pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

祝!アカデミー賞:英国王のスピーチ

2011-02-28 15:16:01 | 映画/DVD

「英国王のスピーチ」が作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞受賞です。

あらすじ

ジョージ6世は、王などになりたくなかった。兄のエドワードが、王室が認めない愛のために王冠を捨てたことから、予期せぬ座についたのだ。しかも彼には、吃音と言う悩みがあった。スピーチで始まり、スピーチで終わる公務の数々に、いったいどう対処すればいいのか?王は何人もの言語聴覚士の治療を受けるが、一向に改善しない。心配した妻のエリザベスは、スピーチ矯正の専門家、ライオネルの診療所に自ら足を運ぶ。堅く閉ざした心に原因があると気付いたライオネルは、ユニークな治療法で王の心を解きほぐしていく。折しも第二次世界大戦が始まり、ヒトラーの率いるナチスドイツとの開戦に揺れる国民は、王の言葉を待ち望んでいた。ライオネルの友情と妻の愛情に支えられ、王は国民の心をひとつにするばく、渾身のスピーチに挑むのだがー。

昨夜長女と観に行ったばかりのこの作品。写真の大きな垂れ幕には「アカデミー賞最有力、映画界の王へ!」と書いてありますが、今日はきっと「祝・アカデミー賞受賞!」になっているんだろうな。とってもいい映画なので、これからご覧になる方は以下のネタバレ感想文はお帰りになってから読んでくださいね。充実の2時間でした。

 

数々の賞に輝くこの作品ですが、内容はとっても地味で誠実です。現エリザベス女王のお父様・ジョージ6世の成長の物語。
陛下(コリン・ファース)は極度の吃音でスピーチが大の苦手。おまけにかなりのあがり症。しかし、父王の死後、兄エドワード(ガイ・ピアースですよ!クール・ビューティーっぷりにハイソな香りがたまらなく素敵)が「王冠を懸けた恋」であっさり退冠してしまったため、思ってもいなかった王位に着く事に。そんな彼に言語療法を施してくれるのが名優ジェフリー・ラッシュ演じるライオネル。「ほら、パイレーツ・オブ・カリビアンの怪しい船長さん」と、長女に言ったら、「あ~!肩にサルがのってないからわからなかった」と。ハリーポッターでリチャード・ハリス氏の死後ダンブルドア校長先生を引き継いだマイケル・ガンポンが厳しい父王ジョージ5世。長男エドワードが王の器でないことを早めに見抜き、弟に期待をかけるあまり厳しく厳しく接する父。

左利きの矯正、X脚の矯正、乳母のいじめ()など、幼少期の様々なトラウマが吃音をひどくしていると見抜いたライオネルが、ジョージ6世の心を解きほぐし、「5歳の時の怖れにしばられなくていい。」と語りかける場面では本当に涙が出ました。それにしても兄エドワードひどすぎです。シンプソン夫人の前でデレデレしているところを弟にたしなめられると吃音をバカにしたり、一年足らずで元人妻との結婚のために王位をほっぽりだしたり。この事件、ウィンザー公とシンプソン夫人の「王冠を懸けた世紀の恋」と言われていて私はロマンチックな話だと思ってましたが、イギリス人的には冗談じゃないって感じだったんですね。エドワードはちゃらんぽらんなプレーボーイ、シンプソン夫人もかなりな遊び人でテクニシャン、相当ふざけんな扱いに描かれていました。でも、ガイ・ピアースは本当に素敵

 これは名作メメントのお写真

数々の試練を乗り越え、ライオネルとも一時は疎遠になりながらも英国王の自覚を少しずつ持ち始めるジョージ6世。最後に戦争に向かう国民への大事なスピーチに立ち向かう姿には本当に心打たれました。マイクの向こうで、まるでコンダクターのように見守るライオネル。寄り添う妻、エリザベスの献身的な姿にも打たれます。夫がどんなに周囲から馬鹿にされようと蔑まれようとしっかりとその手を握り、「大丈夫、大丈夫」とほほ笑む妻。で・・・できない。。私にはそして感動的なスピーチ。この実際のスピーチはyou tubeでも聞く事ができます。”W”の発音がいまひとつ・・と感想を述べるライオネルに、「私とわかるように。」と余裕さえみせるジョージ6世にくい。

