の運動会で必ず踊らされたマイム。。。(以下自粛)くらいかな。ともかく正統派マクベスでした!

 

 

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ミュージカル「二都物語」@明治座1階9列(5列目)センター

2025-05-15 22:19:20 | 観劇/コンサート

脚本・作詞・作曲∶ジル・サントリエロ

追加音楽∶フランク・ワイルドホーン

原作∶チャールズ・ディケンズ

翻訳・演出∶鵜山仁

 

出演∶

井上芳雄  浦井健治  潤花

未来優希  岡幸二郎  福井貴一 宮川浩  橋本さとし  福井晶一 ほか


12年ぶりの再演。主要キャストがそんなに代わっていないのに、ビジュアルまでがそう変わっていないってすごい。特に井上くん浦井くん。。。。ったって、ふたりとももう40オーバーだというのに驚異的そして、橋本さとしさんがとても重要な役回りだった。大事な家族を貴族の気まぐれで失い、貴族に深い恨みを持つ妻に、恨みの連鎖を断ち切らなければいけない。いつか終わらせなければいけないと諭す言葉には今の時代に重なるものを感じました。

 

 


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さようなら俳優座劇場 最終公演「嵐 THE TEMPEST」@4列下手

2025-04-15 22:10:55 | 観劇/コンサート

作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:小田島創志
演出:小笠原 響
出演:外山誠二/浅野雅博/あんどうさくら/平体まひろ/藤原章寛/藤田宗久/金子由之/田中孝宗/里村孝雄
千賀功嗣/前田聖太/上杉陽一/岩崎正寛/八柳 豪/荒木真有美/安藤 瞳/井口恭子/稀乃/山崎稚葉/あり紗/長井優希/安藤春菜/蟹澤麗羅

プロスペロー(前ミラノ大公)
ミランダ(プロスペローの娘)
エアリエル(空気の精)
キャリバン(島に住む怪獣)
アロンゾー(ナポリ王)
セバスチャン(王の弟)
ファーディナンド(王の息子)
アントーニオ(ミラノ大公、プロスペローの弟)
ゴンザーロー(王の顧問官)

劇団俳優座から9人、演劇集団 円、青年座から各3人、文学座、昴は各2人、文化座1人、そしてフリーほか3人。男優12人、女優11人の布陣。ほぼ新劇界の中心グループを網羅

<あらすじ>
弟アントーニオの陰謀によりミラノ公爵の地位と領地を簒奪されたプロスペローは、ひとり娘のミランダとともに、妖精や妖怪、精霊達の住む絶海の不思議な孤島に流された。
12年の歳月を経て秘術を究めたプロスペローはある日、自らを陥れた弟とナポリ王アロンゾーへの復讐のため大嵐を起こし、彼らとナポリ王子ファーディナンドが乗る船を難破させ孤島へ漂着させる。
そこでミランダとファーディナンドが恋に落ちたのを利用し妖精達を操ってさらなる復讐を企てるが……。


俳優座劇場閉館の最終公演は、1954年の開場以来一度も当劇場で上演されたことのないシェイクスピア最後の単独作品「テンペスト」

こんなことも知らず、チケットサイトのお気に入りに「シェイクスピア」を登録しておいたので、あー、テンペストやるんだ、観た~いくらいの気持ちでチケットをとりました。このチケット代高騰の折になんと4000円というのもお得感満載

偏った観劇ライフなので、お名前がわかるキャストは外山誠二さんと浅野雅博さんのみ。あんどうさくらさんは、奥田瑛二さんのお嬢さんとは別人です。

本当に見応えのある舞台でした。追放された元ミラノ大公、プロスペローが巻き起こす嵐をあらわすのは映像でも大道具でもなく、人、人、人。(実は妖精)アンサンブルの動きだけで嵐を感じる演出に圧倒されました。そしてプロスペローの怒り、悲しみ、娘への深い愛情、そして娘の恋を温かく少し寂し気に見守るまなざし。外山誠二さんはピサロ、民衆の敵、良い子はみんなご褒美がもらえる、アマデウス、皆既食などの舞台で拝見していますが、本当に存在感のある名優だと感じました。

そして妖精エアリエルプロスペローのしもべとして彼の意のままに働きますが、動きがとても軽やかで、それいてどこか儚い佇まいに惹きこまれました。最後にプロスペローが全てを許し魔法を捨てた時、エアリアルも自由を手にしますが、「本当に?いいの?」ととまどいつつ、飛び立って行く姿が印象的でした。

