pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

貴婦人の訪問 THE VISIT@シアタークリエ7列センター

2015-08-30 23:11:08 | 観劇/コンサート

【演出】山田和也

【脚本】クリスティアン・シュトルペック
【歌詞】ヴォルフガング・ホファー
【音楽】モーリッツ・シュナイダー、マイケル・リード
【編曲】マイケル・リード
【企画】クリスティアン・シュトルペック
【原作】フリードリヒ・デュレンマットの戯曲
              「老貴婦人の訪問」鳥影社刊

【出演】

山口祐一郎 涼風真世

春野寿美礼 今井清隆 石川禅 今拓哉 中山昇 他

【あらすじ】
 億万長者の未亡人となったクレア(涼風真世)が財政破綻寸前の故郷、ギュレン市に戻ってきた。人々は、かつての恋人アルフレッド(山口祐一郎)がクレアに財政援助を頼んでくれることを期待していた。そして、クレアを迎える晩餐会。大々的な市への援助を約束したクレアだったが、多額の寄付金と引き換えにある条件を提示する。それは―「アルフレッドの死」。
クレアの目的は? 
そして、家族や友人がアルフレッドに対して下した決断とは―


いや、この作品のキャストが発表になった時には正直びっくりでした。クリエから徒歩5分のあの劇場でエリザベートが上演されている時に、その舞台のプリンシパルだったOB,OGがそろってこちらの舞台に立つとは・・・新生エリザの大ブレイク、先輩の皆さんもモチベーション上がったでしょうね

さて、トニー賞では真っ白なドレスを纏った82歳のチタ・リヴェラさんの堂々たる演技が話題になったこの作品ですが、日本版の涼風さんも、細い体ながらものすごい迫力でした。あのまま帝劇へ行ってゾフィ皇太后もやれます!

お話しは正直あまり好みではありませんでした。かつて自分を痛めつけた恋人や街の人々をお金の力で復讐していくクレア。最初は寄付の条件に驚き、嫌悪をあらわにする人々が、次第にお金の力に魅かれて変化していくさまは、滑稽というより恐ろしい感じ。。。彼女の本当の目的はかつての恋人の死というより、町の人々への復讐にあったように思います。人の心を試し、あやつり、翻弄する。。。絶対許してくれないクレア怖すぎ。。。

狙われるアルフレッド、山口さんは珍しく普通の雑貨屋のおじさん。次期市長と言われていましたけれど、貫禄たっぷりで王侯貴族のような今井市長様(バルジャン思い出します!あ、あの時はマドレーヌ市長。)とは全然違います。ホント、フツーのワークシャツにエプロンのおじさん。

そんな人の良さそうなアルフレッドですが、若い日にクレアにとんでもない仕打ちをして彼女を捨て、お金目当てで雑貨屋の娘マチルドと結婚します。ここが、どーーーーも納得いかない。普通ったって、本当に普通の雑貨屋のお姉さんとお金目当てに結婚してラブラブの彼女捨てるかなあ・・・今の暮らしだってそう裕福な感じではなし。その辺が最後までひっかかっていました。

まあ、そんなことはあちこちありましたが、なにせ今井清隆、今拓哉、石川禅の3ジャベール@レミに加えて中山昇エルマー・バチャーニ@エリザベートが(今さんはエルマーも)4重唱ですから!こんな豪華なことはありません!アンサンブルにも俵くんやら谷口さんやら、エリザベート組の河合篤子さん、レミゼでは司教様だった港幸樹さん、武内耕さんや、さけもとさんだっているんですから。なんだかクリエの舞台がせまく感じて、この面子なら帝劇で十分やれるよね~などと思ってしまいました。とにかく楽曲は素晴らしいです