正式な資格を持たない言語療法士ライオネルが実はシェイクスピア劇が大好きでオーディションに落ちまくっているというのも面白かったです。大音響の中で自分の声がきこえない状態にすると吃音が生じないという実験をする時の台詞はハムレット。オセロやリチャード3世の台詞などもちょこちょこ出てきて、イギリス人のシェイクスピア好きがよくわかります(でもライオネルはオーストラリア人)

ジョージ6世は娘である女王エリザベス2世にとてもよく似ていらっしゃいます。英国史は名前(ジョージ6世の名はアルバート・フレデリック・アーサー・ジョージ・ウィンザー)や関係が複雑でわかりにくいので苦手でしたが、こんな風に映画で接するとなかなか興味深いです。

 ともかく、おめでとうございました!

 

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一体どうやって??

2011-02-27 19:20:07 | 雑感

受験生にとっては正念場の季節ですが、京大、同志社、立教、早稲田などで試験開始数分後にヤフー知恵袋に解答を求める書きこみがあったというニュース。本当にびっくりです。ここまできたかという感じ。ヤフー知恵袋って、私も利用させていただいたことがありますが、本当に全力で答えてくれる人がたくさんいるんですよね。悪い言い方かもしれないけれど、知識を競って書きこむようなところも。

それにしても、受験会場には監視している人が必ずいると思うのですが、どうやってそんな技を使ったんでしょうね~
日本の大学って入る時は死ぬほど大変だけど、入ってしまえばなんとかなっちゃうところが多いので、こんな不正許したくないです。本当に。

でも知りたい。どうやったのじゃ・・・・・

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ナルニア国物語/第3章:アスランと魔法の島

2011-02-26 23:12:50 | 映画/DVD

C.S.ルイス作「ナルニア国物語」7部作のうち、3番目に執筆・出版された「朝びらき丸東の海へ」の映画化。

 

この作品ではピーターとスーザンの兄姉チームはアメリカへ行っていて、エドマンドとルーシーの弟妹チームが冒険を通して大きく成長する姿が印象的です。

 

またナルニア国への入り口も今までと違い、身を寄せていた嫌みないとこの家の「航海の絵」。いきなり海ですからすごいですね~

今回、特に共感したのは、いつも優秀な兄、美しくて聡明な姉にくっついていたエドマンドとルーシーが「自我」に目覚め、劣等感に打ち勝っていく姿でした。ナルニアのカスピアン王子も、「スーザン以上の人には出会えない」とくるし、美しい姉みたいになりたい。でも、自分が彼女になったら、自分はいったいどこにいってしまうの?と悩み苦しむルーシーに、夢に出てきた偉大なライオンアスランが、「自分の価値を見失ってはいけない。自分から逃げてはいけない。」と語りかける場面では、本当にぐっときました。妹は優秀な姉にいつも勝てないと思い続けているのですよ。でも、そうじゃない、自分の価値を知ることだと言いきってくれるアスラン。

 

エドマンドも、カスピアン王子を超えたい、認められたいといつも思っている。自分が一番に・・・と、誘惑に負けそうになりながらも数々の冒険や苦難を王子とともに闘って乗り越えるうちに自信をつけていく。その姿に本当に心打たれました。

 

エドマンドとルーシーに嫌みばかり言っていたいとこのユースチスくんも偶然巻き込まれたこの冒険に加わるうちにだんだんたくましくなり、最後は本当に大活躍して座布団3枚!でした。(なんのこっちゃ)

 

でもでも、やっぱりライオンの勇者アスランや優れた剣士にして水泳の名手でもあり、誇り高く名誉を重んじるもの言うねずみリーピチープが"Your Majesty"と礼儀正しく頭をさげるだけでうるっとしてしまい、何故かチャメの顔が浮かんで涙ぐむ私なのでした。

 

 

 

僕ちゃんライオンでもねずみでもないんですけど。。。。

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Aloha!

2011-02-21 21:45:56 | 雑感

無事、卒業旅行から帰国した次女。数え切れないほどの写真と動画をiPhone4に入れて帰ってきました。もはや時代はデジカメですらないのですね~

この写真はワイキキ・ビーチで、向こうに見えるのはダイヤモンド・ヘッドです。子どもたちが中高生のころ家族で登ったことが懐かしいです。あのころはまだまだ素直で可愛かったな~次女は何故かどこへ行ってもこのポーズで写真を撮ってくるのですが、飛んでる子よりも下にうつっている影がウケます。亀か?虫か?