プロスペローの娘、ミランダとナポリの王子が恋に落ちていく様も初々しくてうっとり

エピローグの、プロスペローが観客に向かって語りかける言葉は、熟練の名優がこの劇場の幕切れに贈るはなむけの様に感じ、胸がいっぱいになりました。

いまや私の魔法はことごとく破れ、
残るはわが身の微々たる力ばかり
ここに私を留めようとナポリへ送り返そうと、皆様のお気持ち次第
公国はこの手に戻り、裏切り者を赦したからは
どうかこの裸の島に残れとの呪文はおかけくださいますな。

お手を拝借、皆様の拍手の力で私のいましめをお解きください。
皆様の優しい息で私の船の帆をふくらませてください。さもなくば、お楽しみいただこうとの
私のもくろみは水の泡・・・

満員御礼の客席は、万来の拍手でこの舞台を見送っていました

 

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四月大歌舞伎昼の部「木挽町の仇討ち」@歌舞伎座1階最前列センター

2025-04-12 19:17:15 | 観劇/コンサート

永井紗耶子 原作(『木挽町のあだ討ち』新潮社刊)
齋藤雅文 脚本・演出

出演

伊納菊之助 染五郎
篠田金治 幸四郎
伊納家の下男作兵衛 中車
ほたる 壱太郎
佐野川妻平 種之助
木戸芸者五郎 虎之介
道具方秀吉 吉之丞
衣裳方栄二 宗之助
鶴屋南北 錦吾
木戸芸者一八 猿弥
伊納清左衛門 高麗蔵
小道具方久蔵 彌十郎
立師与三郎 又五郎
久蔵女房与根 雀右衛門

あらすじ

のどかな春の夕暮れ。さる大名家の重臣、伊納清左衛門が突然、遠駆けから帰ってきたばかりの嫡男、菊之助に斬りかかります。日頃冷静な父の急変に驚く菊之助が戸惑うのを尻目に、下男の作兵衛が清左衛門と斬り合い、逃亡。菊之助は父の仇となった作兵衛を討つため、江戸へ向かいます。母の助言で向かった先は、木挽町の森田座。芝居小屋に生きる人々の世話になりながら、仇を探す日々を送る菊之助が、ある日、狂言作者の金治に出会うと…。


市川染五郎くん、綺麗だなーと思っていながら、出遅れて2次プレオーダーに申し込んだところ、まさかの特等席当選!しかも花篭のお食事と演出家のトーク付。(桟敷席と特等席のお客さま限定)そして今年の運を全部使い切ったような最前列センターキター賑やかな舞台は少し下がったほうがとは思いつつ、何のさえぎりもなく美しい染五郎丈を眺められるシアワセをかみしめるミーハーおばちゃんなんでした。

リピートできるお値段ではないため、原作を読み込んでいきました。これ正解。本当はトリックのある話なのでネタバレしないほうがよかったかもしれませんが、事前のトークショーで脚本と演出の斎藤先生が「原作とは構成が大きく異なります」とおっしゃっていたのを聞いて、たぶん読んでなかったら???となるところだったかもしれません。原作は、まずあだ討ちがあり、主人公の菊之助を取り巻く人たちのそれぞれの語りによって人物像や状況が浮かび上がり、最後にそれぞれのピースががちっとはまるような構成になっていますが、舞台は時系列に、主人公の目線に沿ってお話が進んで行くようになります。

また、私は歌舞伎は専ら新作ばかり観る派なので歌舞伎の何たるかもよくわかってないのですが、トークで「四季の移ろいを取り入れるのも特徴」とお話があったように、舞台は原作より半年さかのぼる春のひなまつりに始まり、印象的な雪のシーンでクライマックスを迎えます。その色彩の綺麗なことそして、あだ討ちシーンの菊之助の美しいことと言ったら真っ白な装束に羽織った真っ赤な着物をさっとはらいのける瞬間、心臓が止まりそうでしたきーれーいー

そして温かい人々の善意に守られながら、重いものを背負わずに本懐を遂げる菊之助。

最後は本当に温かい気持ちになれる舞台でした。

そうそう、開演前にお隣の座席でチケットトラブル。「ここ、私の席ですけど」と言われ、チケットを覗いた後ろの席の人から「それ、3階って書いてあるんじゃない?」と言われてちょっとパニくった様子で「すいません」と立ち去った女性、後から係の人と戻ってきて「やっぱり私の席です。確認して」と。よーく見たら後から来た人のは2階席のチケットでした。「3階って・・」と言った方は、「3扉」と書いてあるのを読み違えたようです。よーく考えればチケット代金も違うからわかりそうなものですが、急に言われると慌てますよね。それが開演2~3分前のできごと。私も着席前によーくチケット確認しなくちゃとしみじみ思いました。「1列」と書いてあるのを見て舞い上がってはいけませんね。