ただ。。。う~ん。。なんだなあ。。山口さんはやっぱり黄泉の帝王とか、吸血鬼の伯爵とか、オペラ座の地下に住んでる怪人とか、この世の人ではないお方、またはマントの似合う王侯貴族や大司教といったあたりを担当していただきたい感じです。この役はなあ・・最後の最後までなんだかなあ・・なのでした。クレアが彼を「私の黒豹」と呼び、裏切られて遠く離れてもなお彼の代りとしか思えないリアル黒豹を慈しむというほどの素敵さが。。。ご本人閣下の劇団四季時代を「黒豹のようだった」と誰かが言ってましたが、それは納得しつつ、さて今回のアルフレッドがそのようなカッコよさ、クールさを持っておられたかたというとちょっと首をひねってしまうのです。ポスターのお写真みたいな扮装にすればよかったのに

それにしても、お金目当てとはいえ結婚して2人も子どもをもうけ、「あなたのことは私が守る」とまで言ってくれる可愛い妻(春野さん本当に清楚で可愛い妻だった)に、「私の事を愛したことはなかったの?」と言わせるなんて最低。自分が捨てた恋人に「君だけを愛していた」とかいうの最低。ですよね~

若く、無邪気に愛し合っていたころのふたりと現在のふたり、4人が重なり合って歌う場面はとても美しく悲しかったですけれど

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ウーマン・イン・ブラック@PARCO劇場E列下手

2015-08-28 23:00:44 | 観劇/コンサート

原作 スーザン・ヒル
脚色 スティーブン・マラトレット
演出 ロビン・ハ-フォ-ド
翻訳 小田島恒志
出演 勝村政信 岡田将生 

あらすじ
 ヴィクトリア様式の小さな劇場舞台には特別な装置やセットはなくガランとしているそこへ中年の弁護士キップスと若い俳優が相次いで現われるキップスには青年時代家族や友人にも告白できないような呪われた体験があった以来その記憶のために悪夢に悩まされ安らぎのない日々を送っていたのだ悩みぬいた末キップスはこの忌まわしい記憶を家族に打ち明けようとするあの怪奇な出来事を劇場で語ることによって悪魔祓いにかえ呪縛から解放されようというのだその手助けに若い俳優を雇ったのだった
  キップスの告白はひどく長いそのため俳優が“若き日のキップス”を“キップスが出会った人々”をキップスが演じるという上演の形が俳優から提案されるそして芝居は始まった
  若きキップスは勤務先の弁護士事務所の顧客アリスドラブロウ夫人の死から語り始めたこの身寄りのない老婦人は北イングランドの片田舎で亡くなりその葬儀と遺産整理のためにキップスが現地まで行くことになったのだ夫人は地元の町クリシンギフォードの誰とも交流を持たずにナインラインライフコーズウェイの先イールマーシュの館で暮らしていたそこは潮が引いた時にしか行き来のできない孤立した場所だクリシンギフォードの人々はキップスがドラブロウ夫人の名前を出す度に表情を凍りつかせ不審な態度をとるのだった彼女の葬儀に参列しその後で館を訪れた彼はそこで人々の態度を理解することになった
  彼は見たのだ葬儀の教会とそして無人の館の裏でいるはずのない黒い服の女を
中年のキップスは録音技術による効果音にも助けられ勢いを得て俳優との過去の再現に熱中していく
  恐怖の体験から一夜置いた若きキップスは町で事情を知るはずの人々に自分の見た女が誰かドラブロウ夫人とその館にまつわる因縁が一体どんなものかを問いただそうとするが真実は闇の中だそれでもキップスは再び館に戻り自分の仕事を果たそうとする
  再び館で迎えた夜彼がそこで体験した出来事その後の彼を襲うさらに恐ろしい悲劇
キップスの記憶が再現されるにつれ劇場でも奇妙な変化が起きていた

 


怖い話とかホラー映画とか全く苦手なくせに、岡田将生くんの舞台というだけで後先考えずにチケットをとってしまいました。。。 あの方の東海道四谷怪談は「怖くて無理・・」とスルーしたくせに、ひとでなしと呼んでください。。

で、ウーマン・イン・ブラック。今回も端席でしたが、いないはずの左側に誰かがいるような恐ろしい気配もかんじたりして、まじ怖かったです。。。

岡田くんは、ランボーとヴェルレーヌの禁断の愛がテーマだった皆既食では、若さと美しさを前面に出していましたが、今回は膨大な台詞、複雑な演技に挑戦していました。きちんとしたスーツ姿の美しいことといったらどの角度も絵になるったら

