pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

サムシング・ロッテン!@東京国際フォーラム1階4列センター

2018-12-27 18:44:39 | 観劇/コンサート

 

 

お衣装の展示。

作詞・作曲:ウェイン・カークパトリック
ケイリー・カークパトリック
脚本:ケイリー・カークパトリック
ジョン・オファレル
演出:福田雄一

出演:
ニック:中川晃教
シェイクスピア:西川貴教
ビー:瀬奈じゅん
ナイジェル:平方元基 
ポーシャ:清水くるみ 
ノストラダムス:橋本さとし

あらすじ:
ルネサンス時代のイギリス。

売れない劇作家であるニック(中川晃教)は
弟のナイジェル(平方元基)と共に自身の劇団を運営していた。
時代の寵児であり、スーパースターの劇作家シェイクスピア(西川貴教)に
ニックは対抗心をむき出しにするが、
劇団運営に行き詰まり、妻ビー(瀬奈じゅん)の目を盗んで
予言者ノストラダムス(橋本さとし)のもとを訪ねる。
そして、彼のお告げに従い、
世界初の歌って踊る「ミュージカル」を書こうと決意するのであった。

その後もノストラダムスのもとへ通うが、
出てくるのは頼りない予言ばかり…
ヒット確実な作品タイトルは「オムレット」
(実は「ハムレット」の間違い)だと言われ、
ニックはミュージカル「オムレット」を生み出すために悪戦苦闘する。
作家の才能を秘めている弟のナイジェルは、
兄の言うことを聞きつつも「卵の物語なんか書きたくない!」と思い悩む。
そんななか、出会った美しい清教徒の娘ポーシャ(清水くるみ)と
恋に落ち、新たなインスピレーションが生まれていた。

一方、「ロミオとジュリエットに続く大ヒット作を書かねば」
と人知れず思い悩んでいたシェイクスピアは、
以前からナイジェルの才能に目をつけていて、
彼からなんとか次作のアイデアを得ようと画策する。
「トービーベルチ」と名乗る役者に化け、ニックの劇団に潜入し、
後の大ヒット作となる「ハムレット」の土台となる
アイデアをどんどん盗んでいくが…


Something is rotten in the state of Denmark.は、ハムレットが父王の亡霊を観に行った時に見張りの兵士マーセラスが思わず漏らした言葉です。「何かが腐ってる!」「何か怪しい」という意味だとか。

「腐ってる」というより「怪しい」のほうが近いかももう、ミュージカルネタが出てくる出てくる客席のミューオタの皆さんたちは大喜びの連続プログラムによれば、何と23作品のパロディが織り込まれているとか!私も全部はわからなかったかもでも、福田演出の舞台ってこういう場外乱闘みたいな小ネタがいっぱいで、置いてきぼりを食うお客さんも多いんじゃないかとちょっと心配になります。

ミュージカルネタばかりじゃなくてシェイクスピアネタも豊富で、シャイロックやポーシャなどの名前が出てくるだけでにやにやしてしまうのでした。

中川くんと平方くんの劇作家兄弟がものすごーくキュートそして、瀬名じゅんさんがめちゃくちゃ面白い!福田作品の常連の佐藤二郎さんとかムロツヨシさんとかがやりそうな突撃ネタを、あの瀬名じゅんさんがやるとは!もう、愛する夫のためならなんでもやっちゃう強くて利発な奥さんなのでした。もちろんヅカネタも!これには瀬名ファン泣いて喜ぶ!

橋本さんはあの「キャストがみるみるやせ細っていく海の近くのぐるぐる劇場」ネタもそれはそれは楽しそうにかましてました。「出番が終わって どこにはけていいかわかんなくなってロビーに出ちゃった」とも。なるほど。わかる気がする

超人気作家のシェイクスピアが西川貴教さん。今まで見たこともないようなギンギラギンのシェイクスピアで、すぐ歌いあげちゃう人ですが、変装も可愛い!当然のようにあの有名歌い上げCMネタも。「やりたくなかったよ~」といいつつ楽しそう。ちょっとファンになっちゃいそうなキュートさでした。西川ファンはしっかりペンライト振ってました