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ボニー&クライド2回目@シアタークリエ6列上手

2025-03-27 21:40:55 | 観劇/コンサート

ボニー&クライド2回目。本日のボニーは桜井さん、テッドは太田さん。クライドは再びの柿澤くん

今日はいろいろ楽しいアクシデントも。ふたりがイチャイチャしている時にウイスキーの小瓶が倒れてしまい、慌てるクライド。「ちょっとしかないのに~」とかいいつつ、床を手で拭いてました

そして、銀行強盗に行った際、『「ボニーとクライド」より「クライドとボニー」』だ!と言い張るクライドにボニーが「ボニーとクライド」よ!と言うところを、うっかり「クライドとボニー!」と叫んでしまい、一同唖然客席大笑い クライドも思わず「グダグダやん!

が、しかし。慌てず騒がず流れを変えずさらっと流す桜井さんの度胸もカンパニーもさすがでございました。途中「言い間違えたじゃん)とツッコまれてましたけどね

柿澤クライドは、今日も絶好調でした。例の超絶ジャンプは3回歌いながらステージを転げまわり駆け巡る、そのひとつひとつの動きがものすごくシャープで正確。惚れ惚れしました。筋肉と精神力のなせる技ですね。ソロもとても伸びやかで、あれだけの動きの中であの力強い歌声をキープする技術の凄さをひしひしと感じました。柿澤勇人おそるべし。

前回、クライドが刑務所で同じ受刑者とトラブルを起こして相手をメタメタにするシーンがいまひとつわからなかったのですが、実際に受刑者のひとりから凌辱されるようなことがあり、心身ともにひどく傷つけられ、そのこともクライドが暴走するひとつの要因となったということなのですね。貧困に絶望、世の中に自分を認めてもらいたい、「名を残す」ことへの異常なまでの執着。。。あんなに家族を愛し愛されていたのに。犯罪という無茶な形ではなく、別の方向に導いてくれる人が一人でもいれば、こんな結末にはならなかったのにね。パンフレットによれば、2人が銃撃されハチの巣にされた場所には数多くの野次馬がやってきて、彼らの毛髪、指までも持ち帰ろうとする輩がいたとか。ボニーもクライドもそんなことは望まなかったでしょうに。。

歌もダンスもとっても明るく魅力的なだけに、この暴走するふたりの最期が本当に切なく美しかったです。

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ミュージカル「ボニー&クライド」@シアタークリエ5列上手

2025-03-21 00:00:35 | 観劇/コンサート

企画・制作:ホリプロ・東宝
脚本:アイヴァン・メンチェル
歌詞:ドン・ブラック
音楽:フランク・ワイルドホーン
上演台本・演出:瀬戸山美咲
出演:柿澤勇人、海乃美月、小西遼生、有沙瞳、吉田広大、霧矢大夢、鶴見辰吾、石原慎一、彩橋みゆ、池田航汰、神山彬子、焙煎功一、広田勇二、三岳慎之助、安田カナ

あらすじ
舞台は1930年代、世界恐慌下のアメリカ、テキサス。
映画スターを夢みるボニー・パーカーは、場末のカフェで退屈なウェイトレスとして働く毎日。そこにやってきたのが脱獄したばかりの男クライド・バロウ。時代の暗い閉塞感から抜け出て、スポットライトをあびたいと願っていた二人は、運命の出会いを果たし恋に落ちる。
クライドと共に脱獄した兄のバックは、妻ブランチが働く美容室に戻ったが、兄弟の行方を探すシュミット保安官らが店を訪れて恫喝する。敬虔なクリスチャンであるブランチはバックに刑務所に戻るように説得、過去を清算するためにバックは刑期を全うすることを決意する。
一方、クライドは強盗を繰り返し、再び刑務所に送られてしまう。それでもクライドを愛し続けるボニーは、幼馴染の保安官テッドや母エマの反対を押し切り、足繫く面会に通い続けた。クライドはボニーに拳銃を持ち込ませ、脱獄に成功する。
街を飛び出し、車を盗み、銀行強盗を繰り返す、前代未聞のギャング・カップル「ボニー&クライド」の誕生に、大衆はやがて彼らを英雄視してゆくが…。