勝村政信さんはこの役を亡き斉藤晴彦さんから引き継ぎ、緻密な演技。劇中劇で自分自身と出会った様々な人物を演じ分け、時に本人キップスに戻り、ひとりひとりがちゃんと別人に見えるという素晴らしさ。うなりました。

岡田君との相性もぴったり。見えない犬、スパイダーも登場しますが、本当にふたりの間を犬がしっぽを振って走っているように見えます。この舞台、観客の想像力が演出の半分を担っている感じ。

ストーリーは英国の怪談噺ですが、日本の怪談にもあるような因縁めいたエピソードもあり、西洋お化け屋敷の趣もありで、納涼ポイント高かったです。特に最後のオチは、子どもを持つ親には芯から恐ろしい。。。。どきりとする効果音や懐中電灯の光、蝋燭にうつしだされる影など、じわじわとおそろしさを感じる仕掛けがあちこちにありました。一幕はやや説明的ではありますが、暗転の際の小道具の移動なども舞台上の役者が行い、その物音さえゾゾゾ。。。通路使いもあり、下手は美味しいかも。音響、照明、舞台装置、この演目ってこの劇場にぴったりだな、と感じました。

あのくらいなら許容範囲かな~と思いましたが、帰り道、駅の駐輪場に行くと節電で薄暗く、また人影がなく、なんだか背筋がぞぞっとして、黒い衣装の女の人がいたらどうしよう。。。と怯えてしまったいくじなしな私なのでした。

 

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エリザベート(井上トート)@帝劇1階J列最上手 MY楽!

2015-08-22 23:34:10 | 観劇/コンサート

    

ついにMY楽の日が来てしまいました。。。 今回は井上トート閣下と、待望の花總エリザベート

最後なので三月うさぎ師匠と帝国ホテルの写真パネル展も見てきました。何度見ても素敵

おしゃべりしていてまたもブランケットを借りられませんでしたが、今日はそんなに冷房きつくありませんでした。最上手、樺太席だったから?寒いだろ、樺太は。。。とセルフツッコミ。。。

そして本編。むむむむ!井上閣下、進化してる!前回はピーターパンみたいだったのに、動きに重厚感と落ち着きが出てる!黒いマニュキアをまとった指先の動きもものすごく繊細。世界をあやつるトートビームがその細い指先から!

結婚式のシーンでは、回を重ねたかいがあり、そろそろ。。と思うタイミングで後部入口をチェック。閣下が客席ドアから入り、通路を音もなく歩いて舞台に到着するまでを見届けました。本当に気配消してます。そしてラストの表情は、前回感じた「ゲームオーバー!」ではありませんでした。虚空を見つめ悲しいでもなく嬉しいでもない、「これでよかったのだろうか」という感じ。なんとも言えない余韻の残るラストでした

花總エリザベートはレジェンドと言われるほどなので、その品位と落ち着きが前半の「おてんばすぎるよ~♪ 」な、未熟シシィに合わないのでは?と懸念していましたが、そんなことは全然なく、登場のかなり幼い少女も完璧に可愛かったですむくれた表情も、鹿を見つけて目を輝かせる時も、ほんと可愛いそれでいて、くやしさに涙を流し、自我に目覚め、次第に閉じこもっていく姿も違和感なく、「女の一生」を見事に見せてもらったという印象でした、すごいです。

城田トートとの組み合わせも観てみたかったな~!!今回はトートありきで組み合わせまで選ぶ余裕ない激戦でしたからね。でも、贅沢は言っていられません。

本当に素敵な世界を見せていただきました。あ~終わっちゃった~

今日はおけぴ観劇会だったので、そこここに「おけぴ観劇会」のミニのぼりがありました。カード会社でもなく、大手チケット会社でもないのに全館貸切って、すごいことです。

カーテンコールの最後には、井上くんから「おけぴの皆さんで、演劇界に革命をおこしましょう!戦う者の声が聞こえるか~!」と、力強いメッセージがありました。

おうちについたら、三月うさぎ師匠から堀北真希さんと山本耕史さんご結婚!のメールが。おお!今日は帝国ホテルロビーで結婚カップルの記念撮影を目撃。あれは暗示だったのか。。。。

本日ご結婚された写真のお二人も、山本ご夫妻も、お幸せに!夜のボートで漂うことがあっても、人生のゴールは寄り添ってください!