寝ているイルカと泳いだり、魚の群れに出会ったり、楽しい旅だったようです。若いっていいな。

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おかえりなさいのマドレーヌ

2011-02-19 19:53:40 | 手仕事

ホノルルに卒業旅行に行っていた次女が帰国するので、大好きなマドレーヌを焼きました。4月からはいよいよ社会人。大学の授業も全て終わってあとは卒業式を待つばかり。たぶん人生で一番ゆっくりできる春休みでしょう。いいなあ。

 

ところでこのマドレーヌ、シリコンでできたプーさんとミッキーマウスの型を使いました。シリコン型、優れモノですね~今まで使っていた金属の型は溶かしバターなどを塗らないとくっついたりしてましたが、これは何にもつけなくてもするっとはずれます。プーさんの方はレーズン入り。ミッキーは少しココア強めのマーブルにしてみました。

 

今まではバターとお砂糖を白くなるまですり混ぜてから卵を少しずつ混ぜる作り方をずっと守っていましたが、このシリコン型のパッケージには「溶いた卵に粉や砂糖をいれて混ぜたところにバターを完全に溶かして熱いままザーっと流し入れる」とあり、そんな適当なやり方でいいの~?と思いましたが、試しにやってみました。すると!なんとめちゃくちゃおいしいじゃありませんか道具も汚れないし、バターも飛ばないので後片付けも楽。

 

「このやり方じゃないとダメ」という固定観念、捨てないとだめですね。お菓子作り以外でもそうかもね。

 

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童心にかえってみる

2011-02-16 23:15:14 | 観劇/コンサート

日頃は大きな劇場の公演に出かけることが多いのですが、今日は児童劇団である劇団「風の子」の「おはなしちんどん」を観ました。3年続けてこの劇団の公演を観ていますが、本当に楽しくて子どもじゃなくなってずいぶんたった私でも引きこまれてしまいます。

この劇団に出会ったのは我が家の子どもたちがまだ保育園のころでした。地域のこども劇場で観た「おまつりぴ~ひゃらどん」という演目でしたが、昔あそびのこまやけん玉、なわとびに手まり歌などをちりばめながら語られる昔話が本当に楽しくて、もう大人になってるというのに幼児のように心躍らせたのを思い出します。なんというか、子どもの頃の原風景を思い出すと言うのか、日本人の血が騒ぐのか、なんとも言えないなつかしい気持ちになるのですね。今日の昔話は「子もり泥棒」「柿とやまぶし」「親捨山」でした。

全国で活動している劇団なので若い役者さんもいるけれど、70歳近い役者さんもいて、その方々がもう、本当に身も心も軽く自由なところがいいです。そして生声。先日の新橋演舞場地下のおコンサートなどもそうでしたが、舞台から近い席で生の声を浴びるということのなんという心地よさ。今回もまたたっぷり堪能させていただきました。もちろん客席で観ていた子どもたちの表情も輝いていました

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第3回おコンサート@新橋演舞場地下ラウンジ”東”

2011-02-13 21:57:20 | 観劇/コンサート

出演:四宮 貴久、杉山有大
ピアノ:山野上寛(おけぴ管理人さん)

ゲスト:木村 花代(hana)、武井基治、宇部洋之
歌唱指導:港 幸樹

いつも御世話になっているOkepi主催の「おコンサート」に行ってきました。

「歌のうまい俳優さんに、
大好きなミュージカルナンバーを歌って欲しい!」
「ミュージカルナンバーを間近で生歌で聴きたい!」
「今後注目のミュージカル俳優さんを応援したい!」
今まで抱いてきたこの想い。
さまざまなご縁が実を結び、
間近で生歌、生演奏にこだわった
「おコンサート」になりました。
舞台好きによる舞台好きのための”おけぴ”が
リアルな空間で開催するミニコンサート。
観客目線を大切に
管理人が心をこめて
ピアノ伴奏もいたします。(おけぴHPより)

ということで、山野上さんのピアノ1本に、様々なミュージカルにアンサンブルでご出演の四宮さんと杉山さん、そして劇団四季を退団して間もない木村花代さんや、前回のおコンサートに出演された武井さん、宇部さん、今回の四宮さん、杉山さんのおコンサート出演を強く推したという港幸樹さんが、素敵な歌声を聴かせてくれました。すべて生声素晴らしかったです。

曲目(メモをとらなかったので間違っていたらごめんなさい!)