最近お席に恵まれてませんでしたが、今回はぴあスペシャルシートということで、出入りもしやすい」5列上手最近沼ってる柿澤カッキーですから、もう期待MAXでクリエへ。

この作品はフェイ・ダナウェイとウォーレン・ベイティ「俺たちに明日はない」でさんざん見て来ました。最後銃撃されハチの巣のようになる車体、崩れ落ちるふたりが本当に怖かった。。すごーく昔に、「熱帯夜」という松田優作・桃井かおりコンビの和製ボニクラがあったのを思い出します。かっこよかったあ。。

それはともかく本日ソワレの「ボニー&クライド」
まあ、とにかくカッキーの身体能力に目を見張りました。少年の頃のオーバーオールにハンチングのスタイルかわいい!歌う歌う、踊る踊る!こんなジャンプも!

 その滞空時間にもびっくり!

物語はまあ、どうしようもなく刹那的というか破滅的というか、貧しく厳しい境遇に育ち、ビリー・ザ・キッドやアルカポネのように悪いことやらかしてお金奪いまくって有名になろうとか、そういう超短絡的な男の子と、キラキラした世界にあこがれ続ける女の子が周りを巻き込みながら暴走し、やがては破滅するという感じですね。おばちゃんとしては全然感情移入できないけど、まあふたりのぶっとんだ演技と素晴らしいビジュアルと歌声、そしてカッキーのバキバキボディに圧倒された時間でした。

クライドのお兄ちゃんパック、小西遼生さん、すごーくいい人なんだけど血は争えないというか、嫁のブランチ(有沙瞳さん)が正しい感性で一生懸命引き留めようとするのに、ついにはその嫁まで巻き込んでしまうのが悲しかったです。愛していても、ならぬことはならぬのです。

ボニーは抜群のスタイルでお衣装も素敵。クライドがプレゼントする決めのドレスはデザインが変わっているなあと思ったら、実物ボニーがタバコ吸いながら銃を手にしてポーズつけてる実際の写真と同じデザインにしてるんですね。細かい!

2人が暴走し、破滅に向かったのは貧困、社会情勢、いろんなことが引き金になってたのかと思うとなんだかね~

しかしカッキー、ハムレットもジキル&ハイドもオデッサも全部身に着け、今回はこんなチンピラヤンキーギャングまでこなし、役の幅が広いことこの上ないです。歌も台詞もダンスも本当に凄い。最後の滂沱の涙にも圧倒されました来週またいくよ~ 桜井ボニーとの演技もまた楽しみです。最後ですが、牧師様と銀行客を演じていた石原慎一さんの歌声、とても良かったです。感動しました。アンサンブルおそるべし。

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ミュージカル『イリュージョニスト』@日生劇場2階E列上手

2025-03-15 21:48:16 | 観劇/コンサート

 

演出 トム・サザーランド
出演 海宝直人 成河 愛希れいか 栗原英雄 濱田めぐみ

あらすじ
舞台は19世紀末のウィーン。
イリュージョニストのアイゼンハイムは興行主のジーガとともに世界巡業をしている中、幼い頃に恋心を寄せ合っていた公爵令嬢ソフィと再会する。しかしソフィはオーストリア皇太子レオポルドの婚約者になっていた。密かに恋心を再燃させるアイゼンハイムとソフィだったが、皇太子は二人の仲を疑い、警部ウールに二人の関係を調べさせる。どんどん疑念を膨らませていく皇太子の怒りが最高潮に達した時、アイゼンハイムの元にソフィの死の報せが届いて……。


イリュージョニスト初演の予定は2021年だったでしょうか。三浦春馬さんの急逝、コロナによるコンサートバージョンの休演。。結局行かれなくて、エドワード・ノートンの映画「幻影師アイゼンハイム」を観たのを覚えています。

満を持して今回はフル・バージョン上演。しかも、おけぴ観劇会。なんとか手に入れたのは2階席ではありましたが、こういう華やかな舞台は2階がいいかも。

かなりミステリアスな上に「エリザベート」と時代がかぶるし、ヒロインのソフィは愛希れいかさんだし、アイゼンハイムは海宝先生だし、濱田めぐ姐さんもいるし、皇太子は成河さんだし、警部は栗原さんだし、もうキャストは言うことなしの歌上手が勢ぞろい。もう、期待マックス大河ドラマで悲しい女郎を演じていた愛希さん、きれい