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エリザベート(城田トート)@帝国劇場2階B列センター

2015-08-19 19:59:27 | 観劇/コンサート

毎週「表参道高校合唱部」でのラフなお姿を見ながら、城田閣下のトート姿(なんかこのいいかた変か。。)を再び!と、この日を首をなが~くして待っておりました。

そして、気がせいていたせいか開演17:30と思い込んでいた私。でも、おかげさまで劇トモ(この日トリプル観劇してきた猛者)とゆっくりお茶してから帝劇入りできました。

今回は2階からの観劇です。通路使いは見きれますが、舞台は正面からすっぽりと視界におさまり、気分爽快ストレスなし

城田トート閣下は更に死神度アップ動きがもう、いちいち優雅でしかも気配がない。。。シシィが木登り失敗で転落し、みんながびっくりして集まっていた場所から閣下がすうっと離れる時、人の体をすり抜けるのを見た人と人の間じゃないですよ。人の体を透明になってすり抜けたんですまぢです。あの方は正真正銘、この世の人ではありません。(確信)浮遊さえしてましたから。もうもう、しょっぱなからそんなの見てしまった私。正気でいられるはずもなく、まぎれなく魂抜かれました腑抜けですもう、何も言う事ありません。

 

蘭さまは、あちこちで色々言われているので自粛しますがついはらはらと見守ってしまうことはあれど、嫌いじゃありません。なんでだろ。なんでかわかりませんが、この人は結局、自分が「美しい」ということ以外何も持つことができなかったんだな、と、感じました。夫はあんなに丸ごと愛してくれたのにね。

今回お初の松也ルキーニ。悪くないです。発声が歌舞伎っぽい?と一瞬だけ感じましたが、歌えるし、十分狂言回し役を果たしています。小鳥ちゃんがあらぬ方向へ飛んでしまった時も、うま~く場をつないでいました。さすが!

佐藤皇帝陛下は、品のある素晴らしい歌声もうひとりの皇帝陛下よりも、年老いかたに説得力がありました。しかし、子どもは3人ももうけたものの、あんなに自分に近寄りもしないで自己中心的に動く妻に「心優しいエリザベート!」「心から愛しているよ」と言い続けられる陛下ってある意味すごい。

先日、井上トート閣下のラストシーンの表情が「ゲームオーバー」と言っているように見えたと書きましたが、今回の城田トート閣下は何も表さない、空虚な表情に見えました。愛を手に入れたとか、そういう高揚感はどちらにも感じず、あるのはただ闇なのか。。

そうそう、職場の若手も1階最後列で同じ回を観ていました(初見。)彼女は宝塚エリザベートは観たことがあったそうですが、城田トートに完全に魂もっていかれ、翌日になってもまだ現実に戻れないと、うっとりとろけた瞳で話していました。そうだろう、そうだろう。幕間に売店で高額オペラグラス即買いしました!と。。。そうして闇は広がり、ビョーキは拡散していくのであります次は土曜日、MY楽は井上トートです

 

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劇団☆新感線35周年 オールスターチャンピオンまつり『五右衛門vs轟天』@赤坂ACT2階D列センター

2015-08-16 21:22:39 | 観劇/コンサート

作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
作詞:森 雪之丞 いのうえひでのり
音楽:岡崎 司

出演:古田新太 橋本じゅん/松雪泰子 池田成志 賀来賢人/高田聖子 粟根まこと

右近健一 河野まさと 逆木圭一郎 村木よし子 インディ高橋 山本カナコ 礒野慎吾 吉田メタル 中谷さとみ 保坂エマ
村木 仁 冠 徹弥 教祖イコマノリユキ
武田浩二 藤家 剛 加藤 学 川島弘之 川原正嗣 伊藤教人 南 誉士広 熊倉 功 
上田亜希子 嶌村緒里江 谷 須美子 吉野有美

バンド:高井 寿(G.) 福井ビン(B.) 松田 翔(Dr.)