第1部
What You Own
(RENTより)・・四宮・杉山
神よ、何故(ミス・サイゴン)・・杉山
カフェ・ソング(レ・ミゼラブル)・・四宮
僕こそミュージック(モーツァルト!)・・杉山
 A Puzzlement (王様と私)・・四宮
何故あなたは王妃なのか(マリーアントワネット)・・杉山
私という人間(ルドルフ)・・杉山
ありのままの私(ラ・カージュ・オ・フォール)・・四宮・杉山

撮影タイム・・四宮さん、杉山さん、ラカージュの女装!

休憩

抽選会・・今回は当たりませんでした

第2部
Tonight(ウエストサイドストーリー)・・木村・四宮
Think of Me (オペラ座の怪人)・・木村・杉山
The Proposal/ The Night Was Alive(タイタニック) ・・武井・、宇部
I Love you(尾崎豊)・・木村・杉山アカペラ
民衆の歌(レ・ミゼラブル)・・港さんの指導でキャスト・客席全員で合唱

本当にすごいなと思ったのは、一曲一曲ちゃんとその役になりきって歌われているところです。サイゴンのクリス、レミゼのマリウス、モーツァルト!のヴォルフガング、王様と私のシャム王にマリーアントワネットのフェルゼン・・・アンサンブルとして出演していても、いつかはそういうプリンシパルに・・・という情熱がひしと伝わってくる素敵なステージでした。hanaさんこと木村花代さんは、オペラ座の怪人でクリスティーヌも演じた方で、出てきた時には会場がどよめきました。生クリスティーヌの歌声の美しさには本当に魅了されてしまいました。最後は港さんの御指導で「民衆の歌」大合唱。杉山さんのアンジョルラスも、四宮さんのフィイもとっても力強かったです。港さんのトークも冴えに冴えてました。

帰りには杉山さんと四宮さんから、入場者ひとりひとりにチョコとメッセージの御手渡し。私もしっかりお礼を言って握手していただいてしまいました。応援してますからね~会場でいただいた歌舞伎座名物の紅白のおもち入り「めでたい焼き」もとっても美味しく(歌舞伎座が工事中なので演舞場で売られているそうです)、おなかいっぱいで帰宅しました。

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ゾロ・ザ・ミュージカル@日生劇場1階C列センター上手

2011-02-11 18:47:22 | 観劇/コンサート

脚本・歌詞・原案: スティーヴン・クラーク
演出:クリストファー・レンショウ
音楽:ジプシー・キングス


本日のキャスト
ディエゴ/ゾロ:坂本昌行
ルイサ:大塚ちひろ
ラモン:石井一孝
イネス:池田有希子
ガルシア軍曹:芋洗坂係長
ドン・アレハンドロ/老ジプシー:上條恒彦

STORY

19世紀初期のまだスペイン領だったカリフォルニアが舞台。スペインで自由な生活を送っていた総督の息子・ディエゴが、卑劣な手段で美しい娘ルイサを狙う独裁者ラモンの圧政を知りカリフォルニアに帰国、仮面姿のゾロとなってラモンを倒し、ルイサと結ばれる。



良席をお譲りいただいたので、雪の中いさんで日比谷へ。
ネタバレ満載です




いやあ実はこの作品、まったくノーマークでしたが、すごかったです。最初から最後まで、ここは雪の日比谷ではなくジプシー酒場じゃないかと錯覚するほど。私は通路際の席でしたが、劇場のおねえさんが通路にはみ出した傘やバックを「出演者が通りますから・・」とよけてまわっていたので、おお!客席降りありなのね。。と期待。予想通り、客電が落ちると出演者たちがフラメンコ・ギターの音楽にのって情熱的に登場。すぐ右にフラメンコ・ダンサーのフェルディナンド・ソラノさんが立っていました。