幕開きからアイゼンハイムの曲に釘付け歌い上げる歌い上げる!海宝先生、外さない!アンサンブルさんたちもうまい!濱田めぐみさんは興行主ジーガですが、男装もあり、最後の方はメリー・ポピンズを思わせるお衣装。栗原英雄さんも歌い上げます。元四季ですよね、さすが!映画では優しい雰囲気の警部でしたが、栗原さんのウール警部はソフトなジャベール風味職務には忠実だけど、真実をまっすぐに見つめる人ですね。

「幻影師」なので、不思議で幻想的なシーンもいっぱい。皇太子の最期はマイヤーリンクを彷彿とさせます。愛する人との関係は真逆だけどね。海宝アイゼンハイムは完璧でした。ふと、三浦春馬さんが生きていたら、どう演じていたのかなあという思いが胸をかすめました。

本当に見ごたえのある舞台でした。できることならもう一回。。無理かなあ

もうしかして。。と思ったら、観劇仲間のYさんもKさんも同じ空間にいらしてました。やっぱりね

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屋根の上のヴァイオリン弾き@明治座1階2列センター

2025-03-09 21:28:08 | 観劇/コンサート

 

台本:ジョセフ・スタイン

音楽:ジェリー・ボック

作詞:シェルドン・ハーニック

オリジナルプロダクション演出・振付:ジェローム・ロビンス

翻訳:倉橋 健

訳詞:滝弘太郎・若谷和子

日本版振付:真島茂樹

日本版演出:寺﨑秀臣

 

出演:
テヴィエ 市村正親
ゴールデ 鳳蘭
ツァイテル(長女) 美弥るりか
ホーデル(次女) 唯月ふうか
チャヴァ(三女) 大森未来衣
モーテル(仕立屋) 上口耕平
パーチック(学生) 内藤大希
フォートカ(ロシア人青年) 神田恭兵
ラザール(肉屋) 今井清隆

石鍋多加史、荒井洸子、廣田高志、園山晴子、祖父江進、山本真裕
かとりしんいち、品川政治、下道純一、谷本充弘、加藤 楓

大森輝順/佐々木 誠/附田政信/鈴木結加里/下道純一/真記子/楢原じゅんや/真田慶子/飯田一徳
竹内晶美/飯塚杏実/大山五十和/井坂泉月/西口晴乃亮/清水 錬/吉井乃歌/宮島里奈/東 菊乃


帝劇が閉まった関係でぐんと増えた明治座ミュージカル。帝政ロシア下の物語なれど、のぼりが立ってるのはさすが明治座
今日は団体さんが多かったようです。気のせいか着飾った高齢の方多め。
前回、8年前に観た時の次女ホーデルは、神田沙也加さんだったなあ。。そして学生は広瀬友祐さんでした

テヴィエ、ゴールデのご夫妻はほんとにもう鉄板ですね。一見、妻が威張ってるように見えながら強い絆と愛で結ばれた素敵なご夫婦。厳しいしきたりを守りながら質素に懸命に生きる人々。本当に普通の人々の優しい日々。成長し、恋をし、新しい世界にはばたこうとする娘たちを葛藤しつつ見守る両親が切ない。「子どもがはばたこうとしたときにはね、小鳥を空に放つように「ふわっ』と手放してね」と誰かが言ってたなあ。。
そして、いつも夫を妻を「愛してる」という気持ちを忘れないで。そんな願いを受け止めました。頭上にビンを載せて踊るボトルダンサーズ、神田恭平さんのロングトーン、素晴らしかった

この作品の舞台となるのは19世紀初頭の帝政ロシア領ウクライナにある架空の村アナテフカ。「キーウ」という地名も出てきて、どうしても今のウクライナ情勢とかぶって観てしまいます。この土地で生まれ、育ち、地に足をつけて真面目に働いてきたユダヤ人たちが、ロシア人の思うままにある日突然に生活基盤を奪われ、出てゆけと言われる理不尽。口惜しさも悲しさも封じ込め運命に抗うことなく、しっかりとした足どりで新しい場所へと去ってゆくアナテフカの人々。本当の力強さを感じました。

終演後、お隣のカップルが「良かったけど、あの屋根でヴァイオリン弾いてる人って何?」と。。。

「アナテフカに暮らす私たちは屋根の上のヴァイオリン弾きのようなものだ。落ちて首を折らないようにバランスを保ちながらシンプルで心地の良い旋律を奏でている」っていうようなことをデヴィエが言ってたでしょ

って感じなんですが、そのヴァイオリン弾き役の日比野啓一さんがお怪我で下道純一さんに変更になっていました。一日も早く回復されますように。

 

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