あらすじ:
時は現代。Dr.チェンバレン(粟根まこと)率いる悪の一味ブラックゴーモンが、地球規模で暗躍中。その悪業(?)に手を焼くインターポール(国際警察)は、彼らが石川五右衛門(古田新太)のDNAを持つことを発見。たまたま彼らの縄張りを荒らしていた剣轟天(橋本じゅん)は、ブラックゴーモン撲滅のミッションを受け、スーパーインターポールのアンドリュー宝田(賀来賢人)と共に、400年前へタイムトリップすることに。。。。


 今はなき新宿コマ劇場で五右衛門ロックを観てからはや7年。もう、ほんっとにず~っと面白い!

古田新太さん、橋本じゅんさん、池田成志さん、もちろん高田聖子さん、ひとりで十分爆発的に濃い方々が勢ぞろい、しかも今までの五右衛門登場キャラのパロディーをそこここにちりばめているので、面白くないはずがありません!

オープニング!ジューダス・プリーストが流れ、発車ベルが鳴り響くともう、テンションMAXキャストのみなさんのなりふり構わない暴走が楽しいのなんの。だいたい、今回の轟天の使命というのがもう。。。昼間っから口に出しては言えないストレートなシモネタなのでした。

池田成志さんは、最初に登場したとき、まったく誰だかわかりませんでしたが、あの独特の発声法はもしや。。。と思い、2番目に登場したときのキャラ「ばってん不知火」でようやく確信。束チラシと一緒のリーフレットにヒントありですが、観てしまわないほうが楽しめるかも。ばってん不知火、かなりのハードワークなので、「鋼鉄番長」の時にアキレス腱を切って降板になったことなどもネタにされてました。そういえば、あの時は橋本じゅんさんも重度の腰痛で降板だったんだ。。今回は舞台中央の階段もひんぱんに使うので、ちょっとハラハラもしちゃいました。古田さん、高田さんの色気は鉄板!すごいです。冠くんとイコマ教祖が両脇で歌いまくるっていうのもすごい豪華

そ~んな老婆の老婆心もなんのその、パワーは全開!ついこの間まで新橋演舞場「阿弖流為」で華麗な剣さばきを見せてくれた川原さんも、ダークナイト16と、マローネ様お付のエスパーダとして美しい殺陣を見せてくれました。まじ、ほれぼれ。

今回、一番心配していた賀来賢人くんがいい!花子とアンの時は、あの時代の農家の兄やんや憲兵さんにはあんまり見えない感じで、???という印象でしたが、新感線のはちゃめちゃなんでもあり舞台に意外にも馴染んで違和感nothing!お顔が本当に小さく、立ち姿がきれいボロボロになってオカマの〇〇さんん!と言われた時でさえ素敵でも、絶対にシヤ〇〇のパロだよね~と思うシーン多し。特に最後の衣裳アンドリュー宝田って。。。

劇団員さんたちも、客演のみなさんも、ほんっと楽しそう。いつもは地味なインディさんの見せ所もいっぱいありました。吉田メタルさんでかい!中谷さとみちゃん可愛い!あやしい武器商人、大好きな右近さんの出番がちょっと少ない!粟根さん、今回は歌あり、夫婦ネタありでおいしいですね。いつもホント渋いです。銀髪で黒マント風味で出てきたときは、トートやれそう!と思っちゃいました。夏休みを意識してか、歌って踊るミュージカル風味あり、ちゃんばら風味あり、マスクプレイ風味あり、ジブリ風味もあり、五右衛門シリーズに馴染んでるツワモノたちのツボをくすぐる風味もありの、めちゃくちゃたのしい味付けになっていたのでした。笑った笑った!めちゃくちゃ笑った!しかし、いっつも思うけど、新感線って、男子校ノリですよね。女子たちも全然いやじゃなさそうですが、うるさいおばちゃんにはセクハラと言われかねないスレスレ感満載でも、結構年配の観客もいらっしゃいました。