清水くるみちゃんは平方くんとラブラブになる清教徒の娘ポーシャですが、衣装がコゼット風でピチピチはじけてめちゃくちゃ可愛かったです。キレのよさは修羅天魔の沙霧ちゃんですもんね。 

ストーリー自体は単純ですが、ダンスもタップも歌もとっても明るくて楽しく、今年の観劇おさめにはぴったりでした。終演後、演出の福田雄一さんが通路にいらして、お客さんと記念撮影したり、自主的握手会してました。テレビで見たまんまの明るいおじさまでした

東京国際フォーラムの通路にはもうイノシシたちが来る年のお迎えにむけてスタンバイ。

 

 


 

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民衆の敵@シアターコクーン1階A列センターそしてロマンティック・ロシア

2018-12-19 21:43:37 | 観劇/コンサート

【原作】ヘンリック・イプセン
【演出】ジョナサン・マンビィ

【出演】 堤真一、安蘭けい、谷原章介、大西礼芳、赤楚衛二、外山誠二、大鷹明良、木場勝己、段田安則

【あらすじ】
温泉の発見に盛り上がるノルウェー南部の海岸町。

その発見の功労者となった医師トマス・ストックマン(堤真一)は、その水質が工場の廃液によって汚染されている事実を突き止める。汚染の原因である廃液は妻カトリーネ(安蘭けい)の養父モルテン・ヒール(外山誠二)が経営する製革工場からくるものだった。

トマスは、廃液が温泉に混ざらないように水道管ルートを引き直すよう、実兄かつ市長であるペテル・ストックマン(段田安則)に提案するが、ペテルは工事にかかる莫大な費用を理由に、汚染を隠ぺいするようトマスに持ち掛ける。一刻も早く世間に事実を知らせるべく邁進していた、新聞の編集者ホヴスタ(谷原章介)と若き記者ビリング(赤楚衛二)、市長を快く思っておらず家主組合を率いる印刷屋アスラクセン(大鷹明良)は、当初トマスを支持していたが、補修費用が市民の税金から賄われると知り、手のひらを返す。兄弟の意見は完全に決裂し、徐々にトマスの孤立は深まっていく。カトリーネは夫を支えつつも周囲との関係を取り持とうと努め、長女ペトラ(大西礼芳)は父の意志を擁護する。そしてトマス家に出入りするホルステル船長(木場勝己)もトマスを親身に援助するのだが……。
トマスは市民に真実を伝えるべく民衆集会を開く。しかし、そこで彼は「民衆の敵」であると烙印を押される……。


ラッキーなことにA列センターイプセン作品は、結構前方席に恵まれてるかも。私の観たかった端正な堤さんが目の前でした。そうです。スーツが似合い、すっと背筋を伸ばし、弁舌なめらかで自信満々な尾形総一郎@SPのような堤真一!ジョナサン・マンビィ氏の演出があざやか。特に動揺し、暴走する群集の描写が恐ろしかったです。そしてひとり感情に流されず俯瞰していいるようなホルステル船長のまなざしが印象的。

今回は相当にやっかいなお話です。温泉の汚染て、レジオネラ菌の繁殖とかでしょうか。。。その事実を発見し、小躍りしたのもつかの間、様々な思惑にがんじがらめにされて孤立するトマス。

なんとなく、豊洲市場移転の騒ぎや食物偽装事件などを連想してしまいました。多数の意見が果たして正しいのか。民主主義とは?進むべき本当の道って?真実はひとつであっても、いろんな人のいろんな利権や事情で捻じ曲げられ、うやむやにされ、かえってややこしいことになり、取り返しがつかなくなる。こういうことって、いつの時代にもあるんだなあと思わされました。

事実を隠蔽するだけでなく、その事実によって利益を得ようとする人々にも唖然とするばかりですが、いるんだよね、真実が発覚する前に一儲けしようと企む輩。このころからインサイダー取引があったとは。。。

石が降ってくるような状況の中で、家族を抱きしめながら「世界一強い人間は 何があってもひとりで立っている人間なんだ」と言い切るトマスの姿に衝撃を覚えました。今夜のNHKライフ特別編?忍べ!右左ヱ門でも、 堤さん、「正しきことをすると誓ったからにはな」とおっしゃっていましたね。どこまでもかっこいい