主演のV6坂本昌行さんいいです!歌もダンスもいい!のびのある歌声にスタイルも抜群。さすがジャニーズ!無駄のない、鍛え上げられた筋肉。上半身裸のシーンもありましたが、くらっときました。40歳と聞いてぶっとびました。黒いマントにマスクにブーツがスリムな体によくお似合い。ロープで縦横無尽に飛び回る様は本当にかっこいいの一言に尽きます。チラシやポスターよりも、ずっと若々しく感じました。V6恐るべし。ジプシーのイネス役、池田有希子さんの迫力も出色。この役は島田歌穂さんとWキャストなので、かなりのプレッシャーだと思いますが、色っぽく熱っぽく、すごい迫力のイネス姐さん。少年時代、義父に愛されなかった(と、思いこんでた)ことをトラウマに悪者になってしまうラモンは石井一孝さん。確かスペイン語学科ご出身だったような。濃い~悪代官いや、総督ラモンが意外によくお似合いでした。でも、せっかく石井さんが出ているんだから、もっとソロを聴かせていただきたかったです。その部下、ガルシア軍曹役・芋洗坂係長さんもナイス。この方はお笑い畑の方でしょうか。巨体なのに動きも良く、歌も素敵でした。イネス姐さんへの愛や良心の呵責と、総督への忠誠心の狭間で苦しむ姿も切なかったです。ルイサ役の大塚ちひろちゃんは、レベッカ後、更にレベルアップしてゾロのマントにくるまれて歌っているシーンなどはとてもセクシーでした。ジキル&ハイドの娼婦ルーシーもできるのでは?


ストーリー自体は勧善懲悪のお決まりコースといった感じでしたが、本当にフラメンコやジプシー・キングスの曲の使い方が素晴らしく、内外のフラメンコダンサーズが踊り出すシーンでは鳥肌でした。このダンスのために、舞台をかなり補強したということですが、地響きがすごい。なるほど。そうでもなければ床が持たないほどのすごいダンスでした。女性はもちろんですが、男性のフラメンコの迫力ってすごいですね~なんというか、赤と黒のものすごく濃密な世界で、クラクラしました。


アンサンブルさんたちも初めて拝見する方ばかりでしたが、ソロもびっくりするほどハイレベルで驚きました。ダンスも素晴らしいのですが、やはり海外チームの、生まれた時からフラメンコ踊ってたような抜群のスタイルとオーラには勝てないと思いました。そんな中、日本人チームの土方憲人さんという方がとても光っており、帰宅して調べたらやはり若手注目株のフラメンコダンサーさんでした。またいろんなミュージカルにも出て欲しいです。


お話は劇中劇のような回想シーンではじまり、ディエゴとラモン、ルイサの子役ちゃんたちも登場。今時の子役ちゃんたち、本当に歌がお上手。レ・ミゼラブルのリトル・コゼット出身のお嬢さんもいるとのことですが、今日の子かな?カーテンコールではそれぞれの役の大人キャストと子役キャストが同じポーズでお辞儀する演出が素敵でした。カーテンコールと言えば、海外チームのひとりとプリンシパルキャストが一緒に踊ったのですが、石井さんは踊りながら「雪やこんこん」と歌っていました。石井さんの踊りはちょっと微妙???

ただひとつの心配は、上條恒彦さんです。貫録は十分で動きも良いのですが、声が枯れてしまい、かなりつらそうなご様子でした。まだあと21公演残っているので、無理なさらないといいなあと思います。


情熱のダンスと体の芯まで響くような音楽の嵐。難しいことは何も考えず、ただその濃密な空気に包まれる心地の良さといったら!本当に素敵なミュージカルでした。

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港幸樹トークライブ“VOICE unplugged”in新橋演舞場地下ラウンジ“東”

2011-02-07 23:55:01 | 観劇/コンサート

レ・ミゼラブルの司教様、モーツァルト!の貴族ゲオルク・クリストフ・ヴァーゲンザイル役で素敵な歌声を聴かせてくれた港幸樹さんのトーク&ライブに行ってきました。

 

新橋演舞場の地下ラウンジにグランド・ピアノを運び込み、たぶんラウンジの椅子をそのまま使用。ひざかけもひとつひとつの椅子に乗せてありました。ワンドリンク300円と、

 