客席には、ばってん不知火の応援グッズあり。くるくる回します。阿弖流為グッズと違って回収なし(笑)

ロビーにはぬらくら森の悪ガキⅠ(紅のブタも担当)逆木さんの渾身のレゴ作品が展示されてました。すごい!前にいる3人は左から真砂のお竜・ばってん不知火・アンドリュー宝田ですね

 あ~楽しかった。

じつは、昼間は地方から帰省している友達を囲んでEsolaの「あやの」でランチ(おいしかった)とおしゃべりを楽しんだのですが。。。

 

みんなと別れて明治神宮前から千代田線に乗り換えたらホームに停車している車内が真っ暗。冷房も入っていない様子。乗客もなんだかそわそわして不穏な空気。中央線には運転見合わせがあったらしいけど。。しばらく待っていましたが、アナウンスもはっきりしない。どうも停電で運転見合わせらしく「タクシー使う?」などと囁き合って降車する人もあり、私も開演に間に合わないと困るので副都心線に戻って渋谷から銀座線で山王溜池まで行き、そこから歩くことに。赤坂駅なら直結なのに

帰りの地下鉄内で検索したら、復旧するまでかなり時間もかかった様子。この劇場は、ロミオ&ジュリエットを観た帰りに台風の影響で電車が止まって帰宅に4時間(ふつうなら40分)かかった苦い経験があり、鬼門かも。。。いやいや、そんなことはない。そんなことはないのだよ来月またくるかも知れないんだから

ともかく、開演ぎりぎりに駆け込むのではなく開場前に到着してゆっくりお茶をのむくらいの余裕は必要ということですね。

 

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もとの黙阿弥~浅草七軒町界隈@新橋演舞場1階10列上手

2015-08-14 20:22:43 | 観劇/コンサート

作:井上ひさし
演出:栗山民也

出演:
六代目 片岡愛之助
貫地谷しほり
波乃久里子
真飛聖
早乙女太一
浜中文一
大沢健
床嶋佳子
渡辺哲

あらすじ:

時は文明開化の明治。所は浅草。
黙阿弥の新作まがいの芝居を上演して興行停止の処分を受けてしまった芝居小屋・大和座の座頭 坂東飛鶴(波乃久里子)と番頭格の坂東飛太郎(大沢 健)は、しかたなく「よろず稽古指南所」をひらく日々。
今日も野菜売りの安吉(浜中文一)たちが「かっぽれ」を習いに来ている。  
そこへ男爵家の跡取りの河辺隆次(片岡愛之助)と、書生 久松菊雄(早乙女太一)が訪れる。隆次は姉の賀津子(床嶋佳子)が勝手に決めた縁談の相手と舞踏会で踊らねばならず、久松のすすめで飛鶴に西洋舞踊を習うことにした。  
二人と入れ違いに現れたのは長崎屋新五郎(渡辺 哲)。良縁が舞い込んだ娘のお琴に西洋舞踊を仕込んでほしいと頼む。
翌日、やってきた長崎屋お琴(貫地谷しほり)は女中のお繁(真飛 聖)と入れ替わって相手に会い、その人柄を確かめたいと言う。  
ところが当日、隆次と久松も同じように入れ替わって登場したからさぁ大変!互いの入れ替わりを知らないままの出会いが、七軒町の住人たちを巻き込みながら、思いもよらない大騒動へと発展していく…。 


 

  天井近くには「大和座」の大提灯。

この作品、2005年8月の再演バージョンを観ました。ブログを始めたのはその次の年なので、その時どう感じたのかどこかに書いておけばよかった。。10年もたっているのに、結構印象に残っている言葉もありました。特に最後のどきりとする台詞。(ネタバレになるので自粛)