しかし、この温泉の町は、いったいどうなっていくんだろう。。。

観劇前に時間があったので、Bunkamuraザ・ミュージアムの国立トレチャコフ美術館所蔵「ロマンティック・ロシア」も観てきました。それほどの混雑もなく、繊細で豊かなロシアの絵画を堪能してきました。

  

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極上文學 「こゝろ」@紀伊國屋サザンシアター 17列下手

2018-12-15 22:18:25 | 観劇/コンサート

【演出】 キムラ真(ナイスコンプレックス)
【脚本】 神楽澤小虎(MAG.net) 
【音楽】 橋本啓一

【出演】内海啓貴 釣本 南 白石康介 平野 良 寺島惇太

【あらすじ】
主人公である「先生」は、かつて親友を裏切って死に追いやった過去を背負い、罪の意識にさいなまれつつ、まるで生命をひきずるようにして生きている。と、そこへ明治天皇が亡くなり、後をおって乃木大将が殉死するという事件がおこった。「先生」もまた死を決意する。だが、なぜ…。


夏目漱石「こゝろ」は、高校の現代国語でまる一冊を教材にした授業があり、熟読した作品でした。懐かしく、この物語がどんな舞台になるのか楽しみでした。・・・が、しかし。ちょっと思っていたのとは違い、2.5次元風の仕上がりでした。キャストが「読み師」「語り師」「具現師」にわかれ、「我輩は猫である」の猫らしいナレーターが物語の進行をします。

う~ん。。このシリーズは日本の純文学の有名な作品を扱っているそうなのですが、よく知っている作品なだけに、自分なりのイメージがあって、私のような年配のおばちゃんには抵抗がありました。

役者さんが手に本を持って演じるなら、むしろ座ってじっくりリーディングしてくてたほうが良かったかも。ただ、若い人たちが純文学に触れる動機付けにはなるのかな。

シラノ・ド・ベルジュラックで、ロクサーヌにあっさり振られるヴァルヴァーニ子爵を演じた平野良さんが「先生」でした。ファンの方も多かったようでオーバーアクションで笑いをとっていましたが、この役はそういうのじゃないかも。(ごめんなさい)

明治天皇の崩御で殉死した乃木希典の自刃、明治という時代の終焉に影響を受けた作品という意味では今この作品をとりあげる意味があるのかなあとも思うけれど。

それにしても、Kの死は単純に想い人を親友にとられたというだけの単純なことではないと思いつつ、ああいう死に方されたら、まわりの人間はやっぱりずーっと引きずるんだろうなあと思ったのでした。

Kと同じ女性に想いを寄せ、先に結婚を決めたことを後ろめたく思いながら、なんで教えてくれなかったのかとKに言われ「精神的に向上心のない奴は馬鹿だ」と罵る先生。この、自分のエゴイズムによる「親友の死」と明治天皇崩御による時代の転換。自己矛盾を抱えながら「明治の精神」に殉死の決意をする。。というあたりが、高校生だった私にも当時はよくわかりませんでしたが、今はなんとなくわかるような気がするのは、やっぱり「年の功」でしょうか。

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M&Oplaysプロデュース 「ロミオとジュリエット」@本多劇場G列下手

2018-12-13 21:43:46 | 観劇/コンサート


◆作:W・シェイクスピア
◆翻訳:松岡和子
◆演出:宮藤官九郎

◆出演
三宅弘城、森川 葵、勝地 涼、皆川猿時、小柳 友、阿部 力、今野浩喜、よーかいくん、篠原悠伸、安藤玉恵、池津祥子、大堀こういち、田口トモロヲ


クドカン演出で、三宅弘城さんがロミオって、一体 しかも、台詞は そのまんまシェイクスピアでという興味で、チケットGET。

なにせごっつい50歳のロミオとキャピキャピ23歳のジュリエットですよ~援助交際か

・・・・と、思っていましたが、これが面白かったのですよ。しかもちゃんとロミオとジュリエットに見えるのです。クドカンマジック!