この「港むすび」がついています。中は焼きおにぎりと小さなお惣菜。こういうの大好きです。欲を言えばドリンクの中にお茶があればよかったな~

ほぼ開場時間ぴったりに着きましたが、ひとり参加だったので、そんなに頑張らなくても最前列GET.しかも、港さんが登場するドア(正確には間仕切り)のそばだったので、ドキドキするほど近くで鑑賞できました。

オープニングはもちろん、「さあ、はいりなさい~おもては寒い~わずかなパンだがわけあいましょう~」と、司教様。続いては「星から降る金」で、また司教様の「あなたの魂、わたし~が買った~」に戻る。この2曲は同じキイなんですね~と港さん。至近で歌う姿を拝見すると、本当に体全体を楽器のようにして歌を響かせているのがわかりました。すごいなあ・・・

このあと、「僕のライブはトーク&ライブで、しゃべりメインですから。」とおっしゃるように、港さんしゃべるしゃべる。モーツアルト!のぶあついスコアを持って、この作品に登場する曲がどんなに複雑に転調していくかなど、ものすごく詳しく説明。イタリア歌曲Ma rendi pur contento(喜ばせてあげて)を原語で歌い上げた後はラスト・ファイブイヤーで主演もつとめ、数々のミュージカルにご出演の石田佳名子さんがゲストに登場し、モーツァルト!から「人は忘れる」を歌ってくださいました。うまい!アンサンブルさんたちの中でもかなり歌唱力のある石田さん。本当にかっこいい女性でした。

この後、なんと、「ここで舞台メイクをお見せします。」と、目の前でメイクを始める港さん。これはM!の貴族ヴァーゲンザイルのメイクです。きれい!
「カメラお持ちのみなさんはどうぞ!」ということで、フラッシュの嵐になりました。いいですよね~こういうの。素のお顔も撮りたかったけどガマン。

   

続いて鈴木綜馬さんバージョンで「愛せぬならば」12月に「美女と野獣」をみたばかりなので、光景が浮かびましたが、港さんの解説がまた面白かった~CDでその歌の表現に魅了され、何度も綜馬さんのビーストを練習されたそうです。すごい努力家ですよね。

15分の休憩。ここは新橋演舞場ですからね。トイレはいくらでもありますよ~

休憩後はドイツ語で父レオポルト・モーツァルトの「心を鉄にとじこめ」もちろん日本語でもいいけれど、原語で聴く方がより作者の意図が伝わりやすい。エリザベートの「私だけに」なんかも、原語で聴くとかなり力強い曲です。と。確かに、井上芳雄くんのCDで「闇が広がる」を原語で聴いた時、すいぶん印象が違うんだな~と思ったことがありました。勉強になります。
次は石田さんとデュエットで「レベッカ」から「夜を超えて」山口祐一郎さんのマキシムと大塚ちひろちゃんの「私」が焼け落ちるマンダレイ館の前で歌う美しい歌ですね。トークでも、いかに港さんが祐一郎さんを敬愛しているかがひしひし伝わってきました。

港さんは北海道教育大で指揮者をされていたという経歴をお持ちで様々なカンパニーの歌唱指導をされているのはもちろん、塾の講師の経験があったり、こどもたちにも音楽を教えたりしているだけあって、お話が面白いだけではなく、聞く者をぐっと掴んで離さないオーラを持っていますね。なるほど~と聞き入ってしまいました。とっても楽しいお話の中に、「もちろん、その曲やその絵画が素敵だと感じるだけでもいいけれど、その背景にあるものを教養として学びとることで、より深くその芸術を感じることができる」「自分が好きで選びとったことはきっちりやらなくてはいけない」など、説得力のあるお話がたっぷり聞けました。

そしてそして、最後は極めつけ!「モーツァルト!」で、ヴォルフガングがザルツブルグ領主コロレド猊下のさしがねで皇帝陛下御高覧予定のコンサートをキャンセルされたことに激高し、かつらを投げつけて決別するシーン。猊下の「何処だモーツァルト!」の歌のバックに流れる貴族や召使いたちの「バカ、アホ、ドジ、まぬけ・・・・」のコーラスを観客みんなでやりましょう!と、歌唱・振付指導をされたんです。もう、すごい楽しい!実はこの歌、何と歌ってるのかやけに気になり、覚えたいと思ってたもんですから。港さんによれば、ここの振りはアンサンブルさんたちもすごく楽しんでやっているそうです。客席にいた菊池まさはるさん(レミゼで工場長やってた人)や石田さんもそれはそれは楽しそうにやっていました。「神の申し子~奇跡の子~だ~」もやってみたい!