再再演・再演・初演のキャストはこんな感じ。

河辺隆次=片岡愛之助←筒井 道隆 ←片岡 孝夫 現・仁左衛門
長崎屋お琴=貫地谷しほり ←田畑 智子 ←大竹 しのぶ
久松菊雄=早乙女太一 ←柳家 花緑 ←古今亭 志ん朝
船山お繁=真飛聖 ←横山 めぐみ ←水谷 良重
河辺賀津子=床嶋佳子 ←池畑 慎之介 ←有馬 稲子
長崎屋新五郎=渡辺哲 ←辻 萬長 ←名古屋 章
坂東飛鶴=波野久里子 ←高畑 淳子 ←渡辺 美佐子
坂東飛太郎=大沢健 ←村田 雄浩 ←?不明)

初演のメンバーは、ほとんどあてがきのような感じで、仁左衛門さんの得意な演目などもある場面で出てきます。こうした歌舞伎テイストの場面で本物の歌舞伎役者さんがわざとぎこちなく演じるところに面白さがあるんだなあと、愛之助さんを見て思いました。筒井くんの時はフツーに学芸会演技(その場面だけです)でしたから。

井上先生の解説によると、最初は「ナンノダレソレ」という仮の姿で登場した人物が、実は「ナンノダレガシ」という本来の姿をあらわしてくる、これがあっちこっちで同時多発、その爆発時のエネルギーが筋を進めて行く、というのが狂言作者たちの作劇法なのだそうです。シェイクスピアの「十二夜」や、「間違いの喜劇」なんかもそんなお話。「王子と乞食」だってそうですね。観客はだいたいにおいて登場人物の本当の姿を知っているので、いつ、どうやって真実に戻っていくんだろう。。というわくわく感があります。

愛之助さんは本当に品があって、ちょっとズレているけれど育ちの良さを感じる素敵な男爵様。貫地谷さんも純なお嬢様をさわやかに演じていますが、鹿鳴館風のドレスがお似合いという点で、真飛聖さんと逆のキャスティングでもよかったのでは?それは、再演の時の田畑智子さんと横山めぐみさんの時もちょっと思っちゃいました。真飛聖さん、たぶん初めて拝見しましたが、とっても素敵この方の男役なら宝塚みたかったかもって思っちゃいました

花道や回り舞台、この作品はやっぱり新橋演舞場の設備がないとできない作品ですね。ちょっと前まで阿弖流為と田村麻呂、立烏帽子が走り回っていたとは思えないほどまったく違った空間になっていました。(あたりまえ)あ、勘九郎・七之助の伯母様、波野久里子さんは重要な役ですが、ちょっと調子が悪そうで残念でした。

仮の姿から現実の姿に戻れる人、現実の厳しさに戻れず彷徨う人、考えさせられる結末に、井上ひさしさんのメッセージを感じました。

帰りは木挽町広場で小倉ソフトをいただきました。ちょっと甘すぎかな?

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文芸春秋九月特別号 火花/又吉直樹 を読む

2015-08-12 23:57:28 | 私の本棚

正直なところ、落語は大好きなくせに漫才とかMANZAIとかは、ほとんど未知の世界です。だから、職場で若手がエレキテルの「だめよ~んだめだめ」とのたまわった時に、「なに、いまどきそんな森進一みたいな色気だしちゃって。」と発言してドン引きされたものでした 彼女、気を使ってその時はエレキテルとは言わず、のちに私が彼女らの存在を知って「もしや。。。」と切り出したところ、「あ~知らないんだわpippiさん。。と思って口にはだしませんでした。」と微笑み返してくれました。

そんななので、バラエティー番組で又吉さんが出ているのは見ても、彼が漫才をしている場面はいまだに見たことがありませんでも、不思議な存在感のある方だなあとは思ってました。

文学界で注目されて以来、読書家ぶりがテレビやネットでも流され、太宰ファンというのも興味深い。

。。。で、芥川賞受賞作一気読み可能な文芸春秋9月号GET.