ですが、そこはクドカン様ですから、そのままな訳は無く、めっちゃくちゃ笑えました特にティボルト。ミュージカルで広瀬友祐さんがおやりになったあの燃えるティボルトを、皆川猿時さんですよ

その狂犬っぷり、いや怪猫っぷりすごかったですネズミくわえて走ってましたから 松岡先生の解説によれば、ティボルトというのは、中世ヨーロッパの昔話に出てくる猫の王様の名前なんだそうです。勝地くん扮する(踊りっぷりが前髪クネ男でした)マキューシオがティボルトに「猫の親玉、貴様の九つの命のうちひとつを頂戴する」と言うのも、「猫には九つ命がある」ということわざから来ているそうです。なるほど~ミュージカル・ロミジュリを観る機会があったら、ぜひここチェックしたいです!ティボルトのねちっこいギラギラ感は「猫」だったのね!

ロミオとジュリエットのお話は、悲劇とばかり思っていましたが、考えてみれば結構笑えるシーンや卑猥な台詞がちりばめられていて、『「ロミオとジュリエット」っていうのは、悲劇が喜劇の中を疾走している芝居』という松岡先生の言葉がストーンと胸に落ちたのでした。でも、そこはクドカン。悲劇の塊のロミオでさえ、悲劇じゃおわりませんからね~ キャストは何役もこなし、ひさしぶりにみたイケメン安部力さんは、なんとパリスとモンタギュー夫人、両方やってました。

客席中ほどの通路でも小芝居があり、とっても楽しかったです

台詞にあったとおり、ふたりの銅像も笑えます。。。

それにしても下北沢の駅、変わりすぎ。。。本多劇場側の改札口はまるっきりなくなっていて、案内のおじさんがいなかったらたどりつけませんでしたよ。。。

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Merry Christmas! ロンドンに奇跡を起こした男@バルト9

2018-12-08 22:05:02 | 映画/DVD

監督バハラット・ナルルーリ
製作ロバート・ミケルソン
イアン・シャープレス
スーザン・マレン
ニブ・フィッチマン


キャスト
ダン・スティーブンス            チャールズ・ディケンズ
クリストファー・プラマー       エベネーゼ・スクルージ
ジョナサン・プライス             ジョン・ディケンズ
モーフィッド・クラーク          ケイト・ディケンズ
ドナルド・サムター                ハドック/マーレイの亡霊

あらすじ
1843 年 10 月、ヒット作に恵まれない中、家族や家の維持費で金欠状態だった小説家チャールズ・ディケンズは、どうにかヒット作を生み出そうと奮闘する。新作の執筆に没頭しているうちに小説の世界に入り込んでいき、やがて現実と幻想の境目が曖昧になっていく――。そこで「クリスマス・キャロル」の登場人物スクルージらとの出会いを経て、幼少期の隠された記憶や実父との確執といった自分の問題と対峙していくのだった。


この映画、全くノーマークでしたが、友人のRちゃんからすごくよかったよ!とLINEをもらい、早速行ってきました 近所のシネコンは吹替のみだったので、近場で唯一昼間に字幕上映だったバルト9へ。(ここも昨日の昼間は吹替えのみだったとか。ラッキーでした!)吹替え版もスクルージ役を市村正親さんとのことで素晴らしかったようです。市村さん、この作品には相当思い入れがありますね。

ディケンズといえばオリバー・ツイストやデヴィッド・コパーフィールド、そしてあの二都物語イギリスの下町の香りがぷんぷん。なんというか、同じイギリスが舞台の物語でも、シャーロックホームズやハリポタとは全く違った世界が広がります。それは、この物語でも語られているディケンズの育った環境のようなものもあるんでしょうね。

おおらかだけれど楽天的すぎて計画性のない父との確執や、成功した自分の、暗い過去への嫌悪、トラウマ。溢れるイメージと執筆のための緻密な取材。これは、ディケンズがあの「クリスマス・キャロル」を書き上げるまでの物語なのでした。