生ピアノにマイクなしの生声。しかもかぶりつきの至近距離。こんなに楽しいライブなら、何度でも参加したいです。「僕は口から生まれましたから。」と、3時間よどみなくしゃべりまくりながらも、決して損なうことのない品性、ちょっとだけ曲のフレーズを紹介する時でも必ずピアノでキイを確認する律儀さ。・・・惚れました。そしてそして、なんと主催者大サービスの抽選会(ジャンケン会?)では、港さんとのジャンケンで勝ち残り、演舞場本体でやっている「ペテン・ザ・ペテン」のS席チケットGET!しかも港さんに手渡しでいただいてしまいました。

終演後、ひとりひとりにライブ名の入ったホカロンをお手渡ししてくださる港さん。3時間たっぷり楽しませていただき思わずお礼を言って握手してもらっちゃいました!夢のよう。来週は東宝ミュージカルのアンサンブルさんによる「おコンサート」が同じ会場で開かれるそうです。アンサンブルで、一曲通しのソロはないけれど、本当に良い声お人達がたくさんいらっしゃいます。そんな方々にたっぷり聴かせていただくという企画。素敵。かつてレミゼラブルで、陥落するバリケードの向こうから「砦の者よ、よく聞け~」と歌いあげるアーミーオフィサーの声があまりに素晴らしく、一体だれが・・・と思ったら名もないアンサンブルさんで驚いたことがありました。すでにチケット完売だそうなのでキャンセル待ちしていますが、行けたらうれしいなあ・・・

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チャメ、生爪をはがす。イタタタ。。。

2011-02-06 15:21:40 | 

春を感じる陽気になり、夫が外で車の手入れをしているのをながめながらお昼寝していたチャメですが、お隣のご主人が出てきたのに驚いてパニックを起こし(別にこわそうな方じゃないんですけどねえ・・・)あわててものすごい勢いで家に飛び込んでしまいました。

「まったく人見知りもいいかげんに・・・」と、ふとみると、床に血の足跡が点々と…その向こうのチャメの左足先が血で染まってる

え~どしたと、あわてて病院へ連れていくと、「生爪2本はがれちゃったね~でも、大丈夫ですよ。猫にはよくあることだから。」と、ちゃちゃっと消毒してお薬をつけておしまいでした。

どうも、びっくりしてグッとふんばって、そのままダッシュしたために生爪がはがれてしまったらしいのです。血もすぐにとまり、今はもう落ち着いて寝ています。獣医さんに行く前は暴れて消毒もさせなかったし移動用バックに入れるのも一苦労だったのに、診察台にあがるときちんと座って(腰が抜けてた?)怪我した足先もおとなしく処置させ、終わるとすうっとバックにおさまっていました。心配させないでよね~まったく。

そういえば、娘たちがちっちゃいころにはよくこんなことがあったなあ。花火でやけどをしたり、転んでたくさん出血して救急病院へ駆け込んだり。。ハラハラさせてくれますよ、まったくウチの長男たら。

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エディット・ピアフ@天王洲銀河劇場2階BOX席前列

2011-02-05 23:20:48 | 観劇/コンサート

エディット・ピアフ:安蘭けい
イヴ・モンタン/テオ・サラポ(二役):浦井健治
マルセル・セルダン:鈴木一真
シモーヌ:佐藤仁美
警官:八十田勇一
ピアフの母(幻)/テオの母(二役):床嶋佳子
レイモン・アッソ/テオの父(二役):中嶋しゅう
ルイ・バリエ:甲本雅裕

<ミュージシャン>
アコーディオン(桑山哲也)、ピアノ(岩間南平)他


久しぶりの銀河劇場へ。はじめてのBOX席でした。ここは、劇場が「アートスフィア」と呼ばれていた時には貴賓席だったそうで、個室専用のドアを入ると4つのゆったりした座席があります。そして、BOX席のエリアには専用のトイレまであるんです~先日テレビで見たプリティーウーマンでも、ドレスアップしたジュリアロバーツがリチャードギアと一緒にこんな席からオペラをみてたな~なんか贅沢感いっぱい。なのにお値段は普通にS席扱い