読み始めると、最初のころは結構難しい表現が羅列されていたりして、もうちょっと平易に書いてもいいんじゃないかな~などと上から目線で読み進める私。しかし、あら、進む。だいたい、あんまり小難しかったり段落が切ってなかったりするとすぐ投げてしまう私なのに、この話は大丈夫。すごいまじめだ、この人。まじめでまっとうだ。。見た目と違う。。。そして、物語の核となる先輩、この人がかなり破滅型。これは又吉氏が敬愛するあの作家か破滅型の典型のような。。。

そんな先輩芸人を敬愛しつつ、その転落をハラハラしながら見つめ、自分の生き方を見つめ、最後には羅針盤を失って絶望的な状況に陥った彼に「それはあかんねん」と言い切る姿に、作家本人のまっすぐさを見た気がました。選考委員の評価は割れているようで、辛辣な表現をされている方もありましたが、私は次の作品も読んでみたいなあと思いました。

今月号は記事の中に30年前の日航機墜落事故で生還した川上慶子さんのお兄様の手記などもあって読み応えがありました。これから同時受賞作、羽田圭介さんの「スクラップ・アンド・ビルド」を読みます。

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美々卯でランチ+岩合光昭写真展「ふるさとのねこ」@ヒカリエ

2015-08-08 23:40:46 | 

阿弖流為ロスと酷暑の連続パンチで、しばらくブログ更新も怠っていましたが、ようやく涼しい朝を迎えて復活~クーラーなしでいられる朝を待っていた!「今こそ~迎えよう~黄泉の国へ~」と歌うトート閣下の気分・・・て、熱中症で黄泉の国に行っちゃいそうだったというのに支離滅裂(エリザベート観てない人にはわかんない話題ですまんです)

まあ、それはおいといて、久しぶりに大学時代の親友Jちゃんとヒカリエの美々卯でランチ。ここは混雑したヒカリエのレストランの中では比較的空いていて、しかもお味は私たち好み。美味しいものをちょびっとづつ食べたい!というおばちゃんたちの好みにぴったりです。

 

こんな感じ。このほかに、天ぷらやおうどんもついておなかいっぱい。  

  

デザートは場所を移してよーじやカフェで抹茶ババロアをいただきました。別腹とはよく言ったもんです。

渋谷に行くまで知らなかったのですが、ヒカリエ9階で岩合光昭さんのねこ展が開かれているということで、お隣のテーブルの人たちがグッズを見せ合って盛り上がっていました。このあと予定ありのJちゃんとさんざんおしゃべりして別れたあと、ひとりで9階へ。このフロアでは「バケモノの子」展もあり、そちらはグッズを求める長い行列ができていました。ねこ展は、そこそこ混んでいましたが行列するほどではなく、猫の写真を持って行くと入場料を何割か引いてくれるサービスもありました。チャメの写真持っていけばよかったかな。

ふるさとの・・・というタイトルのとおり、今回のねこ展のテーマは、岩合さんが青森県津軽地方で1年余をかけて撮った親子ネコたちと人々の暮らしでした。お母さん猫のコトラと可愛いこどもたちが、美しい四季の風景に溶け込んで、本当に美しかったです。

春は桜の花びらとたわむれ、夏には小川をぴょーんと飛びこし、秋にはりんごの実を狙うねずみを捕え、冬には降り積もった雪にまみれる津軽の猫たち。りんご農家のおばちゃんたちに甘える姿、おじいちゃんに抱っこされて初めての雪を見せてもらっている姿、狩人の目をして一点を見すえるまっすぐな瞳。その姿をとらえる岩合さんのやさしいまなざしまでを感じる作品の数々でした。ああ、こんな風に自然の中で思うままに生きられる猫たちって幸せなんだろなあ。。。猫たちの澱みのない瞳を見ているだけで、なんんだか涙腺がゆるんでしまうひと時でした。取材を始めたばかりの時にお腹が大きかったコトラから生まれた5匹の子猫ちゃんたちが、最後の頃には親となっているというショットに、猫の一年の大きさを感じました。だってまだ、最初の写真じゃ目もあいてなかったんですよ!はなちゃんは。

入場券も、おまけでくれるうちわも可愛くて、よく考えられているなあと感心して大事に持ち帰りました。グッズ売り場も充実してました。都内では繰り返し行われている写真展ですが、観ているお客さんたちも我家の猫ちゃんたちと比べて談笑している方が多く、人気の高いわけがわかたような気がしました。

  

 

 

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