もう、なにが良かったって、クリスマスキャロルの世界観そのままなのですよ。さっそく出てくる変なおじさんの名前が「マーレイ」だっていうあたりから、私はワクワクが止まらなくなってしまったのでした。マーレイ。あの、スクルージの共同経営者で、幽霊となって現れた時には真っ青な顔で重い鎖やら鍵やらを体にじゃらじゃら巻きつけてた人ですね。ああ恐ろしい

ディケンズのイメージから生まれるスクルージおじさんもとてもリアル。子どもの頃に読んだ本の挿絵だったのか、はたまたあのミュージカル映画の扮装だったのか、全く私のもつイメージどおりなのでした。そんな風に、作家が思い描いた登場人物たちが実像となって次から次へと現れるのも、また、その人たちが物語りの成り行きを見守ったり意見したりするのも、とても楽しかったです。ちょっと「脳内ポイズンベリー」思い出しました

作家が最初に考えていたクリスマス・キャロルの悲しい結末を、孤児で救貧院出身のメイドが豊かなものに変えて欲しいと願うシーンも素敵でした。そして、作家が創作に苦しんで暴れまくるところは、いつか見たドラマの漱石先生のパニックぶりを思い出します

けちで性格の曲がった孤独な老人が精霊によって過去や未来を見せられ、改心するというシンプルなお話ですが、人の根っこにある善良さを信じたくなる素敵なお話だなあと思います。「クリスマスはこの世とあの世の境が薄くなる」という話は初めて知りました。お彼岸みたいなものかしらメリークリスマス!という言葉はこの作品から生まれ、いまや英語でスクルージ(scrooge)と言えば、守銭奴、ケチを表すのだそうです。チャールズ・ディケンズおそるべし。

ほっこりした気分でエレベーターに乗ろうとしたら、ドアのペイントがメリーポピンズ・リターンズになっていました。2月1日封切りだそうです。観なくちゃ!こちらも舞台はイギリスですね

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仰げば尊しわが師の恩

2018-12-03 23:22:29 | 雑感

12月になってしまいました。

この秋、高校と中学校の二つの同期会がありました。高校でお世話になった物理のK先生は既に鬼籍に入られ、中学校で大好きだった国語のS先生は90歳を超え、なおもお元気で私たちを励ましてくださいます。

この2人の恩師からいただいた言葉が、最近ずんと響いています。

高校の恩師K先生は卒業の日に、それぞれの進路へ旅立つ私たちに自筆の素晴らしいメッセージをくださいました。

「最後に、卒業生のみなさんにつぎの言葉を贈ります。苦しいことに遭遇したとき、逃避してはならない。真正面からぶつかってゆけば、誠意と熱情をもってぶつかってゆけば 道は必ずひらかれる。」

そして、中学校の恩師S先生は、お礼状の返信にこの言葉をくださいました。

「仕事を続けてゆく上では、困難なことも沢山あるでしょう。でも、地道な努力を重ねることで成果はきっと現れてくると思います。歯痒いことや、なかなかわかってもらえない事も多いでしょうが、どうかあなたの慎重さと粘りで頑張ってください。」

高校を終え、大学生となる18歳の私は、誠意と熱情で頑張れ!というK先生の言葉に力強くど~んと背中を押された気持ちになったと思います。大人への、自分の足で歩みを進める長い人生への入口に立っていたから。そして、大学も卒業し、就職し、結婚、子育ても終えた私に、S先生がくださった「あなたの慎重さと粘り」という言葉は、本当に嬉しかったです。なぜならそれは私に一番欠けているものだったから。なんでも首をつっこみたがり、飽きっぽい。根気が続かず長距離走より短距離走が好き。でも、仕事はあきらめないで頑張った。・・・と、思う。そんな自分には最高のほめ言葉に思えて、心から頭がさがりました。

K先生、S先生。突っ走っている時には振り返りもしなかったけれど、こういう素晴らしい恩師の言葉に支えられて現在があるんだなあと、思い知らされた秋でした。

仰げば尊しわが師の恩
教えの庭にも、はや 幾年
思えば いと疾とし、この年月。。。

と、3月でもないのに口ずさんでしまうのでした。K先生、ありがとうございました。S先生、長生きしてください。

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