ピアフの安蘭けいさんは初めて拝見しましたが、すごい存在感でびっくりしました。悲惨な環境に育ち、次から次へと恋をする奔放なピアフ。彼女に寄り添って離れない亡き母の幻は床嶋佳子さんですが、こんな「場末」な感じも出せるんだ~とびっくりでした。床嶋さんは2幕でテオ(浦井くん}のお母さんの役も演じていますが、こちらのいかにも中~上流の奥様もきっちり演じられていました。


浦井くんは一幕のイブ・モンタンと二幕のテオ・サラボの二役ですが、とっても美味しい役です。テオは二幕に上手客席通路や上手BOX席に現れる演出で、下手からはばっちり見えました。浦井くんが登場すると、舞台がぱあっと華やかになります。イブ・モンタン「枯葉」には、本当に魅了されました。うまくなりましたよね~本当に。劇場の空気を一瞬で支配してしまいました。


でも、やはり何といっても安蘭さんです。ピアフのどうしようもない悲しみや掴んだ愛への一途な気持ちが痛いほど伝わり、最愛の恋人マルセルの死を知った後、絶望の中で歌い上げる「愛の讃歌」では鳥肌がたちました。立っていられないほどの悲しみの中でまっすぐに亡き恋人を見つめながら歌うピアフの瞳にあふれる涙。すごいです。


これが最後の恋なのかと思いきや、最期は20才も若い夫に看取られて旅立ったのですね。波乱万丈ではあっても、幸せな一生だったのでしょうね。


妹・シモーヌの佐藤仁美さんとマネージャーのルイ・バリエ、甲本雅裕さんが好演でした。中島しゅうさんは、もう出てきただけで舞台がぐっと落ち着きますね。床嶋さんと中島さんがご夫婦でピアフの最後の結婚を祝福するシーンでは、本当に心が温かくなりました。ピアフほどの大スターが、夫となる人の両親に会う際に少女のように震え、緊張しているのも印象的でした。


シャンソンて、あまり馴染みがないしどうしようか迷いましたが、本当に行ってよかったです。


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鬼は外!

2011-02-03 21:25:56 | 雑感

今日は節分。東北の雪はどえらいことになっているようですが、東京ではたいした雪も見ないまま春がくるんでしょうかねえ。

毎年この日には浜田廣介の「泣いた赤鬼」を読みます。
人間と仲良しになりたかった赤おにが親友青鬼の厚い友情によって夢を実現させますが、代償として大切な友を失うというせつない物語です。

赤鬼が、しばらくぶりに訪ねた青鬼の家に貼ってあった手紙のくだりで、いつも泣いてしまいます。

「赤鬼くん、人間たちと仲良くして、楽しく暮らしてください。もし、ぼくが、このまま君と付き合っていると、君も悪い鬼だと思われるかもしれません。それで、ぼくは、旅に出るけれども、いつまでも君を忘れません。さようなら、体を大事にしてください。どこまでも君の友達、青鬼。」

赤鬼は、だまって、それを読みました。二度も三度も読みました。戸に手をかけて顔を押し付け、しくしくと、なみだを流して泣きました。

青鬼の家は、山また山の奥深い谷、その険しい崖端にあります。「ひさしの端から、冷たい露がたれおちて、戸口のそばの笹の葉を濡らしていました。笹の藪から山百合が白い大きな花を咲かせてたっていました。 戸口はしまってあきません。」

そんな描写にも、人間と仲良しになって温かい縁側で楽しくお茶を飲んでいる赤鬼の境遇と対照的な青鬼の深い孤独を感じます。きっと青鬼にとって赤鬼は本当にかけがえのない大切な大切な存在だったのでしょう。この「戸口の手紙」を読んだ赤鬼の慟哭が聞こえてくるようです。

聞くところによると、作者は節分の日に決して「鬼は外!」とは言わなかったそうです。

そんなことを思いながら、今日は恵方巻を買って帰りました。そしたらなんと夫も長女も「恵方巻買ってきたよ~」と帰宅。豆まきはしないけどみんなで南南東向いてたっぷり握り食いしました。

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